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男だけど期間限定でアイドル♀活動してます  作者: ソラ・ルナ
第二部

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20/35

5話.文化祭の準備が始まりました

 早いもので、今日はもう木曜日。

 毎日のようにゲームで言うイベントが起こっているような気がする。

 そんな事を考えながら机に体重を預けていると、教室のドアが開く。

 ドタバタと皆が席につき、ホームルームが始まった。


「えー、今から2週間後に文化祭なのは皆知ってると思うが、それに伴い今日から文化祭終了まで、午前の二時間授業以外は文化祭の準備時間となる」


 先生のその言葉に、クラスメイト達が湧いた。

 それはどこのクラスも同じようで、他のクラスの歓声も聞こえてくる。


「静かにしろー。今日は午前中に役割と何をやるかを決めてもらうぞー。まずは実行委員を決める所からなー。よし、とりあえず学級委員長の二人は前に出てそれらを決めてくれな。先生は見てるから」

「「ええー!?」」


 男女二人の委員長達が抗議をするも軽くあしらわれてしまい、仕方なく壇上に立つ。

 先生は端っこにパイプ椅子を置いて、すっかり観戦モードである。


「あ、ちなみに『スターナイツ』の二人に関しては、準備は手伝ってもらって良いが、抜けなければならない時も多々あるだろうから、責任のある役割は振らないようになー」


 先生が補足し、そこに不満を漏らす人は居なかった。

 僕もそういう意味では役割を貰うわけにはいかない。

 いかないんだけど……


「実行委員長は姫咲君が良いんじゃない?」

「去年も色んな人のサポートしてたしねー」

「確かに良いかも」


 とか僕の意思を関係なくそんな話題が出始める。

 ヤヴァイ、これに関してはユリアもユナも口を挟む事は出来ないだろうし。


「あー、タクトは持病持ちでさ。時々家に帰らないといけなくなったりするんだよ。だから勘弁してやってくんねぇかな」

「え、そうなんだ。ごめんね姫咲君」

「立川君が言うなら、ホントなんだろうねー」

「そういえば去年も時々帰ってたね」


 話の流れが僕にとっていい方向に変わった。

 博人の方を見ると、親指を立てて笑っていた。

 うう、ありがとう博人。


「その変わりって言っちゃなんだけど、俺が立候補しようか? 皆が問題なけりゃだけど」

「ヒロがやんなら、あーしも立候補しても良いし!」


 博人と皐月さんがそう言うと、クラスの皆は次々に賛成していく。


「立川なら良いな!」

「皐月ちゃんなら女子も問題ないでーす!」


 流石クラスのリーダー的存在の二人。

 一気に流れが変わった。


「おーし、そんじゃ司会変わるぜ。センセ、文化祭で何やるかはどう決めたら良いんスか?」

「候補を三つまで絞って、順位を決めてくれたら良いぞ。生徒会に持っていけば割り振られる事になるからな。ただ、すまんがうちのクラスは今回かなり期待が高くてな……分かるとは思うが、研究発表等は即座に却下されると思ってくれ」

「「「「「あー」」」」」


 クラスメイト全員が納得した。

 そりゃ、『スターナイツ』のメンバーが二人も同じクラスに居て、そんな事をしたら他のクラスから大ブーイングされるだろう。


「これは難易度が跳ね上がったな。とりあえず、意見出してってもらえるかー?」

「立川立川! メイド喫茶とかどうよ!?」

「男子は何すんのよ!?」

「勿論裏方で」

「サボる気満々じゃん!?」

「はいはい! お化け屋敷!」

「それ多分却下類に入るんじゃね?」


 色んな意見が出て、皐月さんが黒板に書いていく。

 とても可愛い文字でつい和んでしまう。


「やっぱユリアちゃんやユナ様が居るんだし、ライブとか良いんじゃない? 二人が良いと言ってくれたらになるけど」

「あー、それ最高だよな! 俺達全員裏方になるけどさ!」

「それなら応援うちわとか私達全力で作るよ!」


 あー、そういう流れになったか。

 ライブって知られていないけど、準備は結構大変だったりする。

 この学校の体育館で行うとして、貸し切りは多分問題なく通るだろう。

 けれど、照明はどうするのか。観客の誘導も必要だし。うちわの話が出たけれど、サイリウムなどのライブ用のアイテムの数。

 舞台で踊るアイドル達を映す中継用ビデオカメラなんてのも必要だ。

 少し考えただけでもこれくらい思い浮かぶのだから。

 大体、そういう準備は踊る側である僕達はしてこなかったし、それがどれだけ大変なのか、僕だって正直分かっていない。


 そう考えていたら、ユナが立ち上がった。


「分かっているのかしら? 私達『スターナイツ』を使うという事は、生半可な態度は許さないわよ? 本気で、全てを燃やし尽くすつもりでやらないのなら、私達は見捨てるわ。それでも良いのなら、この私とユリアは力を貸してあげましょう」


 その言葉に、クラスメイト達は歓声をあげた。


「やったぁぁぁっ! 『スターナイツ』のライブを目の前で見れるなんてっ……!」

「これで燃えないファンなんていないわっ!」

「俺、まだ何にもわかんないけど、全力で手伝う……!」


 おわー、ユナがクラスメイト達を滅茶苦茶焚き付けたよ。

 ふっとこっちを見たユナは、挑戦的な表情を向けてきた。

 いやいや、僕はやらないよ、やれないよ。

 そう思ってユリアの方を見ると、何故だがニヤニヤとしている。


「って事は決まりだな! 我らが2-Cは、『スターナイツ』のライブで決定だっ!」

「「「「「ワァァァァァッ!!」」」」」


 凄まじい歓声が上がったけれど、先生に怒られるよって思ったら、先生も一緒になって右手を上に上げてた。

 先生もファンだったんですね……。


 まぁ、決まった以上は仕方がない。

 僕は裏方として、皆に協力していこうと思う。

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