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事件の概要

サブタイ通り、事件の概要だけですねw

 さてと、ビッグバードによる不愉快極まりない移動を終えた後、俺はなんとか自分で防護服を脱いで、軽く伸びをした。


ゴキッ、ゴキッ!


 うん、やっぱりこの旅客機ビッグバードは狂っとる。15Gですぜ15G。かかってるGがおかしすぎる。熟練の曲芸飛行士の耐えられるGでさえ最大でも10Gくらいなのに、その1.5倍とか。だから圧搾重水素を利用した核融合エンジンなんてつけなくても、普通に水素燃料ロケットと同じ原理にしても十分過ぎる出力は出せるし安全だと散々言ったのに。なんてバケモン作っちゃったんだよあの研究者ガイキチども。アホなの?バカなの?死ぬの?

 ロマンを追い求める事はいい事だが、次に何か設計する時は快適さと安全性も考慮に入れてほしいものだ。

 因みに耐G防護服はビッグバード専用に作られた耐Gスーツだ。普通の耐Gスーツと見た目こそ同じだが、圧搾空気を送り込める量が段違いだ。やろうと思えば従来の3倍は送り込めるんだとか。まあ、そのお陰で体中が痛い訳ですが。前回の防護服無しよりかはマシなので良しとしよう。

 横を見ると丁度花楓も伸びをしていたところのようだ。


「頼むからもっと快適な奴を作れって君からも言っておいてくれ」

「こちらから言っても彼らは何も変わらないのは所長も分かっているはずではないですか」

「言ってみただけだ」


「ユカワ教授とミスサカナシですね?」


 声のする方に振り向くと、そこには、ウェーブのかかった黒髪に褐色肌の美青年がいた。


「そうだが君は?」

「リカルド・アンチェロッティです。連盟専属ドライバーの新入りです」


 成程、見掛けない顔だと思った訳だ。


「こちらへどうぞ。現場まで直接ご案内します」

 

 彼の手が示した先には黒のクラウンがあった。

 もしや研究者れんちゅうたちがまた何か面白可笑しいものを作ってくれたのかなと期待していたのだが残念だ。彼等は何故か自動車に関するセンスは非常にいい。が、その他が良くて壊滅的、最悪カオスな事になりかねない。多分これ連盟内で既に七不思議になってんじゃね?

「もう既になってるみたいですよ?」

「え、マジで?っていうか心の声ダダ漏れしてたん?」

「はい、マジです。あと、また何か面白可笑しいなんたらかんたら〜ってところから聞こえてましたね」

ほぼ全部じゃん…



車に乗込んで腰を落ち着かせてから俺は花楓に尋ねる。

「で、概要は?」

「はい、時刻は現地時間の昨日午前1:27、場所はハーメルン」

あ、これ大体内容分かっちゃったんだけど。何か重要な情報るかもしれないからもう少し聞いてみるか。

「午前0:00頃に突然笛の音が街中に鳴り響きます。その後子供達が夢遊病に類似した症状になり、親達は取り押さえてみたものの、子供では有り得ない馬鹿力で振り解かれて、そのまま何処かに行って行方不明に。行方不明となった子供達はおよそ500人だと思われます」

やっぱりかー。ハーメルンと言ったら誰もが連想する事、ハーメルンを一躍有名にした民間伝承―ハーメルンの笛吹男しかないな。それを模した子供達の失踪事件という訳ですかい。

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