一
「この度は私どもの不手際で死んでしまい誠に申し訳ありません。」
俺は今会議室みたいな所で神様達に謝られている。
話はこうだ。俺は死んだらしい。なんてこった。車でダンプと正面衝突してそのままお陀仏になったようだ。ようだというのはその辺の記憶が曖昧で今目の前にいる神が説明してくれたのだ。
神様の不手際というのは本来俺は死ぬ予定はなかったのだが書類の確認ミスで死神が魂を回収してしまったらしい。死神はあくまで回収作業だけ。死神にゴーサインを出した下界管理担当のミスらしい。
「で?」
でどうするんだ?
「それでですね。代替措置として貴方様を別世界へ送ります。もちろん所謂チート能力もつけます。」
一度死んだらそこには戻せないからこの様な措置をとるんだと。
「わかりました。で、どんな世界ですか?」
もうこうなったら仕方ない。最初は怒ったがもうどうしようもない。家族も特に親しい友人もいなかったし。
「剣と魔法のファンタジーといえばご理解頂けるかと。それで能力なのですがこちらの様にしたいかと。」
A4用紙にはこんな感じで書いてある。
氏名:野村 誠
年齢:25
LV:1
体力:200
魔力:300
能力:①2015年までに製造された乗り物を取り出す能力。及びそれに必要な知識や技術を行使する能力。※レベルが上がれば召還可能な物は増えます。
②言語自動翻訳能力
「貴方様は乗り物がお好きなようでしたようで。魔力や体力は人並み以上にさせて頂きました。」
ならこれでよしとするか。
これでいいですよというと
「よろしければそちらの扉から退出してください。世界に自動転送いたします。」
俺は扉をあけて真っ白な空間への足を進ませる。