表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/162

ジョーラスさんの質問

 教えは当たるのかな。


痛いし疲れた。


今の時間は定かじゃないけど、取り合えず。

石のラビリンスの通路を出口に向かって歩いて行く。


さっきの爆発で身体中が痛いけど。

肩に担いでいる麻袋は、一杯の鉱石で重いよ。

まあまあの収穫も有って、進む足取りは軽いかな。


 コレだけ掘り出せば、良いお金になるだろう楽しみだな。

 それにジョーラスさん何て言うかな。

 にしても、、ぐぅ、重いよ~。

 遠いなぁ~。

 俺、意識してなかったけど入口から結構歩いてたんだなぁ。

 ふぅ~、、まだ出口、、見えないなぁ~。

 こんなの嘘だよ~!。


泣き事を言いながら出口を目指して歩いてるけど。

あっれぇ~~?マジで遠いんですけど、出口?。

そんなに時間を掛けて歩いて無かったと思うけどなぁ。


 なんだかヤダなぁ~。

 ホントに自分の足音しかしない通路だなぁ。

 真っすぐだから、、誰かいれば分かると思うんだけど、、。

 何で、だ~れも居ないのかな~?。


何だか気が急いて、、。

さらに足早に通路を出口に向かって進むと、、。

コツコツコツ、、カツコツ、、コツコツ。

ハァハァハァハァ、ハァハァ、ハァ~。

自分の足音と、荒い息遣いの音だけが聞こえる。

ハァ~ハァ!。

早く帰りたくて急ぐと余計に体力がキツクなる。

そして、、。

息が上がって、立ち止まった。


 これ無理だよ。

 駄目だ休憩しよう、胸が苦しいや!。

 ハァハァ。ハァ~。

 麻袋に鉱石を詰めすぎたかなぁ、コレが重くて、、。

 くぅ~!この!この!。


ガシャ!と音を立てて、足元に下ろした麻袋。

軽くつま先で蹴ってみる。

担いだ肩も。袋を握り締めていた手も。

痺れるし、ズキズキと痛いよ。

 

 ふぅ~~!ふぅ~。

 水!、水!。あ~ぅ。もう手で良いや「清水」。

 「清水」、、、くうぅ~生き返る。


何とか。

1回目の「清水」で汚れてる手を奇麗にして。

2回目の「清水」で、冷えた水をゴクゴクと飲んで。

乾いた喉を潤したよ。


そして岩壁を背に、腰を御下ろした。

 

