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第ニ十話『協力要請』

色々とありすぎて、あっという間もないくらい早く過ぎ去った休日に替わって平日、つまり学校がやってきた。まだあの学校にはトラウマやら黒歴史があるわけではないが、学校という響きだけで嫌なものを感じる。まぁ今日は特に行かなくてはいけない理由があるので行かないわけにはいかない。こんな未来的な世界でも学生に自由意志はないのだ。そんな事を考えながら学校に向かって重い足を引きずるようにして歩く。


 学校での授業は特に何もなく進み、時刻は昼休みとなっていた。その時から我ら一C五班は動き出した。そう、食堂へ向かうために。

 食堂に到着し、素早く食べられるものをそれぞれ購入する。俺は元々食べるのが早いのでそこまで気にする必要はないと思うが、一応焼きそばパンを食べることにした。


「では、これから最終確認を開始します。」


今回の司会は唯美。今回と言うとまるで前回も次回もあるようだが全くそんな予定はない。俺達は七森文奪還計画に必要な戦力を確保すべく、今週一杯かけて同じ学校の生徒に助けを求めることにした。今はその初任務の最終確認をするところだ。


「一年生は望くん、二年生は上原くん、三年生は夏海ちゃんが助けてくれそうな協力者を募ります。そして協力者たちの名前、連絡先、能力を私が記録、そして有志の統制を私がとります。」


こうして聞くと唯美が重労働に聞こえるがそれは文字数の問題だ。実際は俺、幸嗣、夏海の方が重要なのだ。失敗すると詰む。だからこの工程だけで一週間もかける必要があるのだ。


「何か問題はありますか?」


そう唯美が質問すると俺と幸嗣と夏海はパンを頬張りながら無言で頷く。最終確認ということはそれなりに会議を重ねてきたということだ。まぁ実際は二回しかしていないのだが。


「ではこれから一週間昼休み、放課後に協力者を集め、戦力を増やしましょう。解散。」


唯美が解散と言うとさっきまでパンを頬張っていた幸嗣と夏海はいつの間にか食べ終わっていて席を立ち、食堂を出ていく。俺も急いで焼きそばパンを食べる。そして、新たな仲間を見つけるために一年生の教室周辺に向かう。


 チャイムが鳴る。昼休み終了の合図だ。俺は昼休みの間一年A組の一人一人に協力してもらえるか聞いていた。だが結果は考えさせてほしいという人が二人、他の全員には断られた。まぁ赤の他人に命を懸けられる人間なんてそうそう居るものではない。おそらく考えさせてほしいと言った人も優しく断ったようなものだろう。ということは実質協力者は零人ということだ。とりあえず俺は次の授業に遅れないように次の授業の場所であるグラウンドへ向かう。

 授業が始まり、また地獄の筋トレが始まる。まずは腕立て伏せだ。こんな発展した世界でも筋トレの方法は多少は違うが基本は変わらないらしい。こっちの方が辛い。俺が腕立て伏せをしながら心の中で絶叫に似た叫びを始めた頃、隣の幸嗣が話かけてきた。


「望、昼休みどうだったか?」

「見事零人だ。」

「そうか。こっちも零人だった。まぁ初日はこんなもんだろ。」


 なんで幸嗣(こいつ)はこんな腕立て伏せしながら喋れるんだ?俺は原稿用紙一行以上の文を口に出した瞬間死んでもおかしくないレベルまで苦しいのに。幸嗣はまるで俺より体重が軽いかのように腕立て伏せをする。俺が一回やる間に幸嗣は三回くらいやっているだろう。

 それはさておき、幸嗣も零人だった様子だ。どちらかと言うとこんな男どもに協力してくださいと言われるより、唯美や夏海のようなかわいい女子に協力してくださいと言われた方が成功率は高いだろう。期待するなら女子陣だろう。


「はい、次腹筋!始め!」


体育の郷田先生の声が響く。だらだらやっていたら竹刀で叩かれそうな勢いだ。


***

 今日の授業が終わり、生徒たちは部活動などさまざまな活動を始める放課後がやってきた。その放課後に俺達は教室に集まっていた。


「私たちも0零人でした。」


女子陣も男子陣と同じように協力者は集まらなかった。まぁ当然の結果だろう。


「では放課後の活動に移りましょう。集まらなくてもやるしかないです!」

「そうだな。」

「りょーかいっ」


三人団結している。メンタルの強さは問題なさそうだ。では俺は...


「望くんはなんで帰る支度(したく)をしているんですか?」

「俺は、協力者に心当たりがあるので別行動させてもらう。学校は頼んだ。」

「心当たり?」

「学校は頼んだってことは学校外で協力者を探すのか?」

「探す必要はない。許可を貰えるかの話だ。」


三人の表情は疑問に満ちていて、理解できていないことだけが理解できる。


「まぁとにかく学校は頼んだ。じゃ、また明日。」


鞄を背負い教室を出る。そして俺は駅に向かう。それと同時にスマホをポケットから取り出し、電話をかける。


「もしもし、駒沢(こまざわ)さんですか?辻見望です。」

『辻見...あぁアクシズでの第五高校の生徒か。どうした?』


電話越しに聞こえる声は前と変わらずやはり冷酷だった。貰っていた名刺の電話番号を登録しておいて正解だった。そして早速だが本題に入る。


「故あって名取先輩を探しているんですが、今どこにいるかわかりますか?」


戦力が足りず、人員も足りない、数でごり押しはできない。なら俺は俺の知る中での「最強」に協力を頼むことにした。

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