あぁ変わらない。
唯の。
スライムは。
まぁ初心者の好敵手。
初心者のラビリンス内で。
はぁ~、ヤッパリここも。
最初の地下1階が広いのかなぁ?。
最後の一口分の御菓子を手に。
通路に壁に寄り掛かり、床に腰かけながらの独り言。
ここまでで、真っすぐな通路に幾つもの部屋でしょ。
え~と!スライムを30匹以上は倒したけど。
つまり、、通路には30部屋は有ったって事だよね。
でだけど、、うぅ~収穫はゼロかぁ、、。
宝箱も、、魔石も無し!あぁ~今日はツイてないかもなあ。
そして。
残りの甘い御菓子を口に放り込み、モグモグと味わい。
首を横にして、通路の奥、、先を覗き込みながら。
此処まで使った魔力の事を考えた。
「灯り」に「清浄」でしょ、、後は「清水」にも使って。
あぁ~銃のマガジンの補給もだ!、ここまでで、え~と6かな。
意外と使っちゃうんだよなぁ。
マガジンの補給が1回3でしょ、、、うぅ~。
これだと、あと何回補給する事か?。
右手の中に出したfn1910を見詰めながら考え事をしていた。
コレって便利だけど、意外と縛りが有るなァ。
まぁ普通は10マガジン、300発を使う事何て無いだろうけど。
もしもの事を考えて、行かないと駄目かなぁ?。
まあ、、そんな事は起こらないだろうけども。
、、フフフッ、、。
魔法弾の威力を上げたら。
結構ヤバい事になるんだけど。
さてと、、今の時間はどうかな?。
まだまだ、午前中かい!、まあ~この「時の魔道具」の表示も。
アバウトに6分割で分る程度だからなぁ。
たぶん昼の時間までもう少しだと思うけど。
位階上げと、宝箱の御宝を探しに先へ進むかなぁ。
よ~し!直ぐに行くからな!待ってろよ俺の宝箱達!。
自分に気合を入れて通路で立ち上がると。
横の壁に立ててあった木の棒を左手に持って歩き出す。
すると、1分も歩かないうちに。
歩き出してすぐに、また部屋の入口が見えて来たヨ。
ホントにここは部屋が多いなぁ。
休憩明けの1か所目だ!さぁ待ってろよ、俺の宝箱!。
通路から部屋を覗くと、スライムが1匹部屋の真ん中にいるよ。
コレは今までと変わる事の無い風景だ。
くぅ~!またスライム1匹かよ。
ホントに何にも無い部屋ばっかりだな。
愚痴を言いつつ、右手にfn1910を構えて照準を合わせる。
パシュ!。
軽い発射音が響いてから、パン!と破裂音が続くよ。
それにしても、この光景は何回見ても、、ヤバいよなぁ。
スライムがこんなに見事に飛び散るなんてさ。
ははぁ~、また部屋中にこびり付いてるし。
ん?!。
スライムが居た場所に、小さな木箱がポツンと置かれているよ。
おっ!。お~~~!。
やったぁ~!。あれは、、初宝箱じゃないの~!。
でも?、、また小さい木箱かい!。
あれかぁ~!。
前の中身は、、銅の小さな塊だったからなぁ~。
あんまり期待はシナイでおこうか?。
小部屋に入り、真ん中の所の木箱を手に持った。
コレも軽いんだな、まあ小さいし当たり前か。
さてと宝箱を開けますか。
何が出るかなぁ~?何が出るかなぁ~?。
良い物が出てよ!お願い!。
ゆっくりと木箱の上蓋を開いて行くと。
見えて来た箱の中は、、。
真っ暗で何も見えないよ?あれ?。
この前の木箱は、、こんなじゃ無かったよなぁ?。
うぅ~何でなの?。
あぁコレって、もしかして魔法袋と同じって事かな?。
箱の中に、、自分の手を入れて。
暗闇の中から物を取り出せって事なの?。
黒い色の、、木箱の中を覗き込んで尻込みをしてしまう。
それって、、物凄く怖いんですけど!!。
くぅ~!マジかよ!。
この中に俺の手を突っ込むの?うあぁ~~マジか。
くぅ嫌だけど。
御宝の為!御宝の為!御宝の為!。
意を決して木箱の中に右手を差し込むと。
なんと!右腕の肘の手前までが、ス~ッと消えていった。
小さな木箱だよ、、信じられないよ。
何でコンナに木箱の中が深いんだよ!。
余計に怖いジャンか!。
おっ!。
底に付いたけど、、コレは?。
何も無い気がするんですけど、はあ?。
箱の中で。
手をクルクルと何かを探すように動かしてみると。
