4「……」
西木家と柊家は家が隣同士。
母親同士が仲がよく、聞けば高校からのつきあいらしい。
つまり私の家に帰る道は西木家の方々と一緒で……
留佳先輩とも一緒だったりする。
すなわち今現在無言の気まずい状態。
買い物袋3つを両手で軽々持ちながら私の家に右斜め前をスタスタと歩いている。
無言過ぎて空気が重い!
何でもいいから喋ってよ!!
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
空気重いわ!!
誰でもいいから助けてよ!
「……おい」
「は、はい!」
意外にも口を開けたのは留佳先輩だった。
どのような表情をしているかは分からないけど機嫌を損ねていなかったら幸いだと思う。
「……今朝は留衣が悪かったな」
「へ?」
「あいつ、あの見た目のくせに重いからな……」
呆れたように言う留佳先輩だがたぶん私の方が呆れている。
兄妹揃っていつまで引き摺るの?その話。
さすが兄妹と言うか朝のことを今まで引き摺るなんてそうそうないよ。
「別に気にしてませんよ
いつものことですしもう慣れました」
「……そうか」
顔は見えないけどどことなく留佳先輩の声音は明るく暖かく感じれた。
西木兄妹は基本的に仲がいい。
一人っ子の私にとっては羨ましいこと。
家に着くと留佳先輩に手伝って貰いながらリビングに持っていく。
ここまで付き合ってくれるとは思わず申し訳なさすぎる!
そう思ってお茶を用意しようとするけど留佳先輩はさっさと自分の家に帰ってしまった。
相変わらず素早い行動。
仕方がない(?)ので私は買ったものを全て直していく。
全部直してから思ったことが一つ。
「そう言えば……
何で留佳先輩、商店街に居たのかな?」
商店街は学校でてからでは家まで少しだけ遠回り。
私の記憶が正しければ留佳先輩はなにかを買った様子はなかった。
「……ま、いっか」
さーて、何作ろっかな?
後に留佳先輩に聞くと随分渋い表情をされていた。