 おかしいなぁ~。

 もう、、出口に付くと思うんだけど、、。

 何でコンナに遠く感じるんだろう。

 途中の部屋も行きと変わらなかったし、、。

 ふぅ「創生」、、。


つい、、魔法を使ってしまう。

手の中にペットボトルの黒い炭酸飲料が現れた。


 へへへ~ぇ!、、我慢できない!。

 魔力は、、、7減ったのか、、コレは何時の値段だ?。

 70円当たりの値段、、記憶にないけど。

 でも、良かったシッカリと冷えてるよ。


キャップを捻ると、プッシュ~っと炭酸の抜ける音がした。

あの独特の甘い香りも一気に広がるよ。


 今なら若いから、、一気飲みが出来るかな、、、。

 イヤ止めよう、コレが勿体無いモンね!うひひぃ~!。

 数年ぶりに炭酸を飲むぞ~!。


顔を上に向け煽るように飲むと。

甘くて冷えた液体が口一杯に広がり。

炭酸の刺激が、舌に、口内に、鼻にも。

シュワシュワ!パシピシと 優しく弾ける。

そして、、ゴクゴクと飲める!。


 ぐあぁ~~~~~~~!旨すぎる!。

 、、。

 、、、、、ぐぅげぇ~~~!。


 あはぁ~、、炭酸のゲップ何て、、。

 あ~幸せだ!。


あっと言う間だった。

最後まで炭酸の刺激を味わって飲み干した。

空のペットはポーチに仕舞っておこう。

何かの役に立つかもだし。


暫く休んでから、また立ち上がって出口を目指すよ。

帰りの通路の先には、まだ外の光は見えないよ。


 何度も思うけどさ。

 それにしても出口が遠いんだけどな~。


 あと少しのはずだから、、頑張るか!。

 でも、麻袋が重いなぁ~。

 コレをポーチに入れるのはなぁ~。

 もしも帰りの途中ででも。

 他の冒険者に出会った時に不味いしなぁ~。

 手ぶらだったのに、急に荷物が現れたら、、。

 それは、、ダメだよね~。


歩き出しても、考え事が尽きない。

銀って幾らになるかなぁ!、へへぇ~!。

お金♪!お金♪!お金♪!。

まあ、現金な妄想が大半なんだけど。

急げ!急げ!外へぇ♪!。


救いのない妄想をしていたら、視線の先に明かりが。


 おっ!外の灯りかな。

 やったね!待っててねジョーラスさん。

 鉄じゃないのを持って行くよ。

 お金♪!お金♪!。


ついにラビリンスの出口に到着した。

外に出てみると辺りは思いの外に静かだった。

町への道には、冒険者は誰も居なかったよ。

ふと空を見上げると太陽は、これはまだ昼前の位置かな。

俺は、午前中に早々と帰って来たのかもしれないな。

コレは中途半端な時間で人が居ないのかな。


さあ、ギルドの裏の買取所へ行って鉱石を、、、お金に!。

、、ヤバいよついニヤケテしまう。

肩に担ぐ麻袋の重みは、、お金の重み!。

お金に代わる場所が近いから幸せの重みかな。

俺の、、今日は良い日になるでしょう。


足取り軽く、道を進み町の中へ入っていく。

テクテクと歩きギルドの裏の買取所に向かうよ。

すると、、ヤッパリ居るねジョーラスさん。


 お~い!ジョーラスさ~ん。

 ただいまです。

 もう帰って来ちゃいましたよ。

 言われた通りで2階では銀鉱石が沢山掘れましたよ!。

 ホラホラ!これを見てくださいよ。

 これこれ!。


背中の麻袋を揺らして見せたよ。

あっ、、痛てて!。

袋の中の鉱石が背中に擦れてしまった。


 痛てて!。

 あ~!こんなツモリジャ無かったのに~。

 銀鉱石に虐められたよ、失敗したなぁ。

 あ~背中が傷になったも~痛い。

 俺ってバカだなぁ~。


   シン!。

   なにを1人でバカやってんだよ!。

   お前って!、、。

   ヤッパリ何処かが、、ぬけ、、それ可笑しいだろ!。

   大丈夫かよ!お前の相手は、、。

   これからしばらく、、俺がするのか?。

   うぅ~何故か嫌な予感しかしねぇ!。


   お前の「・・・」に中味が入ってるんだか~怪しいな~。

   あ~これは、、確率的に空っぽだな!。

   うん、間違いないな。


 何て事を言うんですか!。

 失礼だなぁ~。もう~ぉ!。

 ちゃんと入ってますからね!。

 この中には一杯詰まってるんでですから!。

 良い大人がソンな短慮じゃ駄目ですよ。

 俺をあんまりバカにシナイで下さいよね!。


 それと今日のツルハシ代は幾らですか。


   おう!銅貨2枚だな。

 

