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握力特化のバカが行く  作者: 溶ける男


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3/15

第3話 初勝利

初ログインから一週間。

町の周りをレベリングを重ねて探索していたが、≪格闘≫のレベルが10から上がらなくなっていた、如何やら一定のレベルを超えるとネズミでは経験にならないのだろう。

しかし≪握力強化≫はLv20を超え、今も経験値が一定量貰えていた。

多分補助スキルの為レベル差によるカットなどが発生していないのではないかと思う。

真相は分からないがレベルが、上がることは良い事だと割り切ってレベルを上げてきたのだが未だにグミを倒すには至っていなかった。


一日の終わりに、グミへの挑戦を繰り返したがやはり物理耐性の壁は高くHPを削り切ることは出来ない。

そんな事を繰り返していると、ふと気が付いた。

グミの物理耐性は、打撃寄りで斬撃には分裂で対処すると言う特性を持っている。

そして4分の1サイズになった後は、あっさりとポリゴン片に変わっていたので強力な握力で握り揉むのではなく、断つように素早く握り分裂させることで倒せるのではないかと思ったのだ。


思い着いたら早速試そうと思いグミを一匹捕まえて、今までの様に強く揉むのではなく鋭く握り込む。

手の両側から溢れるようにグミが変形したが、分裂させることは出来なかった。

何度か試してみたが結果は変わらない、スキルレベルが足りないのかそもそも斬撃として認識させることが出来ないのか。

それならばと、発想を変えて今度はついたお餅を千切るときの要領で左手の人差し指と親指で輪っかを作り絞り出すようにグミを変形させて右手で千切る。

プチっ!っという感触と共に一口大に千切れたグミをそのまま右手で握り込むとそれはポリゴン片に姿を変えて左手で持っていたグミの本体のHPが10%ほど削れた。

それを10回ほど繰り返したところでグミを倒すことに成功した。


「う~ん、倒せたけどなんか違うなぁ」


思わず呟いてしまうくらいあっさりと倒せてしまったが、物理耐性の壁を乗り越えるのではなくよく見たら扉が在ったのでそこを通っただけと言えるような納得いかない結果となってしまった。

いつか正面から乗り越えると新たに決意してレベリングも兼ねて新しいグミを1匹捕まえて左手で握りながら新しいエリアへと足を延ばすことにした。


町には四方に門があり基本的に出入りはそこからのみになるが、出た先は同じ草原となっていてモンスターの強さや分布に変わりはない。

しかしそこからさらに進んだエリアからはがらりと変わってくる。

東に進めば森が広がり、西に進めば川沿いに新しい街があるそうだ。

北には鉱山があり、南には海が広がっているらしい。

出てくるモンスターも地域に合わせたモノが出てくるらしく、東は虫や亜人系、西は両生類や鳥類が多く、北には防御の硬いゴーレムなど南には魚類などが出るらしい。

今のスキルレベルだと北はまだ難しそうだ、≪登攀≫のレベリングも兼ねていずれ行きたいが岩を握って砕けるほどの握力はまだない。

そうなると、東から攻めるかな。

木登りも出来るし亜人系のゴブリンも相手にしてみたい。


グミを片手に森を目指す。

いざとなったら投げつけるか盾代わりに使わせてもらおう。

そうこうしている内に森へ到着し早速探索へと取り掛かる。

森には、色々な薬草が生えているらしく採取出来ればクエストや≪薬剤≫持ちのプレイヤーに高く売れるらしいが、なにぶん採取に適したスキルを持っているわけでは無いのでどれが、薬草なのか分からない。

薬草を見分けるには、≪採取≫や≪薬草知識≫などのスキルを取るか、実際にゲーム内で本で調べたり実物を見たりする事で識別できるようになるらしいが、レベリングしかしてなかった為にそういう部分には、疎いのだ。

