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アクセス数=強さだ!!~見てくれる人は神様です~  作者: 雲ノ上
ミラレテン・ハートの世界へようこそ!!
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初めての……。(167)

 何事にも初体験がありますよね、意味深な事を言ってるわけじゃないよ? ほんとだよ!

 あ、そう言えば皆さん。朗報ですよ! 見える、見えるぞ~! 私にも見えるぞ~! って奴です。 

 何の事だって? アクセスですよ、アクセス! このまま行けばモンスちゃんとの楽しい遊戯の時間まで、さほど時間は掛からないですね。(確信) 

 バトルの事も、そろそろ考えておかないとダメだと思うわけです。

 そうなると、一回はバトルを見ておく必要があるんじゃなかろーか? 百閒は一見にしかずでありますしね、デスペナが怖い訳じゃないよ……嘘です。つ、強がり言っちゃいました、本当はブルっています。

 だって、ミラハーって死に戻りするとルックが半分になるんですって、めっさ怖い話じゃないですか、ヤダー!

 死ぬのが怖いなら、防御を固めれば良いって? ハハハッ!それは新しいジョークかい? 買えたら悩んでないわー、ボケェ! え? 涙を拭けって? 涙じゃないよ、汁だよ!

 もし、ここで半分になってしまったら主人公として、どーなのよ? と読者から言われるのが目に見えている。

 当然アクセス減ル、私ルック無クナル、物語進マナイ。ハイ、詰ンダ! 変になって片言で喋ってしまった……。


 でも、今日は私の神様がバトルのノウハウを教えてくれます。誰の事だって? 私の神様といえば友人のシンしかいないでしょ。

 なぜ、神様かって? 答えは簡単、私に施しをくれるからです。二日前にもパンくれたし、今も貰ったパン食べてます。ミラハーのパンうっま、空腹だと一段とウマーであります。


「よく、食べずに一日以上も我慢したな……。俺には無理だ」


 何時もの噴水前のベンチに腰掛けて、パンを貪っていたら隣に座るシンが呆れた様に聞いてくる。


「ウングゥ、モグゥ、ググゥウ」


 食べながら話してはいけないけど、とっさの事だから返してしまった。


「食べてからにしろよ……。分からないだろ……」


「ルック無いから、昨日は小説のネタを採取して速攻でログアウト」


 出来事については小説に書いてあるから、それを見てね。


「小説読んだけど、タクって運が良いよな。

 あのミラさまに出会えるなんて、俺なんてファンクラブに入ってるのに、まだ一度も直に見た事ないんだよな~」


 やべ! ここにも信者がいた……。

 確かに、昨日見たミラってプレイヤーは可愛かったけど、ファンクラブまであるとは恐るべし!


「ところで、後輩くんは何時くるのかね?」


 ミラってプレイヤーに正直言えばあまり興味がない。カワイカッタケド……、カワイカッタケドモ。

 なので、今日はバトルのノウハウを教えてもらうはずなのに現在噴水の前に居るのかの理由を聞く。


「もう来ると思う、リアルの用事が長引いたってメッセが来てたから。

 ほら、噂をすればなんとやらだ」


 シンが見つめる方を見ると高校生くらいの女の子が此方に向かってきている。まぁ、シンの後輩で女の子はないだろと他を探すけど、こちらに向かってくるプレイヤーが居ない……。


「け、警察を呼ばなきゃ! 私の友人は犯罪者だった!」


「ちゃうわ! 幼く見えるけど、あれでも二十超えてるんだぞ!

 本人、幼い見た目の事を気にしてるから気を付けろよ」


 ミラハーのキャラメイクはリアルの情報から作るのと、一からカスタムする二種類ある。

 初心者にはリアル情報でキャラメイクするのがオススメ。

 だって、カスタムで作成すると筋肉の付き方から、骨格やらを一から選んで作らないといけないんだもの……。作るのに四日とか掛かるそうですよ。でも、性別を変えてプレイするにはカスタムするしかないんだって。

 なので、初心者はリアル設定が安定なのです!


「へぇ~、それにしても大きな盾背負ってるな……。

 身長と同じくらいの大きさじゃないか……」


「タワーシールドだな、百七十センチはある盾だから守りに関しては一番強い。

 攻撃にも使えるけど、大きいから取り回しが難しい部類の武器だな」


 ミラハーは手に付ける装備は全て武器扱いになる。だから指輪類のアクセでも耐久値が設定されていたりする。


「ふむふむ、なるほど。勉強になるよ」


 タワーシールドの説明を聞き終わった時に、盾子さん(名前が分からないから私が命名)が合流。


「お待たせしてしまいました。遅れてすみません。

 えっと……」


 シンに対して侘びの言葉を言ってるけど、俺に対しては不審の目!

