里中と小南の違い(男女の恋愛観の違い)。
里中とは対照的に、ラストの小南の告白シーンで彼女は里中に告白されたことを「からかわれたと思ったの。ウチの気持ちを誰かから聞いていたか、ウチの単純な心に気づいていたか。わからないけど、遊ばれてるって思ったの」と言っていたように、彼女は誰か(人数はわからないけど)に相談はしていたのでしょう。間違いなく姫野は知ってそうですよね。
他にも二人の差というか、男女の差を表している部分はあります。
小南が事故にあって里中が過去に戻るとき、彼は倒れている小南へ目を向けて「もう、絶対に苦しめないからな」と思っています。
では、ラスト、小南が過去に戻るときはこのように描かれているのか。
「
彼がいくら叫ぼうと、もがこうと、小南には届かない。彼女の視界には、病室で横たわる里中のことなんて、すでに入っていないのだから。
」
つまり、小南は目の前にいる里中ではなく、過去にいる元気な里中に目を向けている。
男性が未練を残したまま次の恋へ移るのに対し、女性は未練など忘れて次の恋へ移る。そういった傾向はあるようですね。それを表現してみました。
こういったすれ違いは、なかなか切ないですね……。
こういうふうにしたのは、小南を「理想的ないい子」の像から外してリアリティーを持たせたかったからです。