2話 椿の未来予知
更新遅くなりましたし、今回のやつは普通に少ないです。申し訳ないです。
私はこの事故があってから未来予知ができるようになった。不定期ではあるが、ほぼ毎日見ることができる。見ようと思えば見ることもできるし、強制的に見えてしまうこともあったりする。たまに間違えた未来が見えることもあるけど…
事故があって、未来予知ができるようになってから、いいことばかりではなく、悪いことばかり起きる。普通なら未来が見えてラッキー!みたいになると思うけどそんなことはない。
例えば学校のテストなんかは、結果の点数がわかっちゃう。いくら頑張っても…変えようとしても結果は同じ。私はもともと頭は悪くないけど、頑張っても悪い結果になっちゃう。こんなの精神的にもつらい。
でも私の中で一番つらかったのは…私がずっとずっと…好きで好きでたまらなかった人。一樹君とのもし一歩踏み込んだ関係になろうとしたときの結果がわかってしまうのが一番つらかった。
これはテストと違って結果から目を背けることはできる。だから、最悪のルートからは逃げることができた。
でも、やっぱり一樹君の気持ちがわかってしまうのはとても辛い。幸いにも一樹君には好きな人などはいなかった。だけど、私がいくらアピールしようが、近づこうが一樹君の気持ちは変わらなかった。普通の幼なじみ。女友達。その程度だったらしい。
結果から目が背けるものは、いとも簡単に未来を変えることができる。ただ、それをしてしまうと、予想されてた未来とは違う未来を迎えてしまうので覚悟ができない。中学2年生くらいの時、この事を知らなかった私は大きな失敗をした。
私が中学2年生の時、一樹くんに告白をしようしようとずっと思っていたが、未来がよい結果ではないとわかってしまってるため、逃げ続けて結果から目を背け続けていた。その結果、違う未来が出てしまい、ある日一樹くんは一人の女の子に告白をされていた。
「一樹…あの…私と付き合ってください。」
「……」
私は運悪くその場に遭遇してしまった。聞きたくなんてなかったが、足がその場から離れようとせず、曲がり角のところで聞き耳を立ててしまった。
「だめかな?それか、好きな人でもいるの?」
「……」
一樹くんは黙っている。相手の目を見たまま何も言わない。
…………
10秒ほどの沈黙。
私にはその10秒が数分に感じた。
「ごめん。」
最初に沈黙を破ったのは一樹くんだった。
「どうして…?」
「好きな人とは違うけど守ってあげたい大切な人がいるんだ。」
「それって好きってことじゃないの?」
「俺もよくわからない。」
………
再び沈黙が包んだ。
私も同じ立ち位置だったら黙ってしまっていると思う。
「そう……わかった。ありがとう。ごめんなさい。」
次に沈黙を破ったのは女の子の方だった。
「ほんとにごめん…」
一樹くんは小さな声で謝った。
「一樹は謝る必要ないよ。じゃあ、帰るね。」
女の子は一樹くんに背を向けて、帰ろうとしたが、途中で一樹くんの方に向き直った。
「最後に一つ聞いてもいい?その子って誰?」
女の子は真顔で聞いた。
「」
一樹くんがその人を口にしたときに、その時の雰囲気など考えず、私は逃げるようにその場を去った。
覚悟ができていない未来でも、こういう未来はいつでも大歓迎。
その日、私の赤く染まった顔は元に戻ることはなかった。