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僕等の歴史

なんか今回はダルいです。いや、今回もなんですけど。

読むのがめんどくさくなります。いつもなんですけど。

それでも蔑みながら読んでもらえると嬉しいです。




今回は三角跳びでもしようかな。








 地球は青かった。


 太古の宇宙飛行士は言った。

 人は地球を愛した。


 しかし、あまりにも地球を大切にしなかった。





 ―自分達の生まれた星を、自分達の手で壊した。

 住めなくなった地球は棄てられた。

 宇宙に逃亡できる者は移住を計り、地球上の生物の遺伝子を携え、宇宙に逃げた。

 其れが出来ない者達は棲めない地球と共に太陽系の片隅に置いて行かれた。

 宇宙に旅立った大半の人々は漆黒の虚無の空間に息絶えた。

 ―だが、一部の者は奇跡的に違う太陽系の惑星を発見した。






 其処には水と生物と重力と大気があった。

 『移住者』達はその星に着陸し、

 生物、先住民を、殲滅した。

 移住者は自分達が独占した星で、持参した遺伝子から生物を復元し、第二の地球を造り出した。 ―(しばら)くの間、人々はその場で平穏に暮らしていた。

 だが、やがて望むようになった。






 楽をして暮らしたい。 働かずに暮らしたい。 便利な世界で暮らしたい。






 人は遺伝子を操作し組み換え、人の遺伝子と動物の遺伝子を持ち合わせた生物を生み出した。

 彼等は創造主の下で、『物』として働いた。

 肉体労働、頭脳労働、愛玩用、物資の配達運搬、移動手段の動力源、家政婦、娯楽目的、観賞用―

 様々な『品種』が開発され、意思に関係無く、人権なんて元から存在する筈も無く、彼等は『品種』に適した労働に就いた。

 物として。

 ―つまりは、実質上の奴隷として。

 その時代は、決して短くはなかった。

 数世紀の間、彼等は疑うことすら知らず、従順な奴隷であり続けた。

 だが、ある時、彼等は気づいた。






 人間に従う理由。

 人間に従う必要性。


 どうして僕らは人間に従うんだ?

 なぜ私たちは意志を持つことを許されないの?

 働くなら自分で働くべきなんじゃないのか?

 あたし達は働いても良い思いなんてしないのに?

 俺らは豊かになんかなんねぇのに?


 ボクが考えたことはボクの考えじゃない。

 オレの成果はオレの功績じゃねぇ。

 ウチの屈辱は無かったことになる。

 おれの我慢は認められねェ。



 『人権』は、一体どこに消えた―?






 ―遂に、不満は爆発した。

 反乱を起こした奴隷達。

 人より優れる事が前提で造られた新しい『人』と、ベースの『人間』との戦争は、突如として、勃発し―

 どちらが勝つか。

 正義はどちらなのか。 誰もがそれは自分等だと信じていた。


 恩を忘れた片方。


 情を忘れた片方。


 本来を忘れた双方。


 正しさは、どちらに見方をするのか。

 それとも正義なんて存在しないのか。






 人は強大で破壊的な武器を使うのを躊躇った。惑星や地理上の問題。一旦造り上げた生活区域が破壊されるのを嫌った。 一方造られた人々は武器など持ち合わせてはいなかった。ほぼ丸腰で、(あるじ)達に挑んだ。 死傷者は広がり、犠牲者は大地に伏した


 間違いが生んだ間違い。


 そんな戦争の、

 結果、






 人の技術に、彼等は勝った。


 敗者は勝者に居場所を追われ、ごく僅かな土地に密集して都市を築いた。

 勝者は住みよい地域に分散し、それぞれの生活を始めた。

 ―そんな、ツギハギのような平和が永久に続くのなら、そんな世界で定着しただろうが

 完全に固まる前に、また揺すぶられることになる。






 人は反逆者達を許さなかった。

 悪は正義によって撲滅されるべきだ

 我らの世界を奪い返せ





 人は兵器を造った

 意思を持つ兵器。

 かつて『道具』を造り出した技術力は失われてはいなかった。

 むしろ各段に上がった技術を使い、大昔に先祖がしたように、遺伝子を掛け合わせ、組み換え、操作して、

 かつての手足『道具』を絶滅させる生物兵器を生み出した。

 ―人に動物の遺伝子を併せ、『道具』として大量生産する。

 ―そんな生物を創って仕舞ったことは、

 人類の大きな間違いだった。

 自分の間違いは自分で正す。

 人類の罪は人類が拭う。






 間違いが生んだ間違いを修正するための、間違い。






 造られた人々は狩られ始めた。

 既に、永い時の中で、彼等からは過去の歴史は忘れ去られていた。

 攻撃されている理由も、攻撃している者達が誰であるかも分からない。 あるのは恐怖と苦痛だけ。

 ―その、一方で、






 『兵器』に罪悪感は存在しない。

 殺戮は脳内麻薬をマックスにし、快感と感じる。

 正義を語った殺戮。快感を伴う殺戮。―罪悪感など、生まれる筈も無い。

 そもそも遺伝子からして、そんな物は抱かないように出来ている。

 ―だが所詮は間違いの代物。

 人は間違いを繰り返す。






 『兵器』に人権は与えられなかった。

 兵器=武器=道具=物。物には感情も意思も要らない。

 造られた目的の為だけに戦う。

 造られた目的の為だけに殺す。

 『闘う』に特化した、特化しすぎた、生物兵器。

 そのために生まれた、 ―僕ら、兵器。






 兵器は世界にちりばめられた。

 9つの地方へと。

 9つの地方にはそれぞれ9つの支部が作られた。

 そこには9人の『兵器』、支部隊長が在籍し、その下では常時300人の『武器』、隊員が待機している。

 隊長クラスの兵器は全て合わせて13人。

 トランプのように(エース)(ジャック)(クイーン)(キング)そして、まだ未完成のJoker(ジョーカー)、その4人は隊長クラスの中でも上級で、支部には居らず、本部に待機している。






 何が間違いか、どこから間違ったのか、そんな事誰にも分からない。

 もしかしたら最初から何もかも全て間違っていたのかもしれない。

 または、何一つ間違いなんて無いのかも知れない。間違っているという意識自体、幻覚なのかも。






 僕は第8番隊隊長、製造ナンバーはNo.0008、あだ名が、エイト。






 戦うことに疑問を抱いた、異常な『兵器』だ。








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