思っても……。(227)
どもどもども! タクです。
人間関係がある限り、本音と建前は現実であろうがゲームの世界だろうが関係なく存在しますね。
簡単に言えば、仲間であるミラさんを怒らせない事とかですかね。
まぁ、これは冗談ですよ。え? 冗談に聞こえない! ですって? そんなことはないですよ、本音な訳無いじゃないですか! だから、冗談って事にしておきましょう。
さて、今日も何時もと変わらないミラハーライフを満喫しますかね……。
ソファーに座り、悩む事から始まります。
初級スキルを取得するにはまだルックが足りません。なので、リザさんに毛皮でも売って少しでもルックを稼ぐ方が良いかなと考えています。
「今日はチームワークの強化をしませんか?」
私がソファーに座り、悩んでいるとリコちゃんが提案してきます。
ふむふむ、チームワークの強化ですか……。
確かにリコちゃんとはPTを組んで戦闘をしたことはありますが、他の人とは戦闘をしたことがないですね。レイドのときもバラバラに行動してたので、今のところ一緒の戦闘は実質皆無ですね。
「そうですね! 戦闘ではリコさんとしかした事無いですからね」
「戦闘はそうですね。
ですが、戦闘だけでなく普段からのチームワークを強化したいです!」
言っている事がわかりませんよリコちゃん!
「ト、トランプでもする?」
ナツちゃんが助け舟を出してます。
「もっと会話しませんか?
皆さんお互いに知っているようで意外に知らないですよね?」
コミニュケーションは大事ですが、ここは現実世界ではなくゲーム世界なのでリアルの情報の交換などはしない方が良いと思いますよ。
個人的には知られて困る事は無いですが、皆さんは女性ですので個人情報は喋らない方が良いでしょうね……。
「内容によると思いますよ」
とりあえず意見は言っておきましょう。判断をするのはリコちゃんでしょうし。
「ミラハー動画なのかミラハー・ブック、どちらで投稿しているかが一番無難な話だと思うよ」
珍しくメイちゃんの意見が素晴らしいと思います!
「私はどんな内容でもいけますよ……」
ミラさんこそファンクラブがあるので、話す情報は絞った方が良いですよ!
「まずは言い出した私から話しまーす!
私は動画で上げてます! 大体の内容は盾職での戦い方をレクチャーする動画ですね」
ほうほう、リコちゃんの動画の趣旨は戦い方ですか……。てっきりパロネタで攻めているのだと思ってました!
「盾職は人数は少ないですが、かならずPTプレイには一人は必要になるので需要はあるんだと思う」
ナツちゃんの言っている事は尤もな意見ですね。PTプレイを動画としてあげて居る人は必ず盾職が前衛を張ってますもんね。
「それでは、次は私が。
私は生産職として料理を題材にした動画を上げてます。
ミラハーの中で出会った料理スキルを持っている方と一緒にミラハーで料理を作りレシピを公開してます」
ナツちゃんらしい動画ですね。
「ナツちゃんは毎回違うプレイヤーさんとコラボしていて、コラボしてる相手がお店をしてたらその店の紹介も一緒にしているのでミラハーで食事をするときにはとても役に立つんですよ!」
リコちゃんがナツちゃんの動画の説明をしてくれます。
ふむふむ、自分だけではなく相手のルックのためにも貢献しているのかな?
「私は魔法職の新しい魔法スキルを動画で紹介しているわ。
魔法のスキルは他のスキル以上に組み合わせが複雑だから、視聴者が欲しいスキルを私が検証して動画にして上げてるわ」
そういえば前にシンが言ってたような気がするな。
魔法職はスキルが多すぎる上に組み合わせが複雑だから、買うときに困るって……。
で、メイちゃんが検証する事で魔法職の人がスキルを買うときに困らないと言うわけですね。
メイちゃんにはルックが入って新しいスキルを購入し検証する、視聴者もメイちゃんが新しい組み合わせを検証するから自分の欲しいスキルが分かるって感じですかね。よく考えられてるな……。
「私は動画でコスプレを披露してます……」
ミラさんらしい動画ですね。
「ミラさんは生産者通りにある防具屋とか衣装を作っている店とコラボしてますね。
モデルみたいな感じだと思ってました」
リコちゃんの説明ありがとうございます。
「それもありますね……。
このミラハーは衣装を自分達で作れます……、他のゲームのように衣装や防具が決まってないので個人の思う物を選択出来て、自分ってキャラを主張することが出来るのに皆さんはそれを活用しているようには見えなかったんです……。
そこで、私がコスプレをする事でこんな衣装だって着れる!この世界なら職人が作れれば着る事が出来るって事をアピールしようとしたのが始まりですね……」
へぇ~、ミラさんも色々と考えていたんですね。確かに防具や衣装が自由なゲームは数えるほどしかないんじゃないだろうか……。
そして、人と違う格好をする事には誰でも最初は抵抗感がありますしね……。誰かがその流れを変えることが出来れば、やってみようと考える人が増えるのは自然な事だと思いますね。
「でも……、最近は少し調子に乗ってアカBAN喰らいましたけどね……」
そ、それに関しては何も言えねぇってやつですね!
