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アクセス数=強さだ!!~見てくれる人は神様です~  作者: 雲ノ上
ミラレテン・ハートの世界へようこそ!!
5/70

ついに……。(190)

 今日は気分がいいです。なぜかって? 聞きたいですか? 聞きたいですよね? 

 仕方ありませんね~、お教えしましょう! 

 見てください、この私の手に持っているものを!!

 この形! 見た目! そして匂い! 全てがパーフェクトであります!


 おい! ふざけるな! ってふざけていませんよ、本気ですよ。これがパンであります、パ・ン。

 小麦粉を使った食べ物で、イースト菌を使って発酵させてから……、ん? 作り方などは知っている?

 なぜパンを持っているかって? 買ったからに決まってるじゃないですか、ヤダー!

 昨日から何を買うかを散々悩んだんです。

 でも、相場を知らないので情報サイトを覗いてみたんですがサイトの値段関係の所には一言、

 自分の目で見て、職人さんと会話して自分に合うものを探して下さい。と書かれていました。

 値段表示をする事で高い店に人が来なくなる事を避ける為の処置だと思われます。

 管理人さんの配慮が感じられました。なので、今日は一昨日と同じで色々なお店を回る事にしたんです。

 

 ルックが貯まってくると色々夢が広がる。今私は輝いてる! さて、この前はスキル見たけど高かったから今日は武器でも見に行きますかね。

 休みで無くても、人気のあるゲームだと人が多いですね。

 武器等を扱う店を探して商店街をうろうろしているんですけど、行き交う人が多くて余所見をしているとぶつかりそうになります。

 今見て回っているところは正式な名前が無いのですが、ネット上ではミラハー民から生産者通りって呼ばれてます。

 この区画は、生産職の人が店舗を借りて運営している店が軒を連ねているんです。

 まぁ、気になるお店が多い事多い事。たまたま、コスプレ屋なる店を見つけたときは迷わず入ってしまったよ……、下心なんて無いよ。

 職人さんは、兎に角凄いの一言ですね。店内には衣服の種類がいっぱいありました。特に、働く女性シリーズが一番の見所かもしれません、下心は無いよ。

 しかし、ここも高いんですよね……。

 店員さんと話してみたら、店内にあるのは全て見本で実物はプレイヤーに合わせて、オーダーメードで作るんだそうです。

 なぜ、オーダーメードなのかを聞いてみたら、戦闘することも考えないといけないために、現実みたいに大量生産できないんですって納得の答えが聞けました。ミラハーって現実世界と変わらないですね……。

 店員さんも可愛かったし、服はここで作ろうと思ってます。下心は無いよ。


「ん?越前屋ですと、名前が気になりますな」


 武器屋を探していると昔の日本家屋を思わせる建物が、看板には越前屋。


「いらっしゃいませ! ごゆっくりどうぞ!」


 店内に入ると着物を着た女性が番台に座って笑顔で挨拶してくれる。着物もいいなぁ……。

 さて、何が置いてあるのかなと見て回ると、VRMMOの中でも人気の武器の一つである、刀がおいてあるじゃないですか!

 長物から脇差くらいのものまで沢山あります、刃渡りを見えるように展示してあるのを見たら、格好いいの一言です。やっべ! 気分が上がる!

 だが値段を見て、やべ~~! 気分が下がる~! 百万ルックってなんだよ……。このゲーム何年続けないと買えないんだよ……。

 値段で心を折られました……、きっと店内から出て行く私の顔はかわいそうなことになっているはず。


 ふと視界に映る体力メーターを見ると赤ゲージに突入してました。

 空腹です、バッドステータスは空腹状態で放置していると段々と動きが遅くなり最終的には動けなくなります。

 いつもは空腹になったら速攻ログアウトしますが、今の私は一味違います。だって、ルックを持ってるもーん!

 ここで一句 ルック持ち 空腹だろうと 気にしない

 完璧な句を読んでしまった! 季語が無い? 気にしません!


 丁度、職人通りにいるので飲食関係のお店を探しましょう! 出来れば安いのがいいな。

 なん……だと……、露天で牛丼を売ってるだと! ルック次第ではこれにするかも! はい、無理~。三百五十ルックでは私の生活が続かないです。

 やはり職人さんが作ると物は高くなるんですね、最終手段はNPCが売っているパンしかない……。

 でも、折角なら職人さんの作った物が食べたーい。なので諦めずに買えそうな食べ物を探します。


「パンどうですか? 美味しいですよ~! 一度食べたらNPCのパンでは満足できなくなりますよ~!」


 売り子の声に反応してしまいました。ほうほう、気になることを言っていますね。後ろからの声だったので振り返って見ます。


「どうですか? 焼きたてのパンですよ?」


 めっさ可愛い売り子の女性でした! なぜかメイド服を着ている、ポイント高し!

 黒髪でポニーテールに、少し垂れ目がキュートであります。


「あの、一つ何ルックですか?」


 気になるので思い切って声をかけてみます。


「はい! 一つ百十ルックです!」


 NPCより十ルック多いだけか、買えないことは無い!