 なんでやねん!


「あれ、言ってなかったっけ? 今日は俺の友人にバトルについて教えるから」


「いきなりの召集で聞かされていません。

 そ、そうだったんですか……。はじめまして、リコって言います。

 シンさんの後輩で、基本は魔王討伐系のシナリオを進めています」


 目の前でお辞儀をしながら、自己紹介をしてくれるリコちゃん。

 近くで見ると二重で目がパッチリしているし、睫毛が長い……。ピンクのロングの髪と相まって姫様みたいだな。


「あ、はじめまして、タクです。シンとは中学からの知り合いです。

 シナリオは、リコさんと同じで魔王討伐系です」


 なんて言うか、お見合いみたいに会話が硬い……。俺たちの会話を聞いてたシンは笑うのを堪えているのが分かる。何がおもろいねん!


「両方の普段を知ってるから、笑えてしまうw

 お前ら、そんなキャラじゃないだろーが」


 初対面に気軽に話せるか! 俺の心はガラスなの! 繊細なガラスハートなの!


「しょうがないだろ、初対面で何を言えって言うんだ」


「そうですよ、タクさんと同意見です!」


 分かった分かったと言いたげに手のひらをヒラヒラさせて、行くぞってシンが歩き始める。

 先に歩き始めたシンに遅れないように、リコちゃんと追いかける。



 さて、スターティアからフィールドに出るには門を通るのだが、そこでサーバーの選択をする事になる。

 ABCDE……とアルファベットが付いていて、基本的には自分の進めるシナリオで入れるサーバーが制限される。

 最初の、A・B・Cサーバーはフリーフィールドで制限なし、誰でもいいよーってなってる。

 D・E・Fが狩りゲー専門、G・H・Iが魔王討伐系サーバーである。他のサーバーに関しては関係ないから今回は書きませんよ。

 まぁ、種類によってサーバーを分けることで、スタイルの違いによるプレイヤー同士の争いが起きないようになっている。

 もし、他のサーバーに入りたかったら、そこでプレイするプレイヤーから招待を受ければ入る事が出来る。

 でも、招待されて入ったサーバー内では戦闘行為など一切出来なくなるし、買い物なども出来ない。行動制限を設ける事で荒らされることも防いでいるってシン先生が言ってました!

 あ、ちなみに特殊なのがレイド専門サーバーと魔王討伐系と主プレイサーバーだそうです。

 この辺は追々にでも説明します。え? 知らないんじゃないのか? ち、違うもん! 知ってるけど、書かないだけだもん!


「広いな……、何も無いじゃん……。私の可愛いモンスちゃんは何処かいな~?」


 はっ! リコちゃん居るの忘れてた! 何時もの口調で喋ってしまったよ……。


「もう少し進まないと、居ませんよ」


 冷静に返さないで! そして、笑顔で答えないで! やめて、私のライフはゼロよ……。


「タクは武器が初期のナイフしかないから、俺たちの後ろで見学だ」


 なにを今更、もともとそのつもりですよ、私は!


「あ、ウルフが居ますね……。シンさん、あれでいいですか?」


 シンとリコちゃんの後ろに下がっていると、リコちゃんが敵を見つけたようだ。


「ゴブリンとどっこいの初期モンスターだから、ウルフでいいよ」


 リコちゃんに了解の返事をしたシンは腰にある双剣を抜いて構えを取っている。リコちゃんも同じように盾を構えて、戦闘態勢が出来上がる。


 オラわくわくするぞって言いたかったけど言える雰囲気じゃなかったよ……。


「リコ、挑発たのむ!」


「はい! ヘイヘイヘイ! ピッチャービビってる~~! ヘイヘイ!」


 ん、何か聞こえたぞ……。聞き間違いなのか……、野球の応援かな?


「来るぞ、タク!万が一があるかもしれないからナイフを構えておけよ!」


「ああ、分かった……」


 シンがリコちゃんの挑発に突っ込みを入れてないのだから、私の聞き間違いって事にしておこう、そうしよう。


「リコ、推して参る!!」


 近づいてくるウルフに、リコちゃんが盾を構えたままタイミングを計って……。

 あ、盾で押した……。ぶつけると言うより押した、普通に押していた。見なかった事にした方がいいのかな……。


「行くぜ! 双連撃、車輪!」


 シンがスキルを発動している、思わず見とれてしまった。

 回転しながら六撃くらい入れている、スキルってすげー!!