コツンと指先に何かが当たった!。
痛ッ!。
なにか硬い物に当たったな!ん、これか?。
う~~!。
なんだかこの感触に心当たりが有るんだけどなぁ。
そんな事は無いよなァ。
その硬い物を手に握り、木箱から腕を抜く。
さて宝箱の中身は何だったのか!。
あ~~~~!。
なんでコレなんだよ!もう、可笑しいでしょ!。
心当たりが有った物、、。
引き抜いた手の平の上に有る物は。
もう!これで2個目じゃんか!。
くぅ~~!もう次に行く!次々!。
文句を言いつつ。
ポーチに仕舞い込んだ物は、銅の塊ですね!。
部屋を出て行く足取りはドスドスと荒い!。
まあここは岩の通路だし、そんな音はしないけどね。
それからも小部屋を攻略しつつ。
スライムを吹き飛ばしつつ進んで行くけど。
2個目の宝箱を見る事は無く。
御昼の食事の時間になってしまった。
あ~もう、あっと言う間に昼になっちゃったよ。
この「時の魔道具」ホントに時間が合ってるの?。
それにだよ!なんで良い物が出ないかなぁ。
また、通路の床に腰かけて。
腰のポーチから麻袋を取り出し。
その中から串焼きの包みを取り出した。
朝買ったのに、まだ暖かくて良い匂いがするよ。
それとだよ。
この前に飲んだペットボトルの空を利用して。
昨日の夜に、宿の洗面所で水を入れてたのを思い出したよ。
へへ!小道具の再利用で魔力の節約を考えてたんだ。
これ、今頃思い出したよ、うん!これは便利便利。
でも透明なペットは、人前では出せないかな?。
ここには無い物だよなぁ。
そんな事を考えながら。
まだ暖かい串焼きの肉を1つ口に入れて。
モグモグと思いの外柔らかい肉を噛んで味わっていると。
口の中で塩味の後に、、。
ヒリッと、、ピリッと、、グワッと舌に強烈な刺激が!
うぅ~!何だこれ、辛くて舌に来る!!。
あぁ~~~!。
つぅ~~~~んと鼻に痛みが抜けるぅ~!。
くぅ~~!。
はぁ~はぁ~はぁ。
何だよこれ?メチャ強烈じゃん!
見た目はそんなに変わらないから食べちゃったけど。
コレが「奴」って事なのかな?。
凄いな!。
舌と鼻に抜ける刺激が強烈で涙が出そうだよ。
はぁ~~唐辛子粉と刻みワサビのミックス串焼きだね。
確かに美味しいけど、、。
俺にはかなりキツイなぁ。
ペットボトルの水をガブ飲みしながら。
最初の1本の串焼きを食べきったよ。
お腹が減ってたから2本目も食べたけどさ、、。
「奴」が体に効き過ぎて、残りの1本は宿に持ち帰りだね。
う~んコレは何時かの、、夜食かな。
唯の串焼きで思わぬダメージを舌と鼻に受けてしまい。
ラビリンスの通路の床に体を横にして休んだよ。
はぁ!それにしても「奴」は1本で効いたなァ。
今度、屋台の店主に言ってみるかなぁ。
あれ、香辛料と辛みの調整を客に聞いた方が良いってさ。
普通は俺みたいな反応が多いでしょう?。
店主は。
意外と売れてるって言ってたけど、ホントかなぁ。
俺、、騙されて無いかなぁ。
此処の通路。
魔物が出なくて良かったよなぁ!。
別のラビリンスだったら。
通路で休憩とか出来るのかな。
俺みたいにコンナ所で、、寝てたら。
どうなってしまう事かねぇ。
はぁ。
「時の魔道具」を通路に置いて。
木の棒の「灯り」が良く当たるようにしておく。
午後の表示になるまで、此処で横になって休むぞ!。
えぇ~と確か、お手拭き用の布があったよね。
ポーチから麻布を出して頭の下に厚くして敷いた。
えへへ!枕代わりにはコレだけでも十分だな。
寝ないけど、、、おやすみなさい!。
誰かに断って、床に体を伸ばして寝てしまう。
誰もいないけどね。
目を瞑り、つい、考えるよ。
後で、、午後の休憩には、、、。
何を食べようかと!。
う~ん。あれにしようかな!。
ウトウトしつつも何とか寝ないで休憩を終わらせて。
横になっていた体を座らせ、出した道具をポーチに仕舞。
立ち上がって伸びをすると。
さて、また進みますか!。
午後の休憩の楽しみも決めたし!。
目指せ!宝箱。
「灯り」を頼りに通路を進んで行く。
そして小部屋を見つけてはスライムを倒して中の確認。
1,2,6,9,11.
