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アクセス数=強さだ!!~見てくれる人は神様です~  作者: 雲ノ上
ミラレテン・ハートの世界へようこそ!!
3/70

遊び方はそれぞれ……。(117)

 昨日はゴスロリと揉めたと言うか、捨て台詞を吐いて逃げたから街中で出会ったら嫌だなと思いつつログインする。

 まぁ、このミラハーはプレイヤーが多いから、早々出会う事もないだろうと信じたい。

 さて、今日もルックの少なさで、行動が制限されちゃってます。何時ものように、始まりの町から動けません……。

 昨日はスキルを見に行きましたが、あまりに現実ルックの壁が高すぎました。壁が高くて、心が折れそうな今日この頃な私です……。え? もう折れている台詞だって? 気にしないで行きましょう。(棒)

 今日もまた噴水の前に座り、オブジェクトになっている私を誰か救い出して! って叫んでも、アクセス伸びないと無理なのね……。

 ふむ、困ったですぞ。

 だが、あの偉大な白髪の先生も言っていたではないか「諦めたらそこで終了です」 と。

 諦めないもん、ネタを探すもん!

 はっ! 現実逃避で言葉が変になっていた様だ……。危ない危ない、気を確かに持つんだオレ!

 まぁ、くだらない茶番はこれくらいにして、どうにかしないと明日のアクセスに響いてしまうよ。

 しかーし、幸いな事に今日は日曜日だ。プレイヤーも多い事だし、何かしらのネタぐらい見つけられるだろう。


「ヒャッハー! どけどけ、道を空けろ!」


「ん、ヒャッハーだと?」

 

 ベンチに座っていると、タイムリーなネタの予感がする声が聞こえてくるではないか。

 休みの日だけあって噴水の前は人が多い、先ほど聞こえた声によって人だかりが綺麗に割れる。

 ゲーム世界でも中々見れないモーゼの海割り伝説みたいな現象が起きている。

 割れた道に声の人物が見えてくる。先頭を歩くのは、モーゼならぬモヒカン。手にはアロンの杖ならぬ、バールのような物。

 全体的におかしい……。おかしいのは一人だけじゃない、二十人ほどの集団でおかしい格好をしている。

 モヒカンは決定事項なのか、ある数人を除いて全員が同じ髪型である。

 頭には「∑」ではなく「ω」の刺青……。服装はレザーで出来たベストみたいなのを着用。

 眉なしの風貌なのに、「ω」の刺青が可愛く見えてシュールだ……。集団の中にはナイフを舐めまわす奴もいるが衛生的に汚いぞ! あっ、ゲームだから大丈夫か。


 集団の後に、モヒカン以外の男が四人現れる。一人は黒いポニーに跨っている。ってかポニーかよ!

 残りの三人の内一人はアイスホッケーのマスクを着けて「コーホーコーホー」息苦しそうだし、一人は白髪のロングの髪が顔に掛かって邪魔なのか、手で払いのけている。邪魔なら切ればいいのに……。

 極めつけに、最後はポッチピチのレザースーツで、ある芸人みたいになってる。

 分かる人には伝わる、有名なアニメのパロだろう……、色々変だけど。


「オレの名を言ってみろ~。ゴホッゴホッ!」


 マスクメン(私名称)が近くに居たプレイヤーに声をかけている。

 苦しいのか咽てるし……。


「えっと、ジャ――っ」


「あ! 待って、待って! その名前はらめー! 言っちゃダメー!」


 慌てて相手の口を押さえている。


「私の上に表示されてるネームでお願いします。動画を上げれなくなるので!」


 男の慌てぶりが半端無いW 男の頭にはネーム表示がされており、それを見るとシャキと表示されている。それもアウト臭いけどな……。

 この集団は動画で何回か見た事がある、確か「劇団 世紀末」だったはず……。

 この、ミラハーにおいて世紀末プレイなるジャンルを確立した劇団である。

 まぁ、アニメの世界を再現しているだけの劇団であるが、戦闘にわざわざアニメに登場する技をスキルで再現していて完成度も高く、いい評価を得ている。


 慌てる男を無視しているのか、残りの三人は噴水の前で動画を取り始めていた。


「ケンジロウ下がっていなさい。見る事もまた戦いだ」


「兄さん……」


「ダオウ! あなたにも、あの星が見えているはずだ」


 もう、どこから突っ込みを入れればいいのか迷うほどアウトな集団だな……。

 そして、ダオウは喋らんのかい!

 ん、ダオウの口元が動いているようだけど声が聞こえない。声ちっさ!

