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男だけど期間限定でアイドル♀活動してます  作者: ソラ・ルナ
第二部

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10話.二人と買い物に行きました②

 軽めの昼食、と言って良いか分からないけど、終えてマクドナルドを後にする。

 美香とはこの後近くの公園へと行った。


「この後は公園だったよねレオナちゃん」

「ああ」

「ふふ、あの動画で出ていた場所ね」


 あの動画とは、私達『スターナイツ』の歌の一つを歌っていたグループに私が乱入した件だろう。


「……」

「今日もしてるか楽しみだね!」

「私達を追う者達を見ておくのも悪くはないわね。レオナのような逸材に出会える可能性もあるものね」


 そんな会話をしながら、公園へと歩く。

 道中滅茶苦茶色んな人達に見られるけど、声を掛けられる事はない。

 いや掛けようとしてくる人も居たけど、私とユナが同時に睨むとすぐに去っていくからね。

 その度にユリアが苦笑していたけど、この役目は私がしないとと思っている。

 外見が女だとしても、中身は男なんだから。

 自分で言うのもなんだけど、結構運動神経には自信がある。


 喧嘩はした事ないので、強いか弱いかは分からないけどね……。

 それでも、友達を見捨てるような真似だけはしたくないと思っているから。


「わ! 今日もたくさんのグループがやってるね!」


 ユリアの言うように、それぞれのグループが邪魔にならない程度の距離を開けて、歌や踊りを披露している。

 この公園は先週の事もあって、人通りが増えているようだ。


「お、おい、あれっ!」

「マジかよ……『スターナイツ』勢ぞろいじゃねぇか……!」

「やっぱカリスマっていうか、オーラが半端ないな……近づけねぇわこれ」


 そんなものでてるの?

 私にはさっぱり分からないんだけど。

 とりあえず、一つ一つのグループを聞いていこうと思う。


「♪~♪~!?」


 しかし、大体のグループが私達が近づくと委縮してしまって、歌や踊りが止まってしまう。

 しまったな、そんなつもりじゃなかったんだけど、これじゃ邪魔をしてしまっている。


「crazy……」

「ユナ、抑えろ」

「im so sorryレオナ」


 ユナもこれには残念に思っているようだ。

 去るか、そう考えていた時に、ユリアが歌い出した。


「♪~~~」

「「「「「!!」」」」」


 音楽など無い、歌声だけの音。

 けれど、その音声はこの公園で歌う誰よりも、どの曲よりも頭に響く。


「♪~~~♪~~~」


 ユリアの声は、私やユナよりも非常に力強い。

 元気な、と良く表現されているけれど、その強さは私やユナの声量を凌駕しており、私とユナが認めている力。

 絶対音感を持っているユリアは、その音が狂わない。

 だからこそ、最初は私やユナの声に合わせすぎて、自身の声を消してしまい、自分を出せていない時があったのだ。


 でも、今は違う。

 喉が枯れるほどの練習を繰り返し、自分を体現する声を身につけた。

 そしてユリアの凄まじい肺活量から出る大きな声は、全ての騒音を掻き消す力となる。


「「「♪~♪~」」」

「「「「「!?」」」」」


 そこに、私とユナの声が合わさり、ハーモニーへと昇華する。

 楽器による音楽は無い。

 ただ、人間の体から発せられる声だけで音楽を奏でる。

 声楽の無伴奏、ア・カペラだ。


「「「♪~♪~♪~」」」


 そこに、私達は踊りを加える。

 人がどんどんと集まってきて、円を描くように空洞が出来ている感じだ。

 先程まで歌を歌っていたグループや、演奏をしていた人達も……って、ギターを持った人達がきたな。


 私が踊りながら視線を向けると、その人には見覚えがあった。

 よく音楽チャートランキング2位でその名を見かける、グレイだ。

 彼らも来ていたのか。


「レオナ! 僕達も参加しても構わないか!?」

「「「「「!?」」」」」


 観客達も驚くのは無理もない。

 何故この公園に、ランキング1位と2位のグループが勢ぞろいしてるんだって話だからね。


「Come on! グレイ!」

「!! OKレオナッ!」

「「「「「ワァァァァァッ!!」」」」」


 人だかりがグレイ達から少し離れ、私達とグレイ達の協奏曲へと変化する。

 流石にグレイ達は上手い。

 視線で指揮を取るが、音程に狂いが無い上に、こちらが合わせなくても合わせてくる。


「ははっ……! 流石はレオナにユナ、ユリアだっ……! ここまで凄いとはっ……!」

「……」


 言葉を発したいが、ぐっと堪えて視線を向けた後に踊りで応える事にする。

 代わりに、ユナが言葉を発してくれた。


「私達を追うだけあって、中々やるじゃない。けれど、私達の実力はまだまだこんなものではないわよ? ついてこられるかしら!」

「!! 上等だぜ、なぁ皆!」

「「「おおっ!」」」


 私達の歌と、彼らの伴奏がまるで手を取り合い戦っているかのように、盛り上がっていく。

 今この場で聞いている人達は感じるだろうか。

 この力強さを、勢いを、

 身が震えるかのような感動を。


「「「「「ワァァァァァッ!!」」」」」


 そうして歌と踊り、伴奏が同時に終わった後、凄まじい歓声が私達を襲う。

 いつの間にかドーム以上に人が集まっていた。


「……」

「『スターナイツ』、今はまだ負けを認める。けれどいつか、僕達が1位を取るよ!」

「……」


 私はポケットに入れていた帽子を被り、それで目を隠しながら最後に声を掛ける事にした。


「……頂点で待っている。行くぞユリア、ユナ」

「うん! レオナちゃん!」

「クス、それでこそレオナよ」


 私達が移動すると、皆が道を開けてくれる為助かった。

 もみくちゃにされるような事は女性3人と思ってくれているからないだろうけれどね。


「『スターナイツ』……やっぱりカッコイイんだよな。僕達もいつか……!」


 グレイ達が輝く瞳で私達を見ていた事に、やはりというか後のSNSで上げられていた動画で気付いた時は恥ずかしい思いをしたけれど。

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