 しかし、何時もパン食べてるしな……。たまには違うのを食べたい……。

 私が悩んでいると。


「あ、これ! 試食なんで食べてみてください」


 売り子の女性が少し前のめりになってパンを差し出してくる。

 気にしてなかったが今の動きで気付いてしまった。


 パンクゥ?

 私はかけてもいない眼鏡を取る仕草をする。あまりの衝撃で手が震えている。

 まるで閣下の動画のようになっている。

 この感動を味わいたい者だけ残れ! 多分お決まりの三人は残ってくれるはず。

 今まで、この子を知らなかったなんて、チクショウメー!

 それは人類にとって宝物だ。と、あの偉大な、スター何とかさんも言っていた。

 そう、売り子のおっぱい ぷるんぷるん!

 大体のノルマは達成かな?

 きっと、貧乳で泣く女の子に違う女性が、作者は実は巨乳でも貧乳でもどっちでもいいのよって言われていそうですね。

 はっ! あまりの衝撃に私がパロ要員に成ってしまった。

 私が自分の世界に入っていても、可愛らしい笑顔を見せてくれている君は、マジ天使!

 とりあえず、試食のパンの切れ端を食べてみる。うまし!

 迷う必要がなかったであります!


「あの、一つ買います!」


「ありがとうございます。では百十ルックになります」


 四角い箱に手形のマークが書いてある、そこに手を乗せると支払い終了です。


「いつもこの辺りで売ってますので、気に入ってくれたら、また買ってくださいね。

 それと、これ試供品のトマトジュースです。サービスなのでどうぞ!」


 いい笑顔と共にSサイズの飲み物をくれる。いい買い物をしたよ私は! そして笑顔はプラスレスです!

 次もここで買うぞ~! 絶対にだ!

 で、冒頭の状態になります。てへっ!


 本来の目的である武器を結局見る事なく、何時もの噴水前のベンチに座ってます。

 さて、パン食べてから、再度時間があれば見に行くかもです。

 たかがパンであるが、作り手が違うだけでこうも味が変わるのか……。しかし、美味いな。

 パンを食べてると、誰かに見られている感じがしたので辺りを見渡す……。

 変な人と目が合いました……、青いツナギを着た髪をオールバックにした男です。眉が濃くて少しエクスタシーを感じているような顔をしています。やばいです、とある兄貴にしか見えません。


らないか?」


 はい、間違いないでしょう……。シカトしたほうがいい気がする……。


らないか?」


 まだ言ってるし、でも距離が遠いから自分じゃない事を祈ろう……。

 パンを流し込もうとトマトジュースを飲むと緑茶の味がする……。なぜだ、トマトの味がしない。

 すると、噴水の周りに居る人たちがざわつく。


「飲み物の味が緑茶になってやがる! 何が起きているんだ?」


 一人が声を上げる、自分と同じことになってるようだ。

 何が起きたか分からないので辺りを見渡すと、広場にある彫刻のオブジェの上に腕を組んだ男が立っている。

 その男の後ろには、幽霊みたいなのが腕を組んで男と同じポーズを取っていた。

 効果音を付けるなら、ゴゴゴゴゴ!だろう立ち方であった。


「ふん! 私の名前はショコラータ! 後ろに居るのはグリーンティ! 私の居る位置より低い所にいる者たちの飲み物はすべて緑茶の味に成る!」


 何をほざいているんだ、あの緑髪のゲス野郎は?


「食テロリストのショコラータだと? シックス拳銃の俺が脳天ぶち抜いてやるぜ!」


 彫刻の上に居る男に違う男が駆け寄って、拳銃に弾丸を装てんするように、サラミの輪切りを突っ込んでいる男が吼えている……。

 お前ら両方とも食べ物で遊ぶなよ。しかし、緑茶の味しかしないのは頂けない……。

 しかも、ここは戦闘禁止区画なので、プレイヤーに攻撃を与える事は出来ない。さて、迷惑な奴のせいで美味しい美味しいパンタイムが台無しじゃねーーか!!

 怒りが頂点に達しようとしたときに、ツナギ男が動く。


らないか?」


 彫刻に乗っている男の足首を掴んで、地面に下ろす。

 めっさ、怖いです。


らないか?」


 拳銃にサラミを装てんし終わった男の肩に腕をまわし、ロック! ショコラータさんも捕まってそのまま門の方へと消えていく……。

 アッーってなるんかな? きっとアッーってなるんだろう……。

 消えていく二人は売られていく子牛のように哀愁が漂っていました。ま、食テロだろうが何だろうが怒られる事する方が悪い。

 パンも食べ終わったし、ネタも見つかったので今日はログアウトしますかな。

 あ、結局武器見てないや……。今度でいいか……。

 今日の支出は百十ルックで、現在の所持ルックは五百二ルックになりました。では、また明日お会いしましょう。

少し遅れてしまいました、亡国の騎士団の方を更新してから、此方を書き始めたので遅れました。言い訳です……。ではではでは

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