チャ、チャレンジ精神にエールを送っておきます!
「それでも、私はミラさんに感謝してます。
ミラさんが新しい衣装や防具を着て動画を上げてくれることで、私たち職人に色んな方から依頼が来るんですよ。
自分達で宣伝しても見ない人は見ない……、でも有名な人が着てくれているとそれだけで宣伝になるんです。
多くの人の目に触れるので、頑張って良い物を作ろうと切磋琢磨出来るんです!」
ナツちゃんが真剣な表情で話しています。
「レイドの時も私の友人が手掛けた袴をわざわざ着て下さって感謝しています。
動画で再生されて色んな人の目に触れたおかげで、今注文が殺到しているそうです。
今まで友人も動画で色々アピールをしてきたけど、上手くいってなかったので友人は生産職を辞めようかとさえ悩んでいたんです。
自分の作る衣装は地味な物が多い……、認められていないと思っていたけれど今回の一件で自信を取り戻せたようです。
ミラさんが着ていたから注文をする人が多いですが、注文をくれる人の中には、袴が欲しかったけど作っている職人が居ないと思っていた人達も居ます。たまたま有名なミラさんの動画を見て、友人の存在を知ってくれたんです。
私は、友人が少なからず誰かに認められるきっかけを与えてくれたミラさんに感謝しています」
あの時のミスマッチな衣装はそんな経緯があったんですね……。
「私は自分が着たい衣装を着ているだけですよ……。
友人が認められたことに私は関係ないです……」
ミラさんの顔が赤くなっていますね……。ここでからかう様な間抜けは私たちのチームには居ませんがね。
あー、そうか……。このゲームの世界でもやっぱり人は人なんですね。誰かに支えられているし、誰かを支えているのかも知れないですね……。非現実だけど人との繋がりは現実世界と変わりませんね……。
「タクさんはどちらですか……」
堪えられなくなったのか、ミラさんが話をそらします。
ここは乗るのが空気が読める男なのでしょう。
「私はブックです。
皆さんみたいに何か目的を持って書いたりはしてないですね……。
今日起きた事をそのまま自分で感じたままに書いてます。あえて、ジャンル分けをするなら日常系ってやつですかね」
他の人たちみたいに誰かの為になどと言う大義名分など私にはないので、飾ることなく話しておきます。
「こうして皆さんと会話した事で感じた事も小説の題材にしています。
このチームに参加してから色々と考える事が増えましたから」
まぁ、考えている事は今日一日どうするか? ってことなので前と変わってないのかも知れませんがね……。
「文章で表現をするのは、とても難しい事ですよね。
言葉のチョイスを少しでも間違えると、伝えたい思いとかけ離れていきますから……。
それと、どのように書き表すかで雰囲気も変わってしまいますよね?
私には、無理な事だな……」
リコちゃんの言っている事はよく分かります。
一つの事柄でも、伝えたいように文章に出来なくて何回も何回も書き直すこともありますから。ですが、伝えたい事を文章に出来た時は言葉で表す事が出来ないほど嬉しい物なんですよ。
「私の友人の一言なのですが、表現は慣れれば幾らでも表す事が出来るそうですよ。
まぁ、私にはまだまだ先の話になりそうですが、私が書いた小説を読んでミラハーの世界が面白いって思ってもらえれば今の所は満足です!」
湿った雰囲気にしたくないので明るめの声で言っておきました。
「ゲームだから楽しいって感じれる事が必要よね!」
メイちゃんがフォローを入れてくれてます。
いつも、心の中でまな板って言ってごめんよ。君はいい子やで!
「そうね、折角こうして巡り会って同じゲームを一緒にプレイしているんだから楽しまないとね!」
リコちゃんの笑顔が素敵です! それに賛同しているナツちゃんもメイちゃんもミラさんもいい笑顔ですね。
ただ、私にこの雰囲気を表現できるスキルがねぇってやつです……。文学の神様、私に才能をくらはい!! 頼んます!! いや、願います!
さて、今日はチームメンバーが動画なのかブックなのかについて知ることが出来たので、この話題で話を書きたいと思います。上手く表現できるか不安ですが、兎に角書くのみですね!
現在の所持ルックは七百九十四ルックになりました。では、また明日お会いしましょう。
今回は真面目な内容になりました。この作品では中々見ることの出来ない真面目な文章はどうだったでしょうか? 楽しんでいただけたら幸いです。ではではでは




