16「転校生?」
母の死から早くも3ヶ月が経った。
病弱だったお父さんだけどお母さんの死を気に病弱体質が無くなり今ではすっかり元気に薬剤師として働いている。
(最近知ったけどお父さんは薬剤師の資格をもっていたらしい)
それでもまだ予断は許されないので私と共にお祖父ちゃんの家で暮らすことになり現在はお祖父ちゃんとお祖母ちゃんと暮らしいている。
少し遠くなったけど学校は前と同じく元気に通っている。
自転車でおよそ40分はさすがにキツいけどね。
2年生になってから数日が経ち恐ろしいことにまた留衣と同じクラス。
……ホントに何か裏から権力が動いてそうで怖い。
留佳先輩は三年生になって今は受験生。
なんでも医者に成りたいらしく現在は勉強を頑張っている。
時々、休日になると沙耶さんと一緒にこっちへ来てくれることもある。
さらには朝は私の通学路の途中で待っていてくれて留衣をふくめた三人で通っている。
そのときの留衣の表情は親の仇を睨むがごとく留佳先輩をみていて怖い。
そんな皆に見守られてきたこの3ヶ月間。
私は一つの出来事とぶつかる。
それは哀しく辛い現実で誰もが嘆き悲しんだ過去。
始まりはとある転校生との出会い。
4月末の今日、私は2限目に備えて教科書を用意していると隣の留衣が話しかけてくる。
少し興奮しているのか頬が赤く染まっている。
「次の時間転校生が来るらしいよ!」
「転校生?」
「そう!」
留衣は楽しいことが大好きな美少女。
特に祭り事には目がなく、小さい頃から祭りのたびに私は留衣に連れられていた。
最近、特にこの3ヶ月間は何か理由をこじつけて私をショッピングに連れ出すことも多い。
「なんでも華道の名門“如月家”の次期当主様らしいよ」
「どこでそんな情報を……」
「担任のしーちゃん」
ばっさり答えてくれた留衣に私は頭が痛くなる。
しーちゃんこと志水茅は30才だと言うのに童顔でまだ10代にでも通じる女性。
性格は一言で言うとお喋りさんで余計なことまで話してしまう。
そのたびに痛い目を見ているのは自業自得かもしれない。
今回も個人情報をペラペラ話してしまってる。
私はため息をついてからしーちゃんの無事を祈ることにした。
留衣の言うとおり転校生がやって来た。
「初めまして、如月真夏と言います
入院していたため皆さんより一つ上ですが気軽に話しかけてくださいね」
爽やかな笑みと共に放たれた言葉は女子の心を確実に掴むもので女子のざわざわとした悲鳴に私はげんなりしていた。
隣の席の留衣をチラリと見る彼女もげんなりとしており関わりたくなさそう。
苦笑しながら視線を留衣から転校生に戻すと……目があった。
露骨に逸らすわけにもいかずどうしたらいいかと迷っていると転校生はにこりと笑いかけてくる。
「っ!?」
同時にどこまでも冷たく憎しみを込めた視線は私の動きを縛った。
あのような視線を向けられる覚えなんてない。
「……(一体何?)」
如月真夏から向けられる視線の意味を考えていた私は思い出すことが出来なかった。
“如月”がお父さんの旧姓だと。
始まりました!第二編!
思ったより書くことが多く前作よりも長くなりそうです。




