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第六話 トラブル発生

調査記録 『アイシスの親友』

アイシスに友人と言える人はあまりいなかった。そんな彼女でも、信頼できる人は何人かいたようで、その人達の事を『親友』と言っていた。


リディ・バローネ

性別は女で魔法属性は霧。現役職はペトゥロス帝国の特命全権大使兼、外交長官。出身もペトゥロス帝国である。20代に見られがちだが実際の年齢は37歳で、アイシスの1つ上。

金髪にラベンダー色の瞳を持つ美女。彼女は男女差別の激しいペトゥロス帝国にて、初の女性幹部として帝国中に名を轟かせた人物だ。そんな彼女だが、皇族の家族写真に写っていたり、たびたび皇族と関係ありそうな記事が出たりと皇族と何かしら関係性があると伺える。前に一度、聞いてみたのだが「プライベートで付き合いがあるだけ。あなたにプライベートについてとやかく言われる筋合いはない」と言われてしまった。そこで、ペトゥロス帝国へ旅行に行った際に住民に聞いてみると、実は彼女は第三皇女で、軍部の反乱を避けるため12歳の時に、現ペトゥロス帝国軍副指令と婚約したのだそう。現在はその婚約者と結婚し、リディ・ペトゥロスからリディ・バローネになったのだそう。

アイシスとリディはアイシスがフランセン王国にいた時からの仲だったのだそう。アイシスが来る前まで、サルバート連邦とペトゥロス帝国はとても仲が悪く、いつ戦争になるかも分からない状況が何年も続いていた。今、こうしてサルバート連邦がペトゥロス帝国と同盟を組めているのは、ひとえに二人が親友だったからと言えるだろう。

レイヴィアからの通信が途絶えてから約1時間半程が経った頃、サルバート連邦軍司令部では、緊張した空気が流れていた。

「働きすぎは良くないわマーカス。少し休憩にしましょう。」

そう言い、クラウディアがマーカスにコーヒーを差し出す。

「クラウディアか、お前がもう少し働いてくれれば俺も休めるんだがな?」

マーカスにそう言われ、クラウディアはバツの悪そうな顔をしながら

「......ほ、ほら、私って一応、軍医総監だし?けが人が来た時に私が疲労困憊だったら救える人も救えなくなるっていうか......そうならないために私は常に万全の状態にしておかなきゃいけないっていうか...」

などと言い訳をしている。その様子を見て、マーカスはため息をついた

「だとしてもお前はサボり過ぎだ。大体――

『司令部へ通達します!トルンブロム諜報長官と、ウエストモア諜報副長官が何者かに暗殺されました。』

突然の通信に、マーカスは会話を中断せざるをえなかった。

「場所は!?」

『それぞれが宿泊していたテントで、倒れているところを発見しました!』

声から焦りが伝わってくる。

「分かった。2人を医療用テントに運んでくれ。その後は軍医総監の指示に従って動くように」

そう言いマイクの電源を切るとマーカスはクラウディアに

「この話は一旦お預けだ。聞いていたと思うが、お前は医療用テントに戻り2人の処置をしろ。俺はこの状況を隊員に伝えたのち、演習審判局に報告する」

「了解」

そう言い残しクラウディアは司令部を出て行った

「司令部から通達。先ほど諜報長官と諜報副長官が何者かによって殺害された。まだ近くに犯人がいるかもしれない。総員、一度各々のテントに戻りこちらからの指示を待て。繰り返す。先ほど諜報長官と諜報副長官が..................................」

隊員への連絡を終え一度マイクを切ると、マーカスは演習審判局に繋がるよう周波数をいじり、再びマイクの電源を入れた

「こちらサルバート連邦軍司令部より演習審判局へ。トラブルが発生したため、演習を中止してくださるようお願い申し上げます」

マーカスはいつになく丁寧な口調で連絡を入れる

『こちら演習審判局のリディ・バローネです。なにがあったのかご説明いただいてもよろしいでしょうか?』

マーカスはあからさまに顔をしかめる。どうやらマーカスはリディに苦手意識があるようだ

「諜報長官と諜報副長官が何者かに襲撃されました」

『了解しました。ただちに演習を中止するよう帝国軍に通達しておきます』

「感謝します」

これにてマーカスの仕事は終了だ。マーカスは先ほどクラウディアから貰ったコーヒーを一口飲み、椅子にもたれ掛かる

(さて、これから忙しくなりそうだ)

一方その頃医療用テントでは、クラウディアが慌ただしく動いていた

「諜報長官はこっち、副長官はあっちのベッドに寝かせて頂戴」

「まずは、脈と呼吸を確認して............」

クラウディアがいそいそと周りに指示を出す。だが、テスタニアとローズマリーは既に絶命しており、それに気づいたクラウディアは周りにストップをかけた

「...2人は既に亡くなっているわ。これ以上は、手の施しようはないわ」

そう言いクラウディアは胸元で手を組み、目を閉じる。彼女の故郷『カウロテリア皇国』の文化なのだろう

少し時間を遡り、レイヴィア達がテスタニアの元を去った後。2人は森の中を駆け回っていた。数百メートル程走った所に川があり、そこで血を洗い流すことにした。ここは事前にリディから教えてもらっており、そこで2人は血を洗い流すついでに少し休憩することにした

「お疲れ、姉さん。その、大丈夫?」

「え?ああ、さっきも言ったけど大丈夫よ」

「そっか、良かった。にしても凄いや姉さん。あの諜報長官とほぼ互角に渡り合えるなんて」

レイヴンが少し興奮気味に言う

「そうね」

それとは対照的にレイヴィアはどうやら元気がなさそうだ

「どうしたの?姉さん」

「...私、ね。今さらになってちょっと後悔してるの。こんな事してお母さんは悲しむんじゃないかって。まあ、もう後戻りできないし、するつもりもないんだけどね!それにあいつ、私の見立てよりずっと強かった。今回勝てたのはあいつが私を舐めてて、魔法を使ってなかったからであって、本気出してたら絶対負けてた」

「でも、副長官は一発だったじゃん?」

レイヴィアを励ますようにレイヴンが言う

「幹部に勝つなんて普通は無理なんだよ。少なくとも僕は幹部に勝った人を知らない。姉さんが初めてなんだよ」

レイヴンはレイヴィアの方を向き、優しく微笑んだ

「だから、そんなに落ち込まないで?それに姉さんには僕という頼れる弟がいるんだ。まあ姉さんはいつも僕を子ども扱いするけど......」

「ふふ、そうだったわね、ありがとうレイ。そうだよね、こんなの、まだ序盤も序盤なんだから、こんな事で落ち込んでる暇なんてないわ!」

いつもの元気を取り戻したレイヴィアを見て、レイヴンは安心したように胸をなでおろす

「良かった、いつもの調子に戻ったみたいで」

突如インカムの電源が入った

『司令部から通達。先ほど諜報長官と諜報副長官が何者かによって殺害された。まだ近くに犯人がいるかもしれない。総員、一度各々のテントに戻りこちらからの指示を待て。繰り返す。先ほど諜報長官と諜報副長官が.........................』

「どうやら見つかっちゃったみたいだね。早く戻ろう。あんまり遅いと疑われちゃう」

「うん!」

そう言い、2人は立ち上がり、野営地の方へと走って行った

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