今までは、大ネズミの討伐依頼しか受けてこなかったが、そろそろギルドのクエストも進めて行こう。

その為にも現状どの程度戦えるのかを確認するとしよう。


森を進んでいると先ず現れたのは、大きなカナブンだった。

既にこちらに気付いて居る様で木々の間を縫うように飛びながら一直線に向かってくる。

サイズは50cm弱だろうか、ここまで大きいと昆虫も気持ちが悪い。

スピードを緩めず体当たりをしてきたカナブンを右手で受け止めようとしたが、衝撃に腕を弾かれてしまい捕まえることに失敗した。

カナブンは大きさの割にあまり重くないようだがスピードがあった為、例えるならバスケットボールを思いっきり投げつけられたような感じだろうか。

弾かれた右手は問題なく動くようだが、片手でグミを握りながら相手できるような獲物ではないようだ。

再度向かってくるカナブンの頭を目掛けてグミを投げつける。

カナブンは軌道を変えて回避してそのままの軌道で体当たりを仕掛けてきたが、回避の為にスピードが落ちていた為、今度は両手で包み込む様に捕まえた。

しかし捕まえたのはいいが、このサイズになると昆虫の体は硬い。

現実だとプチッと行けそうなイメージがあったが、分厚いプラスチックの様な感触で生半可な力では変形させることも出来ない、その上捕まえたはいいが六本の足でもがき続けているのでHPががりがり削られている。

取りあえず、邪魔な足を一本一本取り外して抵抗できなくしたところで羽が動かない様に左脇に抱え込んで右手で思いっきり頭を握り込む。

どうやら今のスキルレベルでは潰すことは叶わないようなので、頭を捻って手前に引き胴体と切り離すとポリゴン片に姿を変えた。

うん、リアルすぎて気持ち悪い。


このゲーム、謳い文句にもう一つの世界と言うだけあって、ゲーム的な部分とは別に現実的な仕様が取り入れられている。

先程カナブンを倒した時の様に頭と胴体を切り離すと言った現実的に死ぬような行為を行った場合にHPが全損するのだ。

これによって、急所を狙った一撃でレベル差を覆すような結果を得ることも出来るが逆もまた然りと言った所で此方もまた急所への一撃で死んでしまう事にもなる。

早い話が、頭や心臓を打ちぬかれたり首を切り落とされたりすれば死に戻るのだ。

その為、急所の守りに特化した様な防具も存在している。

そういえば、まだ装備が初期装備の布の服のままだな。

今更ながら装備やアイテムなどの準備をせずにここに来た事に気が付いた。

先程の戦闘でHPは3割ほど削れていて回復アイテムもない。

これは、ネズミはノーダメで倒せるようになったしグミは死ぬまで揉むことにしていた為の弊害と言うかお金はたいしてないしアイテムもデスペナルティでロストすると言う理由から補充していなかった。


まぁ失うものはたいしてないから今日の所は様子見ってことでこのまま進んでみるかな。

そうしていると木の影から緑色の皮膚にぎらついた大きな目、噛みつかれたら痛そうな牙だらけの口に尖がった耳、少し猫背の小人ゴブリンが現れた。

ゴブリンは、錆びた剣を片手で持ちもう片方には今捕まえたであろう大ネズミの尻尾を掴んで引きずっていた。


「ギャ!」


此方に気が付いたのか持っていたネズミを手放し剣を構えて威嚇する様に吠えた。

如何やら見逃してくれる気はないようでジリジリと距離を詰めてくるので姿勢を低くしながら待ち構える。

飛びかかるように跳ねた後、上段から振り降ろされる剣を持つ右手を何とか左手で掴んんで空いている右手で頭を掴んでみたが小動物と違ってゴブリンの頭蓋骨は硬い。

思いっきり握るもたいしてダメージを与えれることが出来ず、手を噛まれそうになったので右手を放すと空いていた左手で腹を殴られてこちらのHPがガクッと減った。

それでも、握っていた右手を潰すように握り込み剣を落とすことには成功した。

一度距離を取るとゴブリンは落とした剣を左手で握り、右手は使えなくなったのかだらりと力なく下がっている状態になっていた。

頭を握られたせいか視界が悪くなっているようで、剣を誰も居ない場所に向かって振り回しながら喚いている。

振り回される剣をなんとか掻い潜り接近に成功すると先ずは、左手を潰すことに専念する。

動きを制する様に掴んだ左手を捻じり上げて空いている手で肩を思いっきり握り込むとガコッという衝撃と共に左手に力が入らなくなる。

両腕が使えなくなり痛みにギャアギャと吠えながら抵抗するゴブリンの頭を再度掴み大外刈り要領で足を引っかけて転ばせて、握っている頭を地面に叩きつける。

止めとばかりに力いっぱい頭を握り込むとポリゴン片になって消えた。


2回の戦闘で既にHPは3割を切っているのでまだまだこの森での戦闘は早かったのか此方の動きが悪すぎたのか、まぁ後者なのは間違いないと思うが何かしら戦闘について考えないといけない気がする。

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