金鉱石
予想外にツイている時は。
調子に乗ったかもしれないけど、、。
fn1910を試してみたら空洞の中が埃だらけになっちゃった。
岩壁が魔法弾の着弾で大きく崩れたんだろうけど。
これじゃあ暫くは、金鉱脈がどんなになってるか分からないなぁ。
それにしてもfn1910の威力「3」は凄いよねぇ。
通路の岩壁に寄り掛かっていたけど。
床にスルッと腰を下ろして、右手に持ってるfn1910を見ていた。
見た目はオモチャの様だけどfn1910、、。
「女神様」の恩恵品だけあって想像を超えてるよ。
3段階の威力調整機能と、装弾数の増加に。
魔力で弾丸の装弾とか。
俺にとって最高の恩恵品だよ。
まあ、元の銃自体も良い物って言われてたけど。
あぁ。こうして手に持つと猶更懐かしいなぁ。
記憶にある、最後の此奴の思い出は、、、。
外装には小傷が出来てて、ネジなんか錆が浮いてた様な?。
でも今のこいつは、、。
ピカピカの新品の出立に戻ってるなぁ。
ふと思い出して、fn1910を握る右手を上にして、、。
あぁ、。
グリップ底のGAS注入口は、、、無くなってるなぁ。
それに、BB弾のマガジン部分も無くなってるかぁ。
fn1910を握る右手を目の前に持って来て。
手首をクルクルと動かして、黒い銃を観察していた。
ニヤケテ、、ついつい、、。
床に座ったまま、右手を通路の出口側に伸ばして。
fn1910を撃つ振りをしてみた。
左目を瞑り、右目で銃口上の小さなサイトを、、。
薄暗い通路の先、、暗闇に向けた。
えへへ~!。
カッコいいよねぇ!。
ソンな事をして楽しんでいたら。
空洞に舞い上がっていた埃も落ち着いて来たよ。
まあ、中に「灯り」を向けると、まだ靄ッとはしてるけど。
さっきよりは大分マシになったな。
そして視線を左奥の金鉱脈の有る岩壁の所に向けると、、。
魔法弾が着弾したらしい所で岩壁が奥に向かって。
幅1m程の、、穴が開いた様に抉れていたよ。
更に、岩壁が穴から上に向かって大きく崩れ落ちていた。
うぁ~!
また、ラビリンスの岩壁が大きく抉れてるじゃん。
3は威力がヤバいって書いてあったけど、、マジだなぁ。
えぇ~と、、、。
それで、、俺の見付けた金鉱石はどうなってるかな?。
また溶けてるかなぁ~。
あぁ~、またここでも、鉱石の仕分けからかぁ~。
石ばっかりで、、重いんだよねぇ~!はぁ。
通路に座り込んでいた体を何とか起こして。
ゆっくりと空洞の中へ入っていき、穴の前へ立つと。
目の前には岩壁と金鉱石が崩れた、大小の岩々。
うへぇ。また!いっぱい崩れたなぁ~。
う~~ん、これはパッと見じゃあ岩ばかりだなぁ。
俺の金鉱石は何処に行ったんだぁ~!。
あぁ~岩の仕分けがぁ~、、、まただ!一杯だよ~。
泣き言を口にしながら、、目の前の岩に向かう。
ただ魔法弾を撃ち込んだだけなので。
金鉱脈も滅茶苦茶に崩れてしまっている。
だからね、結局の所ツルハシの出番になるのよ!。
カツカツ!コンコン!カツ!。
コンコン!。
コレは失敗したなぁ~!。
最初にある程度は金鉱石を掘っておけば良かったんだ!。
あ~俺って何時も、、思慮が足りないよなぁ。
ツイその場の勢いで行動しちゃう!。
ある程度は既にポーチに入れては有るんだけど、、。
目の前に金鉱石が有ると思うとねぇ。
人間って幾らでも欲しいでしょ。俺は欲深じゃ無いけどさ、、。
途中からは。
