第三話 『この世界について』
『選択肢』
一.この世界について調べる ←
二.学校生活に備えて準備をする
三.とりあえず1日休む
朝起きて俺はこの世界について調べることにした。チュートリアルがないゲームのような世界なら最低限の情報収集は必要だ。顔を洗い、寮が用意してくれる朝食を食べる。食事は平日の朝と夜は寮が用意して部屋に持ってきてくれる。昼は普通の学生は給食を食べるのでこの一週間は自分で用意しなければならない。
この部屋には生活に必要なものはほとんど用意されている。キッチン、冷蔵庫、洗面所、トイレ、風呂、など寮というよりマンションに近い。PCも各部屋に置いてあるらしい。どこからそんな金が沸いてくるのやら。朝食を食べ終えた俺はスマホを手にこの世界について調べ始めた。PCを使ってもよかったのだが、元の世界とは形状が違うため使い方がわからない。更に神様がダウンロードしたアプリにこの世界の説明書があったので少し癪だがそれで調べることにした。
この世界の人間の十人に一人はそれぞれ能力を持っており、人間離れした人種も存在する。戦闘向けの能力であったり普段の生活が少し楽になるくらいの能力など能力には個人差がある。この国ではその能力者を高校であれば十校に集め能力の向上と正しい使い方について指導を行っている。それらの高校は地名ではなく番号で高校名が統一されている。数が小さいほど強力な能力者が多い高校である。九校の生徒は『第一高校』を目指し年に一度上の高校に上がるための行事が存在する。らしい。
......俺に関係があるのはこのあたりか。
俺がこれから通う高校の名前は『第五高校』ということは俺にも能力が存在する!?
第五高校はちょうど真ん中、平均的な能力者が集まる高校ということか。
そんなことより俺は自分の能力が気になって仕方がない。すぐに能力検査をしに病院に向かった。色々な検査をして以外にも三十分もかからず結果が出た。
辻見 望 NOZOMU TUZIMI
能力名:カーディナルメイク
詳細:自分の血液が自分の手の表面に触れれば自分の意志で発動可能。
機能と形が分かっていれば生命以外のほとんどの物を作ることができる。
使う血液の量は大きさが大きいほど、構造、機能が複雑なほど増える。
作った物は体のどこからでも出すことができる。
正直なところ良いのかどうか分からない。なんでも作れるのは良しとして代償が自分の血......
チートではないことははっきりしている。
気付いたらもう午後七時だった。そういえば時間も文字も元の世界と変わりはないらしい。今日は夕食を食べて寝よう。検査ってこんなに疲れるのか......。たいしたことはしていないはずなのに何故か凄く疲れている。
明日は能力を使う練習をするか、学校生活の準備をするか、一日休む。まぁ明日のことは明日にならなきゃ分からない、明日決めよう。そんなことを考えながらベットに入ると疲れからかすぐに俺は眠りについた。