まさか……。前 (141)
やぁやぁやぁ! みんなのアイドルのタクだよ! キラッ!
ちょ! 静かに小説閉じるの止めて! せめてツッコミを入れて!
え? あんまりくだらない事をほざいてると明日から読まないぞ! ですって! ごめんなさい! 調子に乗りました……。
改めまして、どもども! ミラハー底辺のタクです! ドヤァ!
最近は武器も買えて、試す事もしてと段々と立派なミラハー民の仲間入りを果たしつつある私ですが、気付いちゃいけないことに気付いてしまったんですよ……。
そうなのです、私の選択シナリオを進めていないのです。最初に少し触れただけで後は忘れていました。正直進めなくてもいいかぁ~とさえ思っている今日この頃であります。
さて、丁度良いのでシナリオについて簡単にお話をしておきますかね。
このミラハーのシナリオは個人が設定したタグでシナリオが無数に枝分かれをしております。
魔王討伐系が最たるもので、魔王を倒す目的は同じですが、選択しているタグで話が変わります。
例えばですが、「ソロ」「チート」「勇者」を選んでいると、魔王討伐を一人で行わないといけません。そして、「チート」タグがあるので、シナリオ内でのみ使える「チートスキル」を付与される事になります。
選択しているタグで進め方が変わるので、結構攻略に時間が掛かったりします。
それと、魔王討伐系以外では主プレイ、レイドサーバーも特殊なのであります。
何が特殊なのかと申しますと、サーバーが一人に付き一つ分けられると言う事です。
ただし、例外があります、PTプレイで魔王を討伐するシナリオです。
理由としては、魔王を討伐するシナリオなのに他のプレイヤーに攻略されれば終わりになってしまいますよね。
主プレイも同様で、国の王様や姫様になって統治するスタイルや庶民から成り上がりをするのに、他のプレイヤーに先を越されて成れなかったでは話になりません!
レイドサーバーも目的で分かれています。
大規模なNPCの軍隊を指揮して戦うのと、プレイヤーで集まって戦闘するのかで、まずスタイルが違います。
組み合わせは、(NPC軍団プレイヤー指揮)対(NPC軍団NPC指揮)、(プレイヤー軍団プレイヤー指揮)対(NPC軍団NPC指揮)のように組み合わせがあります。
あ、ちなみに主プレイの亜種で国取りが行えるサーバーもあります。レイド要素もあるので上級者向けの遊び方ですね。
こうして改めて考えるとミラハーは奥が深いですね……。
私は魔王討伐系でも、PTシナリオなので人を集めないといけません。しかも、同じ魔王討伐系のPTプレイヤーを……。ネット掲示板には随時募集の書き込みがされてますね。私も書き込みをして探すしかないかもしれません。もしくは休みの日に広場で募集するかな……。
まぁ、今日考えてもどうにかなるような話でもないですね! 諦めも肝心ですよ!
シナリオをすっかり忘れていたのを思い出しながら、何時ものベンチに座って今日はどうしようかと考えています。
ミラハーを初めて結構時間が過ぎつつありますが、うだつの上がらない私は今日もベンチの一部と化しています。
ふと、体力メーターに目をやると、そろそろ食料を食べないと空腹に突入しそうです。
「そろそろ、腹が減ってきたな……。パンでも買いに行くかな……」
「食べます? おいしいですよ」
ん? 隣からパンが差し出される……。そして、聞き覚えのある声!
「え? リコさん! どうしたんですか?」
なんと隣にはリコちゃんが座っているじゃないですか! いつから居るんだよ! 気付かんかったぞ!
「先ほどからここに居ますよ。ずっと考え事してるようだったので話しかけずに待ってました」
いやいや、声掛けてよ。いきなりだと驚くでしょ! そもそも、何故に君はここにいるのかね?
「えーっと、どうしたんですか? 私に用事でしょうか?」
「特に用事はないですよ。
インした時にタクさんがここに居るようだったので、挨拶でもしておこうかと見に来ました。
そしたら、考え事してるようだったので気付くまで待ってたんです」
ふむ、礼儀正しい子は好きだけど、そこまで仲良くないよね俺たち!
「そうだったんですか……、声を掛けてくれればよかったのに」
「今度からはそうしますね」
めっさ笑顔で言うリコちゃんは可愛らしかった。ときめいたりしてないよ、多分!