積み上がっている岩を退けて行くだけになったよ。
大きい岩はツルハシで砕いて、横へどかしていく。
多分だけど、目的の物は一番下の方だろうと思うからさ。
溶けた金鉱石だよ、、、えぇ~と、素の金かな。
くぅ~重いなぁ~!。
よっこいせ~ぇ!、、おらぁ~!。
はぁは~ぁ!きぅ~。
うぅ~変な声まで出たぁ。
もう夢中で岩を退けてるから。
息が上がって苦しい。
それでもメゲズニ小石を横へ投げて行く。
溶けた金が有るかなぁ~?在ると良いなぁ。
あっ!最初に周りを良く見ておけば良かったのかぁ~?。
着弾の衝撃と熱?で溶けて、、飛び散ってたり?。
ソンな事って、、有りそうな気が、、。
俺は、、また失敗してんのか?。
あぁ~もう!。
あとで周りの床も良く見て回ろうか。
崩れた岩をあらまし左右に動かして床が見えてきた。
おっ!やったぁ~!、、1個見っけたァ~。
あとはぁ~~~~。
ん~?、、んん~?。
アッレェ~~~~!、ウソ~~~~!。
何でぇ~~?。もう無いじゃん!。
まさかの1個だけ。
床が見えた所で1個、キラッと輝く金を見つけた。
形は薄く伸びていて、不格好なヒトデの様に見えた
溶けた金は床にペトッと張り付いていて、小石も抱き込んでいた。
手で取ろうとしたけど剝がせなかったよ。
もう!1個だけだし、それも何で床に張り付いてるのさ~、、。
あぁ今回もピッケルは借りて無いんだよなぁ~。
まさかなぁ~!こんな時に要るのかぁ、ふう。
コレは、、ツルハシで周りに岩ごと剥がすかなぁ。
ふぅ~予想外ばっかりだよ。
コッ、コッ、コッ、コッ。
コッ、コッ。
ギキ、コキ。
あっ、、、あぁ~うそ折れちゃったよ、、。
んん~何か残念な感じだなぁ。
まあ。掘ろう、、。
コッ、コッ。
やった!取れたなぁ。
えへへ、、金だ!、、ヤッパリ重いなぁ、金は。
でも、、これ1個だけって無いよねぇ。
うぅ~あとは周りの確認かな。
それと避けておいた金鉱石も良く見て見るかなぁ~。
さっきはパッと見で適当に分けちゃったし。
さて空洞の床を見て回るかな。
頭の上に灯しっぱなしの「灯り」をまたナイフの先に移して。
積み上げた岩の上へ立てておく。
「灯り」の点いた木の棒を手に後ろを向き床を見回す。
木の棒を持った手を左右に振りながらゆっくりと歩き始めると。
すると、、キラッと光を反射する物が床に落ちている。
あぁヤッパリ着弾で吹き飛んでいたのかな?。
どんなかなぁ~。
落ちている物の目の前に行くと。
足元には小石が一つ、金が溶けてへばり付いている。
ピンポン玉程の小石の面積の半分に金が付着しているよ。
さて、これが付着なのか、金の塊なのかで価値が変わるよね。
しゃがんで手の持ってみると、重い!。
石の重さじゃないなぁ。
これは金の塊に石が付いてるって事かな。
もしかしてこんなのが、まだ落ちてるのかな。
又立ち上がって周りの床を見回すと、、。
空洞の床には、幾つもの小石が散乱しているのが分かった。
急いで他のも探さないと、、また消えて無くなっちゃう。
いつの間にか元に戻る、、ラビリンスに良い所だけど。
今は、、まだやめて。
消えないで!。
俺の金が消えちゃうからね。
それからは大急ぎで空洞の中を歩き回って。
アチコチに落ちている小石や岩を見て回ったよ。
その結果は。
金が溶けて石に付いていた物が13個見つかった。
だいたいが拳ほどの小石で一杯付いてるのやら。
