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握力特化のバカが行く  作者: 溶ける男


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6/15

第6話 鬼ごっこ

すいません遅くなりました。

PCで保存せずに書いてたら更新で再起動入っちゃって

一回全部消えちゃいましてちょっと鬱になってたら時間が空いてしまいました。(言い訳です)

今日からは、訓練所の成果を確かめることも含めてエリア攻略に向かおうと思う。

先ずは、一度いった事のある森林エリアからだ。

森林エリアを超えると新しい町があるそうなので取りあえずそこまで行ってみようと思う。


いつもの様にグミを片手に草原エリアを抜けて森林エリアを目指す。

木の根に気を付けながら歩いていると一匹のゴブリンを発見した。

ゴブリンは此方に気が付いていない様で、気配を出来るだけ殺して後ろに回り込み、手に持っていたグミを反対側の茂みに投げ込むとガサガサと言う音にゴブリンの意識が向いたところに忍び寄り武器を持つ右手を捻り上げて地面に組み伏せる。

後は首の骨を後ろから折って止めを刺した。


う~ん、ノーダメで倒せたけど目的とした成果とは違う、

次にゴブリンを見つけたら正面から挑もう。

そう心に決めて森の散策を開始する。


一時間ぐらい経過しただろうか?

あの後、ゴブリンを6匹とオオカミを4匹倒した。

ゴブリンとは、一対一なら問題なくやれることが分かった。

ライラさんと比べると、攻撃は遅く単調なものに感じられてどこまで引きつけて躱せるかなどを試すことに夢中になって思ったより戦闘に時間をかけてしまった。

それでも、3匹を同時に相手するのには骨が折れた。

どうしても1匹に注意が向いていると他のゴブたちから攻撃を受けやすくなってしまい何度か被弾してしまった。

それでも、捕まえたゴブリンをもう1匹に投げつけて絡まってもがいている内に残りの1匹を始末して立ち上がった2匹の頭を片手ずつで握り込むと決着がついた。

痛みにもがきながら腕を外そうとしてくるゴブリン2匹を更なる力で握り込んで振り回しているとだらんと力が抜けたゴブリンのステータスには気絶の効果が付いていた。

気絶したゴブリンにそのまま止めを刺してちょっと休憩していると、前回同様気が付くとオオカミに囲まれていた。

こうなると気配を察知できるスキルの取得を考える必要が出てくる。

そんな事はさておき、リベンジを果たすためにオオカミと対峙する。

連携を取って飛びかかってくるオオカミに対してこちらは、掴ん(キャッチ)で(&)投げつける(リリース)戦法を取る。

飛びかかって来たオオカミを避るついでに尻尾を掴み無理やり引っ張り別のオオカミに向けてそのまま投げつける。

ダメージはそんなに期待できないが何度か繰り返していると、安易に飛びかかっては同じ結果にになると言う程度の学習能力はあるのかオオカミの行動パターンを変更させることに成功した。

まぁ、飛びかかって来て来てくれた方がやりやすかったのでそこからが本番と言えるのかもしれない。

オオカミたちは大きなダメージを狙わなくなり少しずつ削ると言う選択をしたようで、囮役と攻撃役に分かれて足や腕に攻撃を集中してきた。

どうしても囮役のオオカミの攻撃に注意が行ってしまって残りのオオカミの攻撃を避け損ねてしまいダメージを重ねてしまった。

それでも、オオカミの口を思いっきり握り潰して使い物のならなくしてやって攻撃方法を減らせたので何とか倒すことに成功した。


そして、森林エリアの本領発揮とも言える夜が訪れようとしていた。

夕日が木々の間から差し込み辺りを紅に染めていく光景を眺めながら、マップを確認すると如何やら中心部辺りまで入って来てしまっていたようで今から戻っても夜が来るまでに森を抜けるのは無理なことが分かる。

このゲームでは、戦闘エリアでログアウトするには専用のアイテムであるテントと魔物避けの香と言う消費アイテムが必要になる。

テントは消耗品ではないのだが、その分値段が高くて買えていない為ログアウトするには町に戻る必要がある為、一旦ログアウトして朝になって再ログインと言う訳にはいかない。