で、パンを差し出された状態で会話をしてます。
「あ、そうそう! このパンおいしいのでどうぞ!」
「気持ちは嬉しいけど、リコさんに貰うのは気が引けるよ……」
素直に言ってみます。
「私たちフレンドじゃないですか? 気にしなくて良いですよ!
それに、先輩からのパンは受け取れて、私からのパンは受け取れないですか?」
何言っちゃってんの、この子は! そこまで親しくないだろって事だろ! 気付いてよ……。
「今度貰うよ、今日は遠慮しとく」
もう少し仲良くなったら、貰うからね、ね!
「遠慮ならいいですよ! 気にしないで下さい! えい!」
えい! って掛け声と共に口にパンを押し込まれました! 結構力が入っていたので痛いです!
「ゴホッ! ゴホッ!」
殺される瞬間かと思いましたよ、私は! 強引な子だなリコちゃんは!
ん? このパンの味は……、忘れもしないあのパンの味ではないですか!
「このパンってさ、生産者通りの中ほどでメイド服を着た子が売ってなかった?」
「あれ? 知ってたんですか? 私たちの仲間が作ってるんですよ!」
ほうほう、知り合いだったのですね。あの人類の宝物を持ったプレイヤーさんと!
けして、やましい気持ちではないですよ! ほんとだよ!
「この前、生産者通りで購入させてもらったんですよ。
とても、おいしかったので今から買いに行こうかなと思ってたんですよ」
「喜んでくれる人が居ると嬉しいです! ナツにも報告しておきますね」
よほど嬉しかったのか、リコちゃんがメッセを操作してメッセを送ろうとしていた。
リコちゃんに貰ったパンを食べながら、体力ゲージが戻っていくのを確認。
「ご馳走様でした。リコちゃん、パンありがとう」
お礼を言ってなかったので、リコちゃんの目を見てちゃんと感謝を伝えておきます。
「いえいえ! 気にしないで下さい! 友人も喜んでくれると思うので」
「貰ってばかりだと嫌なので、何かお返ししたいです。私で出来る事があったら何でも言って下さいね」
私の言葉にリコちゃんが、先ほど以上の笑顔になってます。何か思い当たる事があるのかな?
私が出来る事しかしませんよ!
「それでは、いきなりですけど私たちのチームに参加してください!
人数が足りてなくて、メンバーを集めているところだったんです……」
「なんのチームなの?」
はい、良いですよって答えれないから詳しく聞きます。
「ミラハーは五人以上集まってチームを結成すると、運営からホームを一つ与えられるんです。
今私を居れて四人までは集まっているんですが、あと一人が中々見つからなくて……」
なんか前にシンに聞かされたことがあったな、シンのチームは双剣しばりだから俺は参加できないから、忘れていたな。
「私が参加すれば五人になるってことですか……」
「何でもするって言ったんでお願いします!」
確かに言ったのは自分だからな……。
「分かりました、参加します」
「ありがとうございます! やったぁー!」
分かりやすいほど喜んでいますね。
まぁ、喜んでくれてるからいいかな……。
「申請を送るので許可してくださいね」
テロテロリーン! メッセが届いたようだ。開いてみると……。
『戦場の華』への招待状が届いています。参加しますか? と書かれていたので参加を押す。
「許可しましたよ、これでいいんですか?」
「はい! 確認できました! 丁度ホームの受け渡しのメッセも着ました!」
「良かったですね、それでは私は戦闘にでも行ってきますかな……」
もう、用事は終わりだと考えて別れ様とすると……。
「何言ってるんですか? 今から顔合わせをするに決まっているじゃないですか!」
え? 今からですと、私は小説のネタを探しに戦闘でもしようと思ってたのに……。
「またの機会じゃダメですかね? 今日は戦闘して上がろうと思ってたんです……」
「これから、一緒に行動する仲間なので顔を合わせたほうがいいと思います」
確かにリコちゃんの言う事も一理あるな。
「分かりました、顔を合わせます……」
リコちゃんに連れられて、新しく手に入ったホームを目指し歩いていきます。
今日のお話は前編と後編に分けて書こうと思います。今日中に上げるので待ってて下さい……。
現在の所持ルックは七百六ルックになりました。では、また後ほど!
長くなりそうだったので今回は初めて二回に分けます。ではではでは