ほんのチョビット付いてるのとかで、色々だったよ。
あと、、見逃してたのが着弾地点の穴だ。
魔法弾の着弾時の熱も高かったんだろうからね。
岩壁には、ソコイラ中に溶けた金がペットリと付いていたよ。
うふふ!あそこは金鉱脈だからね。
その溶けた金もツルハシで周りに岩ごと少しずつ剥がしたよ。
この空洞で結構な量の金が掘れたと思う。
はぁ、あらましは回収できたと思うけど、、。
今日は、どれ位の金が掘れたのか。
俺は新人で、15歳、それにまだ数日。
石のラビリンスに好かれてる?。
はぁ、出来過ぎでヤバいかなぁ?。
今日の分でギルドに買取依頼するのは、、、。
麻袋に半分くらいの金鉱石で良いかなぁ?。
それでも多いかなぁ?。
うぅ~、、分かんないなァ。
決めた!半分にしよう。
4つの「宝石」っぽい石は出さない。
それで行こう!、んん~幾らになるかなぁ。
金鉱石かぁ~、、。
今更だけど、、価値が分かんないや。
何が買えるかなぁ~。
明日は休んで、この街で買い物が良いかなぁ!。
そう思うんだけど、ついラビリンスに来ちゃうんだよなぁ。
予想外の一仕事を終わらせて。
空洞の床に腰かけ、色々と考え事をしながら、、。
あぁ~今日も疲れたなぁ。
何か食べたいなぁ。
何が良いかな!。
魔力は少し貯まってるけどなぁ、無駄遣いはしたく無いし。
むぅ~。
よし!思い出した。
あれにしちゃおう!。
「創生」!。
右手の中に、冷たさが伝わって来た。
えへへ!懐かしいなぁ~これ!。
好きだったんだよねぇ。
透明の深いポリ容器に入ったヤツ。
白と紫2色のアイスだよ。
そう!「アイス」にしたんだ、パナッ、、、。
上蓋をピリッっと剥がしてっと。
いつの間にか手には。
これも懐かしいな!。
長い木のスプーンだよね。
紫のグレープ味?だったか、これが一番だったよ。
いただきます!。
!!
旨ぁい!。
疲れた体に、この冷たさと甘さ!。
それに果実の甘酸っぱいソースが最高に合うんだ!
この見た目、、ビジュアルも懐かしいな。
懐かしのアイスを夢中で食べていたら。
サッキ言っていた事が起きた!。
うぉ~。
ビックリした。
今、いきなり目の前の岩が消えたぞ!。
もししかしてコレって!。
座ったまま周りを見渡すと。
魔法銃で崩した壁と大きな穴が何事も無かった様に。
唯の岩壁に戻っているんだよ。
でも、ほとんどの。
金鉱石の鉱脈は消えて無くなったみたい。
正に夢を見ている様な出来事が。
俺の目の前で起きたよ。
こんな事、マジで信じられないなぁ。
ふぅ。
真に、ラビリンスの不思議だね。
さてと休憩も終わりにしてっと。
ラビリンスの出口へ向かいますか。
まだ、帰りも長いんだよねぇ。
あぁ~今何時かなぁ!。
そうだよ明日は、アレだ!。
もし買えたら、、、。
あれだ!時の魔道具の安い奴、、、。
買えたら買おう!。
色々と駄目な想像をしつつ。
ラビリンスの通路を足早に歩いて行く。
勿論。
右肩にはツルハシと麻袋を担いでいるよ。
うぅ~重いなぁ。
ポーチに頼り過ぎない様にしないと。
でも、麻袋の中身は半分も入って無いんだ。
鉱石は重いし、、。
ゴツゴツと背中に当たると痛いからね。
あとで、、、。
金鉱石の量を調整してから。
ギルドの買取に出すよ。
4階、3階、2階と。
順調に上に進んで行けた。
予想よりも早く地下1階へ着いたから。
休憩を兼ねて麻袋へ金鉱石を追加で入れる。
