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平均な兄、天才な妹  作者: 夜桜
日常編
8/40

8「私の存在を無視するな!」





音葉は可愛い。

少し癖のある黒髪と猫目の黒い瞳。

少しふくよかな体つきは抱き心地抜群!

……本人は嬉しくなさそうだけどね。

そして何よりも家庭的な性格は周りの男子を魅了してしまうのだ!











はい、私が相手にして来た10人のうち4人が音葉と仲良くなりたい愚かな害虫でした。

そいつらに上のことを言われたけど15年来の幼馴染み兼親友たる私が知らないはずがないだろう!と、心の中で叫んでやったわ!

表面上は穏やかに接したけどね?

勿論、純粋無垢な音葉に近づこうとする害虫にはしっかりと釘を刺したけどね♪

「留衣、随分楽しそうだな」

「音葉といるのだから当然でしょ?」

「……聞くな」

そう言ってそっぽむくのは私の年子の兄 留佳。

今回は私の護衛と言ったけど実のところ今可愛らしくはしゃいでいる音葉の護衛をさせている。

「わあ!留佳先輩、あれなんですか?」

「あれは美術部が作ったトリックアートだな」

「じゃ、じゃあ!あれは?」

「手芸部の作品展だな

音葉は確か手芸が得意だったな?」

「趣味程度ですけどね」

「……あのチャック付きのリュックサックがか?」

無邪気な音葉の質問に馬鹿兄貴は丁寧に答えていく。

どこからどこを見ても仲のよい男女。

これで害虫は近づかないけど……

「わ、






私の存在を無視するな!

そして馬鹿兄貴は音葉の横を独占するな!」





狙い通りだけど何故か凄くムカつくわ!

私の大声に音葉は苦笑し、馬鹿兄貴は不満げな表情を浮かべている。

てかなんで馬鹿兄貴は不満げな表情をしている?

「留衣は何が食べたいものでもあるの?」

「何で食べ物限定なの!?

クレープ食べたいけど!?」

「結局言うのね……」

呆れたようにいう音葉。

だけど私は音葉よりも馬鹿兄貴の表情が気になって仕方がなかった。

馬鹿兄貴は基本的に無口無表情で妹である私でさえ兄の表情の変化なんてあまり見たことない。

特に!

我を通す私と違って人に遇わせることが得意な兄は不満げな表情を浮かべることなんてまずない。

てか、初めて見たよ?今日。

「……まさか、ね?」

「留衣?」

考え込む私に馬鹿兄貴は無表情で問う。

先程までの不満げな表情なんて夢のようだ。

……個人的には夢であってほしいけど。




心のそこから深読みであることを願ってしまう。



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