ファイヤーボールによる山火事の危険性
私は中部地方の山間部に住んでおり自分の家に山林もありますので、薪や山火事については多少は知識があります。題名につけましたように、ファイヤーボール等の火魔法による山火事の危険性について、誤解されている作者様が多いようなので、少し知識を披露します。
まず山火事が発生するには2つの条件があります。
1.雨が長期間降らず地面や空気が乾燥していること
2.樹木に水分が少ないこと
このうち、1は多言を要しませんが、2が問題となります。例えば、葉が青々と茂り光合成を盛んに行っている状態では樹木は水分を多く含んでおり、ファイヤーボール等が当ってもまず延焼しません。せいぜい当った樹が燃えるだけです。
では、どのような時に、樹木の水分が少なくなるのでしょうか?容易に想像できますが、冬です。秋から冬にかけて、樹木はだんだんと水分を減らしてゆきます。光合成が少なくなるのと冬の寒さに備えるためです。
ちなみに、薪をつくるためには冬の終わりに木を切って割り、それから一年程度は乾燥する必要がります。このくらい手間をかけないと燃料としては使えません。
このように樹木の水分が少ないことが必要となり、めったやたらと山火事は起きません。なお、当然のことながら、山火事は冬から春にかけて多いですが、夏に起きることもあります。
剣と魔法の舞台となるヨーロッパを見ると、南部は地中海性気候のため乾季となる夏に大規模な山火事が多いようです。ドイツなど中部および北部は特に多い時期はないようです。このように自然条件によって山火事の危険性は大きく左右されます。自然に密着して生活していた中世ならば、おそらく子供でも知っていたことでしょう。
PS 2015年8月2日名無しでゴンベエ様より御指摘を頂きましたので表現を修正しました。