最終手段としての強制ログアウトを取る方法もあるのだが、その場合デスペナルティ相当の負担と共に最後に立ち寄った町に強制的に送還される仕様だ。

強制ログアウトしても死んでも失うものは同じだと言う訳で、もしかしたら町にたどり着けるかもしれないと言う淡い期待を胸にこのまま次の町を目指して夜の森を進むことに決めた。

それから少し進んらだところで完全に夕日が沈んで夜が訪れた。

昼間とは違い、月明かりのみが照らす森林エリアは木々に光をさえぎられて暗闇が広がる。

静まり返ったその暗闇の中から時折、オオカミの遠吠えやカサカサと何かが蠢く音が聞こえる。

おっかなびっくり目を凝らしながら進んでいると、不意に何かキラッと光る糸の様なものが見えた。

立ち止まって観察すると、それは如何やら蜘蛛の巣の様でしっかりとした糸が木々の間に張り巡らされていて糸を辿って巣の中心を見ると60cmはあろうかと言う真っ黒な蜘蛛が獲物が掛かるのを待ちながら気配を殺していた。

糸にかからない様にその場を離れて、さらに奥へと歩みを進めていると少し開けた場所がありそこには、岩の上に佇む1匹の大きなオオカミを見つけた。

そのオオカミは、真っ白な体毛に他のオオカミの2倍以上の体躯を持ち月の光を浴びてうっすらと発光しているようだった。

見たところ明らかにレベルが違うと思われるそのオオカミの神々しい姿に思わず見惚れていると不意にこちらを向いた。

完全に目が合ってしまい、ぶわっと汗が噴き出るような感覚と金縛りの様に動けなくなる。

此方を見据えながら大きく遠吠えをすると森の奥から無数のオオカミが現れてこちらを威嚇する様に唸りだす。

大きなオオカミが顎でかかれと命令する様に動かすと一斉にオオカミたちが動き出した。

慌てて体を動かすといつの間にか金縛りが解けていたようでその反動で思わず転びそうになったが、何とか立て直してその場を逃げ出した。


深夜の鬼ごっこはこうして幕が上がった。

無数のオオカミ(鬼)を相手に逃げ延びる事だけを考えて森の中をひた走る。

オオカミたちは、連携して僕を狩り立てる。

そうして走っていると、先程の蜘蛛の巣の近くまで来てしまっていたようだ、

そこであることを思いついたので実行してみることにした。


蜘蛛の巣を背に立ち止まると飛びかかってくるオオカミを捕まえては蜘蛛の巣に投げつける。

巣に引っかかり身動きの取れなくなったところに蜘蛛がやって来ては牙で首に噛みつき止めを刺して糸でぐるぐる巻きにしていく、後はそれを繰り返すだけだ。

オオカミたちの攻撃が途切れるまでひたすらそれを繰り返しているとオオカミたちも無理だと気が付いたのか引き返していった。

如何やら鬼ごっこはこちらの勝でいいのだろうか?

それから、蜘蛛の巣を確認するといつも間にか大きくこの近くの木々全体に張り巡らされて、そこから無数のミノムシが垂れるようにオオカミの簀巻きが垂れさがるさながらホラー映画の様な状態になっていた。

巣の主である蜘蛛は、1mを超えるほどの急成長を遂げた様で最初に見た時より凶悪さが増していた。

助かったと挨拶をしてその場を後にする。

蜘蛛は、此方のことはあまり気にしていないのか巣にぶら下がっているオオカミを食べるのに必死のようだった。

右の足を一本、バイバイと手を振るように動かしていたのは多分気のせいだろう。


それから、先程の広場を迂回する様に森を抜けることに成功して町にたどり着いた。

どうやら、鬼ごっこで扱っていたオオカミたちが居なくなったことで森の中のモンスターが少なくなっていたようで戦闘回数も少なく、群れていないモンスターと数回戦う程度だった。

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