12番目の部屋だ!今度は何か出るだろう!。
部屋の中にはスライムが1匹。
またかぁ~ホントに何にも変わらないんだなぁ!。
いくぞ!。
パシュ!。
バン!。
ピシュ!ビュ!ピシュ!ビチュ!。
スライムが爆散して辺りに飛び散っていく。
何か無いかと小部屋の中を覗いても、何も見当たらない。
はぁ!ホントに何も出ないなァ。
一応中に入って確認しないとな、ないかな?。
おっ~発見!、紫色だ。
これかな!小さいけど多分コレがスライムの魔石かな。
床に落ちていた魔石を、指で摘まんでみると。
ゴマ粒位しか大きさが無いけど、紫色の魔石かな。
やっと見付けたよ!。
このままポーチに入れて大丈夫かな。
小さい入口の中に落とすと、スッと消えていった。
右手を入れて、、魔石魔石と考えると。
ちゃんと、スライムの魔石1って分かったから。
うん!大丈夫だ。
さあ次に行こうか!。
そしてまた通路を進み、そこで部屋を見つけては。
スライムの討伐だよ。
はぁ?。
階段?。
もしかして、此処で地下1階がお終いなのかな。
次は、、。
地下2階からはスライムに大蝙蝠がまじるんだっけ?。
はて、、大蝙蝠、大蝙蝠だからなぁ大きいって事だよなぁ。
うぅ~~、行ってみるかぁ。
階段を下りて行くと、また真っすぐな通路になってたよ。
準備は、、よし!、行くぞ。
「灯り」を頼りに歩いて行くと。
通路の先の左側の岩壁に部屋の入口が見えて来た。
よ~し!地下2階の第一の部屋を発見だ。
まぁ、上と同じ様に覗いて見るかな。
木の棒を部屋の中に差し込むと。
部屋の中には、いつものスライムは見当たらない。
あれ何もいない?、違うじゃんスライムは?何処だ。
それに大蝙蝠って奴は?。
「灯り」の光に照らされてる小部屋の中をキョロキョロと調べてると。
小部屋の右奥の隅の天井に何かが釣り下がっている。
ん~~あれは?。
もしかして、アイツが大蝙蝠なのかな。
そうだ!蝙蝠って逆さまになってるのを見た事が有ったなァ。
でも、ここからだと大きさが分からないけどなあ。
う~ん。あれで大きいのかなあ。
まあ、アイツにもfn1910の魔法弾を御見舞いしてみるかな。
取り合えず威力は1のまま、同じで良いよなぁ。
壁に寄り掛かりfn1910を構えて照準を合わせようとして。
はて、大蝙蝠の何処に合わせよう?。
此処は腹の真ん中に合わせてみるかな。
大蝙蝠へ最初の一撃。
パシュ!。
軽い発射音の後に。
ボン。
大蝙蝠への着弾音が小部屋に響いた。
着弾、その様子を片眼で見ていたが、、。
黒い物体が幾つかに弾けて床に落ちて行ったよ。
あぁ~!大蝙蝠も1発だな。
それにしてもバラバラになっちゃったなァ。
えぇ~と、コレは羽かな。コレはゲェ!頭ジャンか。
あとは、、足に、、ダメだ俺にはグロすぎる。
足元の元大蝙蝠の残渣を眺めていると。
ス~と消えて行ってしまう。
あぁ~~!消えていくのかい!。
全てが消えてしまい。
何も残らないかと思ってら。
ポツンと小さな魔石が1つ残ったよ。
はぁ、大蝙蝠も残るのはこれだけなのかい!。
くぅ~最初でこれだと先が思いやられるよ。
はぁもう!小休止だよ!休憩だな。
今度は小部屋の中の床に座り込み、壁に寄り掛かり。
左手の木の棒を壁に寄り掛けて立てておく。
もう我慢の限界だよ!。
「創生」
これこれ!
ピリピリと外装を破いていき。
ミシン目の入った紙箱の一部がパカッと開くと。
俺はやっぱり、、。
タケノコ方が好きなんだなぁ。
チョコと柔らかいクッキーが最高のコンビだよなぁ。
旨いなぁ!。
今度はキノコも、、。
あっ!やべぇ!。
ぐはぁ~~!。
魔力が、、、15も減ってるじゃん!。
タケノコにキノコ。
大好物です。
さて、大蝙蝠は大丈夫そうですが。
強敵のゴブリン相手には、どうなるのかな。
なんだか嫌だなぁ。




