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そういえば、朝食食べに言った時のことなんだけど。

誰一人喋らないからものすごく気まずかったんだよ。おはようすら言わないし、戴きますもごちそうさまも言わない。

その割には、綺麗に食べてたんだよね。手首と顔の角度ぐらいしか動いてないのに。それなりにホラーだったよ。


まあ、下らないことを報告しても意味がないので置いときまして。


一番言いたいことは、私も同じように綺麗に食べれた事なんだよ。

体の主導権は握ってるつもりだったから、前世の癖とか出るかもしれないなって思った瞬間の出来事ですよ。

体に染み付いた物は変わらないってことですかね、ありがたい事に。

立ち方も、気がついたらお嬢様みたいな事になるし、変な感じする。



さて、雑談はここまでにしましょうか。

なんでこんな事考えてるのかって話になるんだけど、ちょいと付き合ってもらえますかね。


勉強終わったから時計見たらお昼の一時でした。

『もうお昼か…』って思ったら急にお腹がすいてきたので、一階に降りていきました。

階段を降りた直後、弟と目が合いました。

弟が思い切り嫌な顔をしたので『またこいつか…』と思い視線をそらしました。

それが顔に出てたのか、弟がすごい剣幕で言い寄ってきました。

私の口がきつい口調で言い返して喧嘩勃発。


ということです、はい。

もう嫌だよーこの弟。毎回毎回向こうから喧嘩ふっかけてくるしさーなんなの?

問いただしたい気分だよ…


「アンタが食べるものなんて無いんだから、いつもみたいにさっさと部屋に行けよ!」


声を荒らげる弟。

私は変わらず抑揚のない声で言う。


「無いなら作ればいいだけじゃない。その貧相な頭ではそんな事も分からないのかしら?……いつも思うのだけれど、私のことが嫌いなら声をかけなければいいのに何故話しかけるの?」


『迷惑なの』という意味が込められてるのか、ため息が出る。体の主導権はやはり向こう側なのか…?

てかサラッと聞いてるよね、さっきの疑問。いつもはこの体が話す時に違うこと考えて暇を潰してたけど、もしかしたら話してることについて考えてたら言葉の主導権握れるかも?

それより、さっきの疑問についての弟の反応は。


「はぁ!?そ、それは…!あ、アンタが……アンタが目障りなんだよ!僕の視界に入ってくるな!!」

「………」


顔を真っ赤にして、どもりながら言い切った。かなり大きな声を出したからか、肩で息をしてる。


「…へぇ。私が目障りだから、と…そんな理由で毎回喧嘩を仕掛けられる迷惑を考えたことはございますか?それと、戸籍上家族であり一緒に暮らしている以上視界に入るな、と言うのがどれほど無理難題なのかお分かりですか?……それとも。こんな事すら頭に浮かばぬほど貴方の頭は貧相なのですか。」


ふーん。そんな理由で喧嘩ふっかけられてたんだ。かなり迷惑なんですけどー。一応家族なんだし、一緒に住んでる以上視界に入るなとか無理難題すぎるよね?そんなことも分からない?馬鹿なの?

って思ったら口が言ってくれた。

言葉は違うけど意味的には同じことを言ってるよね。やっぱり話について行けば言葉の主導権握れるかもしれないね。


これを聞いた弟は、赤かった顔をもっと赤くして(黒く見えるぐらいだ…)ぶるぶる震えてる。

怒りで震えてるのかな。なんでこんな感じに育ったのかな?一応キミ攻略対象だよね?こんなモブみたいな怒り方してたらモテないよー、なんてね。


あー…そんなこと思ってたら話に乗り遅れた。弟が逃げてく場面しか見れなかった…なんで逃げた?図星だったのか?



とりあえず、忘れかけてたけどご飯食べよう。

食べるものないって言われたけど、卵と塩コショウがあれば卵焼きとか目玉焼きとか作れるし。料理は作れるほうだと思うよ。




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