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大変遅くなりました。

第4話です。




部屋に戻ってきて最初に探すのは、学校のもの。それを見たら名前もわかるしどこに行ってるか、わかると思ってね。


机には、最初に見たノートとペンケースが乗っている。横にはスクールバッグが掛けてあり、下には教科書類が並べてあった。


ノートは真新しく、一枚も使われていない。表紙を見てみると、『日記帳』と書いてあった。

やっぱり見た目通り優等生って感じかな。今どきの子って日記を書くイメージがないし…偏見だけどね。


…よく見ると、教科書類もバッグもペンケースも、全て新品のように見える。

折り目もついてない教科書類、汚れなど欠片も見当たらないバッグ…


高校生ぐらい…かな?編入か新入か、日付がわかんないからわかんないけど。


それより、名前だよ。どこかに書いてないかな……ん、えーと…『聖黒椿学園(せいくろつばきがくえん)』って事は高校生かな…って違う違う、自分の名前が知りたいんだよ。


うん、無さげ。

今から書きますって事だったのかな?なんて間の悪い時に目覚めたんだ…

目覚めたって言い方中二病っぽいな。気がついたって言った方いいかな?


《ガチャ》


なんて、くだらない事考えてるから…家の人帰ってきちゃった。出迎えに行ってくるかな。


***階段降りてます***


帰ってきたのはおそらく弟。後ろ姿だからどんな感じかわかんないけど、どこかの学校の制服を着てる。


「おかえりなさい。」


透き通るような声が聞こえた。抑揚がないから冷たく聞こえる声が私の口から出ている。美声ってこれを言うと思う…


声をかけたから弟は振り返ってくれた。

薄い茶色の髪はくせ毛なのか首筋あたりで柔らかそうにはねている。小さく華奢な体に大きな目、すっと通った鼻に小さな口。泣きボクロは私と同じ位置にある。

似てる箇所はあるけどパッと見た感じ似てない。


弟は驚いたのか目を見開いていたけど、すぐに眉間にシワを寄せて目を細める。


「…いきなり後ろから声かけないでよ。」

「見つけたのが後ろ姿だったんだもの。」


スルッと言葉が出てきた。頭で考えるよりも先に言葉が出たって言ったらいいかな?

どことなく、口調まで変わってる気がする…


「…で、なんか用?」


ムスッとした顔で腕を組む。私の方が背が高いから必然的に上目遣いになる弟。彼的には睨むようにしたいんだと思うけど、逆に可愛い。


「別に。降りてきたら偶然貴方が居て、声をかけただけよ。」

「用がないなら話しかけないでよ。」

「貴方が居るなんて思わなかったんだもの。仕方ないでしょう?」


鼻で軽く笑うように言う。

にしても、この体ってこんな喋り方なんだね。ゲームの悪役にいそう。

まさか、乙女ゲームの悪役とかじゃないよね?

嫌だよ、そんなの。なんで他人の、しかも人間との恋路の邪魔なんかしなきゃいけないの?


私がしたい恋愛は『人外と』なんだから、興味無いよ…

それこそ、悪役ギャフンの場面に居合わせるなら影から見る方がいい。それか物語に全く関係ない、村人Jくらいとかね。


なんて事を考えてたら、いつの間にか弟が目の前からいなくなってるんだけど。どこいった?

この体が勝手に口論してたから怒って二階行っちゃったかな…内容全然わかんないけど。


じゃあ、私も自分の名前探しに戻りますか。

わかんないと不便だしね。


***階段登りました***


さて、どこ探そうかな。

無難に本棚?いや、小説か漫画かしかなさそうだしないだろう。

机の周りはさっき見た…うーん…他に探すとこある?


…諦めてベッドに転がろうかな。

休憩ということで、一回転がろう、うん。


《ボフッ》


あー気持ちいい…フカフカで最高の気持ちよさ。

これはあのソファに勝るとも劣らないね…

少しくらいなら寝てもいいよね?なにか思い出すかもしれないし…


モソモソと移動して枕に埋もれ、毛布をかぶる。




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