四
「何これ!?召還魔法?」
ノゾミが驚く。
「あとで説明する!とにかくここにミムを乗せて!」
ミムを二人でトラックの荷台に乗せる。
「少々荒いかもしれんが我慢してくれ!」
荷台にはノゾミとミムの二人が乗っている。俺は運転席に座りエンジンを掛ける。
エンジンを掛けて、Nから一速にして発車する。二速、三速とギアをあげる。
街までの道は整備されているとは言わないが比較的きれいだ。
一時間ほどだろうか。大きな壁が見えてきた。どうやら目的地の街に着いたようだ。だが恐らく街へ入る為の門がしまっている。夜だからか。仕方ない。
「もう着いたの!?」
ノゾミが驚いている。
俺は門に向かって
「すみません!けが人がいます!開けて下さい!」
叫ぶ。門の内側から人の声が聞こえる。
「何!?すぐに開けるから待っていろ!」
門の片側がゆっくり開いた。
中から数人の兵士だろうか?西洋風の鎧に輿に剣みたいのをぶら下げている。
「おい!けが人っての……なんだこれ!」
皆俺の軽トラをみて驚く。当たり前か。
「これは特殊な魔道具です。それより彼女が瀕死です。」
俺が兵士に言うと地図を持ってきた。なんとかごまかせたかな?兵士はある地点を指差しながら
「ここが教会だ。ここの治療師は24時間でいるから大丈夫だろう。本来は入場審査しなければならないがあとでここに来てくれ。」
「わかった。助かる。ありがとう。」
俺は協会に向け再びアクセルをふんだ。
二三分で目的の教会に着いた。
教会の扉をたたく。
「ごめんください!けが人がいます!開けてください!」
中から白いシスターの用な女性が出てきた。
「急患ですか!こちらへ!」
荷台に寝かせているミムを背負い、シスターの案内で中に入る。
ベッドが置いてある部屋についた。
「彼女をこちらへ。すみませんがお仲間の皆さんは部屋から出て待っていていてください。」
廊下のいすに座る。俺もノゾミもなにも話さない。
一時間ほどだろうか。部屋からシスターが出てきた。
「耶麻は越えました。二三日安静すれば大丈夫でしょう。今は眠ってますが朝には起きるでしょう。」
よかった………。助かったんだ。