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第二十三話『会議と予感』

 自己紹介が終わりこの会議は本題に入ろうとしていた。こういった時の司会進行はだいたい唯美がやってくれる。


「では本題に入ります。まずは今後のスケジュールについてです。」


唯美がそこまで言ったところで俺は全員に事前に作っておいたプリントを配る。


「配布したプリントを見てください。問題がなければこのスケジュール通り進めます。」


配布されたプリントには、

八月十八日(月)~八月二十九日(金):特訓、武器開発などの準備期間

八月三十日(土):最終確認

八月三十一日(日):作戦決行

と書かれている。まあこれを作ったのも俺だからこのプリントを見る前に内容は知ってたんですけどね。


「では一つ一つ説明していきます。まずは準備期間の二週間です。この二週間でミカさん以外の全員にはひたすら特訓をしてもらいます。そしてミカさんには一人一人に合った武器を作ってもらいます。後でそれぞれほしい武器、装備などのアイデアを提出してもらいます。ここは武器開発の進み次第で遅れる可能性があります。ミカさん開発お願いします。」

「任せてください!」


 この準備期間の目的は武器開発もそうだが、連携力の上昇だ。俺達は今初めて顔を合わせたようなグループだ。連携も(クソ)もない。だからこの二週間で連携力を上げる。あわよくば、連携技なども出来たら最高だが、そこまで望んではいない。余裕があれば考えても良いだろう。


「八月三十日は最終確認です。この日は作戦の確認や武器、装備の確認をします。そんなにやることはないので実質休みです。そして八月三十一日が作戦決行予定日です。何か質問はありますか?」


唯美がそう聞いても質問はなかった。一見学校に行きながらだと少ないように見えるかもしれないが実際は八月二十五日から三十一日までは連休なので時間はある。この連休は元の世界で言うところのゴールデンウイークみたいなものだろう。


「質問がないようなので今日の会議はここで終わりにします。特訓の時間や何か変更があった場合は連絡します。明日から特訓は始まるので頑張りましょう。では、解散。」


唯美の一言でこの会議は終わった。何か大事なことを忘れているような気がするが忘れるということはそれほど重要なものではないだろう。

 

 会議の帰り、俺は買うものがあると言って唯美達と別れた。だが実際は考え事をしたいだけなのでしばらくアクシズの屋上でボーっとしていた。

 この一週間俺の中である予感が脳内をぐるぐる回っていた。何も考えていないとき思い出したかのように脳内に現れるそれはこの世界に来てからの俺を否定する。パズルのピースはすべて揃っている。はめる場所も分かっている。あとはピースをはめるだけだが、どこかでそれを止めようとする自分がいる。

 ふと空を見上げると暗闇の中で月がこの世界を照らしていた。この世界にも月はあったのかという驚きともうこんな時間かという合計二つの驚きで「あ。」と声に出していた。さっきまで温かかったコーヒーは冷め、外の空気も冷たくなっていた。個人的にはこのくらいの時間帯の外の雰囲気がとても好きだ。冷たくなったコーヒーを一気に飲み干し、缶をゴミ箱に投げ入れる。ゴミ箱のフチに当たった缶はカランと音をたててゴミ箱に入った。

 協力者を集め、武器の製造ルートも確保した。これでひと段落ついた。だがまだ休むわけにはいかない。俺には作戦を考えるという重大な仕事も残っているのだ。だいたいの構図は浮かんでいるが細かいところまではまだ決まっていない。あとはそれぞれがどんな武器を使うか、それによって何ができるのか、ということが鍵になるだろう。さらに能力の組み合わせによって状況を変えることができるかもしれない。奥深いな。

 明日から特訓は始まる。明日も休日だからまずは実力を知るためにあの人の力を借りるとしよう。そう思った俺はポケットからスマホを取り出し一本の電話をかける。

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