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第16話 そいつはダメなやつだ

 奴が来る、それは人を恐怖に陥れる。

 奴が来る、それは人を絶望に落とす。


「エマージェンシーだ……奴は殲滅するべきだ」

『まさかこんな事になるとはのう……』

「きゅきゅーーーーー!」

『……これはだめ』


 人だけではない様だ。幼女神も妖怪も左へ右へと走り回っている。

 走り回るソレは普通の人には見えない、しかしソレは見える人達にとっては深遠の底でしかない。


『だめじゃ! 早すぎて倒せぬぞ!』

「たまりそっちに行った!」

「きゅううううううん!」


 避ける、走る、突撃してくる。実に生命力溢れた行動だ。

 そして等々やつが新たな行動にでる。


『……それはだめ』

『ぎゃあああああああ、とんだのじゃああああああああ』

「うぉぉぉぉ、打ち飛ばせ!!」

「きゅぅぅぅぅん」


 部屋で暴れられてしまい部屋が散らかっていく。大体が守達の行動が原因なのだが。


 「ぶちかませ!」


 どんどんと正気度が失われていく。幼女神すらどんどん精神を削られていっているのだ、守に耐えれるわけが無いだろう。




 そう……やつはGが妖怪化したものだ。そして、それは巨大化していた。大きさが幼児並のサイズなのだ。


『もうだめじゃ! 外に出すのじゃ!』

「ばっか! そんな事したら色々やばいだろ!」


 こんなやつが外に出て繁殖でもしようものなら……世界は喰らい尽くされてしまう。


『……のさばるのはダメ』

「きゅー!」




 救世主は何時も遅れてくる、そう絡新婦(じょろうぐも)の魅雲だ。


『一体如何したのよ!』

『虫じゃ! まっこと恐ろしい虫が出たのじゃ!』


 そういわれた魅雲の目が奴を捕らえる。その瞬間に彼女の目は光った。


『確かに来れは……私の出番ね』


 そう言うや否や、魅雲は周囲に糸を張り巡らせる。


「おお……部屋が真っ白だ」

『……逃げ場が完全に無くなってる』

『どうよ! 私の糸の結界は』


 糸に足を捕られた瞬間に糸がGを襲っていく。そして一瞬の内に糸の玉を創り上げた。


『ふふん、それにしても大きいわねぇ、これ如何したのよ?』

『それなんじゃがな……座敷童子と作った団子を落として、それを奴が食ったのじゃよ』

「あれは一体なんの素材使ったんだ?」

『普通に一般で購入した素材じゃよ』

『神気と妖気が謎の合成でもしたのかしら?』


 もしそれが正しければ、この幼女神と座敷童子が何かを一緒にするのは不味いかも知れない。

 また何か新しく変な生物を作り出すかも知れない。


「とりあえず今からやる事は……」

『片付けじゃな』


 暴れた為に散らかった上に糸だらけになった部屋だ、相当時間が掛かるだろう。

 守の部屋から溜息の音が聞こえなくなったのは、深夜になってからであった。

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