 そして、惚れてしまいそうなほど格好いい!

 シンの攻撃でウルフが、十メートルは吹き飛ばされている。それでも、ウルフは死んでなかったのか着地と同時に此方に向かって再度突っ込んでくる。

 するとリコちゃんがウルフの前に出て進路を盾で遮る。


「いかせない! あなたは私が守るもの……!」


 ん、どこかで聞いた台詞が聞こえたように感じるのだが、気のせいかな……。

 ウルフが盾に遮られて見えない……、どうなったんだろうか?


「くるぞ!」

 

 シンの声でとりあえず警戒はする。

 盾の右側か左側か、どちらから出てくるウルフよ!


「なに! 私を踏み台にしただ……と……」


 ウルフはリコの盾を駆け上ったのか、上から跳んでくる。それよりも!!

 おい! リコ! お前さっきからおかしいーだろ! ネタだよな? てか狙ってるだろ? な?

 リコちゃんの台詞が気になって、ウルフから視界を外してしまう。しまった!


「タク避けろ!」


 無理です、速いです、顔が怖いです! とっさに出した腕に噛みつきをくらう。


「ってぇ~~!」

 

 あまりの痛さに声に出来なかった。噛み付くだけ噛み付いたら、ウルフが距離を離す。

 やられたら、やり返したいけど自分の体力ゲージが残り三分の一になってる……。

 これ以上喰らったら逝ってしまう。


「喰らいやがれ! 双並斬!」


 おぉ、ただの跳躍からの両手を振り下ろしただけなのに、名前が格好いい!!


「お! 弱ってきたな! タク良く見とけよ。

 モンスターは体力が残り僅かになると、目に見えて動きや鳴き声が変わる」


 目の前にいるウルフがシンの言うとおり鳴き声が変わっていた。


「クゥーン……、クゥクゥーン……」


 おい! 子犬みたいな鳴き声じゃないか! 運営よ、これはひどいぞ!


「秘技、圧殺!」


 何も無かったかのようにリコちゃんが盾で押しつぶして、ウルフは絶命しました……。

 この子怖いよ……、色んな意味で!


「終わったな、どうだったタク?

 初めての戦闘は?」


「色々言いたい事があるけど、腕が痛い!」


 腕は噛まれたせいで、血だらけになっていた。


「私治療系のスキル持ってるんで直します。腕を出してください」


 手に持ってた盾を背中に担いでいたリコちゃんが直してくれると言ってくれた。

 さっきは心の中で暴言吐いてゴメン! あんたは女神様や!

 言われるままに腕をリコちゃんの前に出す。


「私の腕が真っ白に光る!! 傷を癒せと轟き叫ぶぅぅー!! シャイィーニーーング・フォーリー・フィンガァァァー!!」


 おい! お前! 歳幾つだよ? 俺でも辛うじてわかるネタつかってんじゃねーよ!!

 白く光る手のひらを傷口にかざすと綺麗に直りましたが、心に傷を負ったように感じます……。

 この子の普段は、なんとなく分かりそうな気がします。

 傷の治療をしてる間に、シンが倒したウルフの毛皮を素早く剥ぎ取っていた。


「剥ぎ取りは、使うナイフによっても品質が変化する。

 だから少し高くても、いい物を買ったほうが後々まで使えるぞ」

 

 治療を終えた、リコちゃんと私に剥ぎ取りについて色々と説明をしてくれる。

 シンに一通り剥ぎ方を教えてもらって、今日は終了にする事になりました……。


「今日はお疲れ様! タクも勉強できたようだし大成功でいいよな?」


「あ、あぁ、そうだな! 成功だったよ……」


 誰かを除いてね。


「また、一緒に狩りに行きましょうね。

 先に失礼します。それでは、バイバイ」


 元気にログアウトしていくリコちゃんを見送って、今日を振り返ってみると……。

 狩りの大変さより、パーティーの組み合わせが大事だと自然に理解できた日になりました!

 当分リコちゃんとは戦闘を一緒にしたくないかもです。

 

 早速ログアウトしたら、今日の戦闘について次話書きます。

 現在の所持ルックは422ルックになりました。もうすぐで何かしら買える様になります!

 何を買うかを今から悩んでおこうかと思います。では、また明日に会いましょう。

 苦手な戦闘描写が出てくるお話でした。今回のお話のメインはリコちゃんじゃなくて、サーバーの振り分けの説明かもwではではでは

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