 でも、この遊び方だってミラハーだから出来る遊び方だなと改めて思い知らされる。

 生産職の職人が衣装を作り、武器職人がそれらしい武器を作り上げているから、見ている人たちも理解できるのだろうな。

 しかし、ブック勢と違って、動画勢は有利だと思ってしまう自分がいる。表現をストレートに表す事が出来るのが、動画勢の強みだろう。絵を見たら、伝えたい事が分かるって凄いな。

 それに比べて、小説だと細かい描写をしないと伝わらない。最悪なのは相手の想像力に任せるしかない……。

 表現力が豊かだと、伝える事に苦労はしないのかもね。と、昨日と同じで自分の表現力に悲しくなりかけています。

 さて、劇団の演技をこのまま見続けてもいいけれど、折角なら編集もされてミラハー動画に上げられた動画を見て、相手のルックに貢献した方が正しい気がするので違うネタを探しに行きますかな。


 中央広場はでかい、いたるところで動画撮影をしたり、攻略メンバーを募集したりと活気がある。

 高校の時の学園祭を彷彿とさせる雰囲気を、この空間に感じてしまう。

 ぶらりぶらりと見て回る私……。明日連載する小説のタイトルは「タク散歩」になりそうな感じである。

 ふと、とりわけ他の所と違う熱気を発する集団が視界に入ってくる。ネタの匂いがプンプンしますぜ旦那!

 誰かを中心に輪を描くように囲う男達……。私気になります!! ってことで突撃!

 中心にいる人物を確認するために無理やり先に進みます。そして見えてきたのは。


「みんな~。二週間も待たせてゴメンね~。

 この前の、絆創膏はアウトだったみたい。でも、今日はアカBANを喰らわないはずだよ~」


「なん……だと……」


 そこには、けしからん奴が居ました。トンネルを抜けたら雪国ならぬ、人ごみを抜けたら貝殻水着でした。


「待ってました! 今日も可愛いです! ミラさま~!」


「この前の、絆創膏三点バーストは凄かったが、今日の貝殻装備もいい味だしてますな」


 コスプレの撮影会みたいなことになっている。中心にいるプレイヤーは貝殻水着に黒い棒を武器として持っている。そして、とても気になるのが絆創膏三点バーストだと!! 運営よ仕事しろ! けしからんぞ、もっとやれ!! あっ、違うか。

 

「トルンによるローアングルは禁止だよ~。守ってね~!」


 ミラによる注意事項が言われたら、みんな思い思いにポーズなどを要求している。


「止めて! 事故なの! 故意じゃないの! もうしないから……、助けて!」


 撮影者の一人がローアングルにでも挑戦したのだろう。何処から現れたのか分からない黒服の男二人に両脇を抱えられて連れて行かれる。


「ルールを守らんから、あいつ帰ってこないな……。勇者はこの場所に要らない」


「だな、ミラ様の言う事聞けない奴はいらない」


 撮影者の会話が聞こえてくる。ってか黒服怖い……、それと信者も怖かった……。

 さっきの劇団といい、この撮影会といい、みんなそれぞれの楽しみ方を追求しているんだな。

 貝殻水着はけしからんけど。

 この水着だって装備だから、作っている職人が居るって事だ、生産職をする人が居なければ、こんなに自由度は上がらないだろう。

 作る人が居れば、素材を狩って来る人が居ないと話にならないし、狩りの武器を作らないとそもそも話にならない。たかが、ゲームだと思っていたけど奥が深いね。

 貝殻水着はけしからんけどな、大事な事なので二回いいますた。


 ルックが増えると、楽しみの幅が増えるっていいな……。あくまでもルックを持っていないと話になりませんがね。

 さて、今日は大収穫な一日だったな。えっ? もうログアウトするのかって?

 しますよ、だってルック無いんだもん! 空腹になりそうだし、シンにパン恵んでもらわないと動けなくなるもん! 

 えっ? パンを買うぐらいのルック貯まってるだろって? だって、資金源は多い方がいいじゃない!!

 VRMMOなのに、私一回もモンスちゃんと戯れてないのよ……。武器欲しいじゃん、スキル欲しいじゃん!

 知っています? 今の私の所持ルック……。合計で二百五十五ルックですよ……。

 よし、次話はアクセス増えると信じてる! では明日までお別れです。

 今回の話で、ミラハーの世界の自由度が表現できていて伝わったら幸いです。誤字脱字の指摘は大変感謝、感謝であります。ですが、文章の書き方、言い回しなどの指摘に関しては意見を現状では取り入れない考えで居ます。(私の表現がよほど酷い場合を除きます)ではではでは。

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