表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

18


ふと気づくとここ数日で見慣れてきた空間にいた。

目の前のモニターは右の画面だけ僅かに明るい気がする…そう思っている間に画面が揺れ碧海(あおい)が映る。


「…こんなに何度も会えるものなの?」

【…普通は無理じゃない?】


だよね。

よくあるのは、神様と意思疎通する為に神殿に行ってお祈りを捧げる…みたいな奴。自分から何かをしないと向こうからは何もしてこない、的な。


【アオイが何か聞くことあるみたい、って言ってたから来たんだけど…】

「ああ。」


忘れるとこだった。

確か『いつ頃学校始まるんだ』だっけ?


「初めて会った時、一週間後に学校あるって言ってたけどそれって『私』が出た日を含めて?」

【うむ…微妙な問題だね。ちょっと待ってて………そうみたいだよ。私はこうやって話ができるようになってからだと思ってたけど】


となると…明日で五日目?

残り二日か…見た目は何とか男にしたけど、細かいところは特に何もしてないしな。

そういえば父親に寮生活の事言ってない気がする。起きたらすぐ言うことにしよう…忘れないよう気を付けようか。


「…ねえ碧海。私どう見える?」


少しモニターから離れて全身が見えるようにして聞いてみた。

碧海もかるく身を引いて全体を見るようにして、考える素振(そぶ)りをしている。


【…冷たそう。血も涙もない冷徹少年、だね】

「まあそんなものだよね。性格からそう遠くないしそのキャラでいこうかな」

【いいんじゃない?確かその枠は空いていたはずだし、もめることも無いんじゃない?】


案外いそうなキャラなのに空いてるんだ…ってなんで攻略対象になることになってんの。

いくら元ヒロインの体とはいえ、そこまでハイスペックではないでしょう?

それに私が誰かを好きになるなんてありえないし。


「もめるも何も私はモブになるから関係ない」

【そう?まあ頑張ってー】


ひらひらと手を振ってそう言うと、ブチッと音がして碧海のモニター自体が消えた。

そこからすぐに意識が薄れていった。



≪ピピピピッ≫


ん…ああ朝か。

なんか今日は気持ちのいい目覚めだな。


ちらっと時計を確認すると8時半をちょっと過ぎたあたりだった。

微かに下からトントントンと包丁の音が聞こえる。父親が朝ご飯を作っている音だと思う。

つまり、下に行けば父親と話ができるということ…忘れないうちに寮生活のこと言っとかないと。まあ最悪何も言わないで勝手にやればいいか。


さて、着替えて父親と話す準備でもするか。寮生活が始まったら弟は私と会わなくなるから清々するだろうね。


逃げるみたいで嫌だ、なんて思わないよ。

むしろ逃げたければ逃げればいいって思うタイプだし、戦うなんて無駄なことできればしたくないもん。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