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初めまして、私は勇者の…。【連載版】  作者: 徒然草


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5.アリーとバロウ3

 アリーとバロウの続きです。今回はスッキリ回の一つになるかもしれません 笑 

※暴言注意です


 バロウと暫く話をしたアリーは、自分が買い物を頼まれていた事を思い出して市場に戻る事にした。バロウは今後どうするのかアリーが心配したのだが、


「俺は適当に野宿する。こんなの慣れっこだから余計なお世話だ。」


 と言ってひらひらと片手を振った。まだバロウが村を出ていく様子を見せなかった事にホッとしながらアリーは買い物を終えた。


「ちょっとアリー、さっきのは何なの?」


 市場から出ようとすると同い年のメノア、ミラ、カレンダの3人がアリーを呼び止めてきた。この3人はメノアを中心として、アリーに嫌がらせを多くしてきた女の子達だった。けれど今までは悪口は言われてもアリーに直接話しかけてくる事なんてなかった為、アリーはとても驚いてしまった。


「アンタさ、アスランの悪口を言っていた最低男と何楽しそうに話してた訳?」


「っ?!」


 バロウと居る所を見られていたのだとアリーは分かり、内心冷や汗をかいた。


「アスランの悪口を言っていた事知ってるでしょう?! それなのにあの最低男と楽しそうに話すなんて、アンタはアスランの幼馴染の癖にどういうつもりなのよ!?」


 メノアの怒声に、ミラとカレンダも同意するようにアリーを睨見つけてきた。


「…っ。」


 アスランの幼馴染だからなんだ、なぜそんな理由でバロウと話をしてはいけないのか。アリーは心の中で思うのに、3人からの圧力に負けて言葉にする事が出来ない…。


「…もしかして、あの男に媚でも売ってるの?」


 メノアの言葉に訳が分からずにアリーが目線を向けると、メノアが軽蔑するような眼差しを向けてきた。


「あの男、外見はそこそこだったものね。外見が良ければどんな男でも引っ付いていくのかしら?」


「っ〜〜。」


「アスランの幼馴染という立場に甘えてる貴女の事は昔から気に入らなかったけど、アスランの悪口を言う男に媚びを売るのは赦せないわ!」


「色目使うのはやめなさいよ。一応貴女はアスランの幼馴染、なんだからね!」


 3人からのあんまりな言い方に、アリーは今まで以上のショックと怒りを覚えた。アリーは今までアスランどころか誰かに色目を使った事なんてない。それなのに何故こんな事を言われなくてはならないのか。アリーはアスランの幼馴染になりたくなんてなかったのに。何度目になるかも分からない言葉を頭の中で繰り返しながらも言葉には出せなかった。


 何故なら、怖いからだ。今この場で言い返したその後を、一人でどうやって切り抜いていけばいいのか分からないからだ。アスランがいた頃から変わらない現状は、これからもきっと変わらない。アリーは悔しさと悲しみに、唇を震わせながら俯いてしまった。


「ちょっと、黙ってないで何とか言いなさいよ!」

 

 メノアが高圧的な態度でアリーに言ったその直後だった。


「おーい、何やってるんだよ。」


 聞こえてきたバロウの声に、アリーだけでなくメノア達もビクッと身体を震わせて驚きながらバロウを見た。バロウはアリー達の元に、何処か面倒くさそうな気怠げな様子で歩いてきた。


「え、どうして…。」


「…まぁ、暇だったから散歩でもしようと思ってな。そんでついでに、そこの女共の声がデカいから話も聞こえてきた。」


 アリーの疑問に、バロウはメノア達に目線を向けながら応えた。メノア達はバロウの登場に戸惑いながらも警戒したようにバロウを睨み付けた。するとバロウは意地悪そうに笑った。


「ぷっ、アンタら勇者様の幼馴染って言われるコイツに嫉妬して嫌がらせしてるんだって? そんでもって折角コイツが勇者様じゃなくて別の男のところにいこうとしてくれたっていうのに、それにもケチつけるだなんて面倒な女共だなぁ?」


「っ、はぁ!?」


 メノア達は怒りに顔を歪ませた。アリーは内心慌てるがどうする事も出来ずに佇むしかない。だがバロウは何処吹く風といった様子で呆れた顔をした。


「そもそもお前らはブスなんだから脈無いだろ?」


 バロウの言葉にその場が一気に凍りついた。


「顔はブスで性格は面倒臭い、そんな奴ら勇者どころかその辺の男だって相手にしねぇよ…いや待てよ、むしろお優しい勇者様なら慈悲で受け入れるのかもしれないな、お前らみたいなブスでも。」


「なっ、なんですってぇ!?」


 態とらしい態度のバロウにメノアが声を出した。しかしバロウはメノアを無視して3人をじっと見た。


「な…何見てんのよ気持ち悪いわねっ!」


「ま、流石の勇者様も性格が悪い女はお断りだよな。だからよ、顔も性格も気にせず身体だけに興味を持ってくれる男を探してみろよ…アンタはそれも難しそうだな。」


「なっ?!」


「っ…。」


 バロウはメノアを見ながら嘲笑うように言った。メノアの体型はこの場で一番…何とは言わないが控えめであった。アリーは思わず吹き出しそうになってしまったが堪えた。


「ち、ちょっとアンタ! 酷いじゃないですかっ!!」


 怒りと羞恥心のせいか顔を赤らめて何も言えずにいるメノアを庇うようにミラが睨み付けながらそう言うが、バロウは相手にする様子はない。


「あ! そうだ、一つ良い事を教えてやるよ。勇者アスランの仲間にたった一人女が居たんだ。お前らブサイクと正反対の中々の顔立ちで胸もでっかいイイ女だったぜ。性格はどうなのかは知らねぇがな?」


「…えっ?」


 メノア達はショックを受けたような顔をして呆然とした。バロウはそんな3人の様子を面白そうに見た。


「すっげぇ仲良さそうだったし、もしかしたらお仲間以上の関係かもな?」


「なっ、そ、そんなの嘘よ! あ、アンタはアスランの悪口を言う最低男だもの、嘘に決まってる!!」


 必死な様子でカレンダが反論した。しかしバロウは嘲笑うだけだった。


「おいおい、格好良くて優しい素敵な勇者様はモテるんだろう? むしろ女が出来ねぇ方が不思議だろうが、馬鹿なんじゃねぇの?」


「そ、それは…。」


 バロウの言葉にアリーはその通りだと思った。アリーだけでなくメノア達もそう思ったのだろう。ショックを受けたように何も言わずに黙り込んでしまった。


「まぁ、そういう訳だからさ。幼馴染だからって理由でコイツにストレスぶつけてる場合じゃないだろう。お前らブサイクに脈なんて最初からねぇんだから、外見と性格磨いてお前らに釣り合う男見つけて媚売る努力でもしろよ。」


「…っ!」


 バロウから散々な事を言われたメノア達は、何かを言おうとするが誰一人口を開けなかった。ミラとカレンダはバロウを睨み付けているが、何時も高圧的なメノアは泣きそうな顔をしている。そんな3人の様子を悪びれた様子を欠片も見せず、意地悪そうに笑いながら見つめるバロウに、アリーは胸の中のモヤモヤが消えていくのを感じるのだった。


 バロウが好き放題言いまくる回でした。体型の事を言うのは本来であればNGですが仕方ありませんね 笑

 ここまで読んで下さり有難うございました! もし宜しければ評価して頂けると嬉しいです! 

※誤字脱字報告有難うございました!

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