ポーチから麻袋へ。
握り拳ほどの金鉱石を追加した。
まあ5個だけだけど。
それを右手で持ち上げると。
うぅ~!。
これ重くなったなぁ~。
鉱石はお金になるんだけど。
重いなぁ~麻袋。
はぁ~。
麻袋を左肩に担ぎ。
ツルハシは右手で提げていく事にしたよ。
さあ行こう!。
地上への階段を駆け上がると。
体の揺れで麻袋も動く。
背中に鉱石が当たって。
痛ててぇ~!うぅ~。
麻袋が悪いのか!。
俺の着ている貰い物の服。
皮の上着が悪いのか。
あぁ~!もう。
考えると欲しいものだらけだ!。
あれも欲しい!これも欲しい。
最近の俺ってさ。
いつの愚痴ってる気がするよ。
ラビリンスの階段を登り切って地上へ出た。
空を見上げて見ると。
これだと午後の遅い時間位かな。
まだ夕方ではないなぁ。
早くギルドに行って。
買取をしてもらおうっと。
トコトコと町へ歩を進めていると。
初心者のラビリンスの方から。
冒険者のグループが歩いてきた。
向こうの方が歩くのが早そうで。
ヤダなぁ、早く行こう。
ホントにパッと見ただけでも、、。
あの人達の姿は聊か厳つすぎると思うけど。
本人たちは平気なのかな?。
それともアレは良い装備品なのかな?。
う~ん!謎だ!。
厳つい冒険者グループより先に門を抜けて。
ギルドの裏の買取所へ到着出来た!。
朝の時に居た男の人がそのままだよ。
ふ~~ぅ、疲れた!。
麻袋とツルハシを足元の所に下ろして。
鉱石の買取をお願いします!。
それとツルハシの返却もですね。
はいこれ、銅貨2枚です。
おいよぉ~!。
ツルハシは銅貨2枚なぁ~。
確かに銅貨2枚なぁ。
掘ってきた鉱石は。
此処の木の台の上に出してくれれば良いから。
それで!何が掘れたんだい?。
えへへ!
今日は俺。ツイてたみたいで!。
これですよ。
おれは麻袋を逆さまにして。
金鉱石を木の台に出した。
ん?。
おぉ~!。
金鉱石かよ、ヤルじゃねぇ~か!。
確かにツイてたみたいだな。
今から確認するからな。
ちょっと待っててくれ。
は~い。
あそこで座って待ってます。
ああ分かった、後で呼ぶからな!。
待つ事暫し、声が掛かった。
待たせたな。
確認は終わったぞ。
説明するから、こっちに寄ってくれ。
良いか?。
今日の金鉱石の買取金額は銀貨49枚と銅貨17枚だ。
で?金額は良いか?。
え~と、、分からないのでソレで良いです。
ギルド彰に付けて下さい。
おう!。
良いぞギルド彰を此処の上に出してくれ。
よ~し終わりだ。
お前!ツイいてるな!。
金鉱石とはよぉ。
ホントですよ!今日はツイてましたよ。
あっ、、ちょっと聞いて良いです?。
ん?今なら大丈夫だな、待ちが居ないからな。
で?。
えぇ~と時の魔道具って何処で買えますかね?。
買えたら良いなって思ってて。
あ~あれな!それなら道具屋だな。
まぁ何種類か有るから買えるだろうよ。
その道具屋さんは何処にありますか。
はは!お前!。
何にも知らねぇのかよ、、。
あそこを見て見な、、緑の小さな看板が見えるだろう。
あの建物がこの町の道具屋だぞ。
覚え溶けよ、小僧!。
あははっ。
有難う御座いました!。
いやぁ~助かりましたよ、また何か教え下さいいね。
良い事が聞けましたよ。
じゃあ行きますね!また。
おうよ!またな、小僧!。
必要な物を買わないとイケない。
時の魔道具は幾らかな。