 はいこれ銅貨2枚ですよ。


   イヤイヤ!怪しいなぁ~。

   コレからは、お前を様をジックリ見ていくからな。

   人間なんてな、普段の言動ですぐ分かるんだぞ。

   くくくっ。もう粗方知れてるがな。


   でぇ~?、、何だって仕事か?。

   あぁ~!地下2階で銀鉱石は掘れたのかよ?。


俺は何だか、カチンと来たけど。

昨日と同じ木の台に、ドスンと音を立てて麻袋を下ろした。


 ホラこれですよ!。

 ジョーラスさん見てくださいよ、俺の今日の仕事ぶりを!。

 この膨らんだ麻袋、中に入ってますからね!。

 ほら!。


   なんだよ!。

   おいおい!、えらく強気に来るじゃね~かよ。

   言ったなぁ~シン!、どれどれ、見てやろ~じゃね~か。

   それだけ言って、鉄混じりとかじゃね~だろうな?。

   昨日も言ったが屑鉱石は要らねぇぞ!。

   おら!ここへ出してみろよ!。


上から言われて。

木の台の上へ鉱石を袋から出していく。

また袋を逆さまにして引き上げていくよ。

ゴロゴロと転がりながら多くの銀鉱石が。

麻袋から台の上へ出てくるよ。

最後にゴトリと音を立てて銀の塊も数個落ちたよ


 ホラどうですか、これ銀鉱石でしょ!。

 シッカリと、じっくりと見てくださいよね。


 それにですよ。

 今日も見つけたんですよ、これ!これ!。

 ほら金属が溶けてるけど、これは銀ですよね?。


ジョーラスさんが真剣な目で台の上を見ているよ。

ふふふ、、驚いたか!。

俺の実力に!。


   今日も言うだけの事は在る様だな。

   屑石は、、無いか。

   お前の言う通り、この鉱石は確かに、、銀鉱石だな。

   それでだ!、、。

   コレはどうしたんだ!また落ちてたのか?。


溶けた素の銀を手に持って俺に聞いてきた。


   確かに鉱石が溶けてるな、見た目は素の銀だな。

   また落ちてたのかよ?んんん~。

   コレは何処に落ちてたんだ?。


ありゃ、、コレはヤバいかな。


 えぇ~と。

 その溶けてるヤツですね、ええまた落ちてましたよ。

 通路の横の穴の先で見付けた小部屋で、ですね。

 小部屋の岩壁に穴が開いてて、その周りに鉱石と一緒に。

 パラパラと床に落ちて、幾つも有りましたけど。


   そうかよ、、、。

   岩壁に穴がなぁ~。

   ほぉ~~!なるほどなぁ。

   まあ、それでも良いかなぁ、、、。


   で?、、この鉱石類は一纏めで、全部を買取で良いのか?。

   シン!今日はどうするんだ?。


やったね、お金だよ!幾らになるかあぁ。

 

 えぇ~と。

 一応、鉱石の買取の金額を聞いてから考えます。

 それでも良いですか、ジョーラスさん?。

 今の宿の支払いとか、買い物とかに要りますからね。

 だから幾らか現金も手元にないと困るので。


   ほぉ~~。

   そうかよ、、。

   此処の町中でなぁ~。

   ふふ、、シンょ~お。

   くくっ、、何言ってんだよ?。

   そんな事はなぁ、ギルド彰の中の金で払えるだろうが。

   おいおい!、、。

   お前!、、、、もしかして、、、しら、、。


 いやだなぁ~。ほら!現金も持ってないと。


ぐぅ!ジョーラスさんの、俺を見る目付きが、、、。

あぁ~~!イヤに目元と口元が歪んで、、。

急げ急げ!強く言わないと駄目だ。

後々まで言われる事案になる事、間違いなしだ。


 いや!違いますよ!。

 手元にお金がないと寂しいじゃないですか。

 ジョーラスさん!変な考えは辞めてくださいよね。

 さっきも、あんな失礼な事を言ったでしょ。

 知ってますからね俺だって、それ位はね。

 便利に使ってますよギルド彰。


   プッ!、、。

   ソレはそうだよなぁ~。

   まあ、普通はそんなもん知ってるはなぁ。

   じゃあ。

   今、査定してくるからな、しばらく待っとけや。


俺を斜めに見ているよ、あれは駄目な人の目だ!。

意外とジョーラスさんは良い人では無さそうだな!。

はぁ~。

また座って待って居よう。


ぼ~っと座って、人通りを見ていたら、声を掛けられた。


   おい!終わったぞ、コッチニ来いよ。

   シィ~ン!来いよ。


急いでジョーラスさんの所に駆けて行くよ。


 はぁ~い!。

 えへへ!。銀鉱石は幾らになりました?。

 楽しみだなぁ~、新しいズボンとか、買えるかなぁ~。


何を買おうかなぁ。俺には色々足りないからなぁ~。

靴も履き変えたいよなぁ。


   先ず今日の買取金額の合計は。

   銀鉱石が銀貨1枚と銅貨が58枚だ。

   それとは別に溶けてた素の銀素材の方が。

   銀貨11枚と銅貨が32枚だ。


   両方を合わせて。

   銀貨12枚と銅貨が90枚が買取金額だな。


 えっ!銀貨12枚ですか?。銅貨90枚?。


俺は見た事も無い金額を告げられてビックリしたよ。

  

 凄い!あれがそんなに高いんですか?。

 え~と、、鉱石ですよね?。


   言っただろうが!。

   溶けて製錬されてるから手間が掛からんのだ!。

   それに量も多かっただろう!。

   あれにはな!十分にそれだけに価値が有るんだよ。

   良いかシン、あれは銀だぞ、銀貨の元だ!。

   俺達が素の銀をなチョイチョイと炉で溶かして。

   混ぜ物をして、少し硬くするんだよ、そいつを、、。

   鋳型に流せば、新品の銀貨の出来上がりだ。

   あれは直ぐに、良い銀貨になるんだよ。


 あぁ~~。

 ウソだぁ~~!直ぐにお金になるなんて!。


   俺達ドワーフは国から色んな仕事を受けているんだぞ。

   その中にキッチリとした貨幣の製造もしてる。

   寸分の狂いも無い硬貨だ。

   お前の持ってる硬貨の類も俺達ドワーフの作品だぞ。

 

言われて。

お財布の中から銅の硬貨を2枚、掌に出して並べる。

確かに、、見事に同じだよ。


   昨日の、お前が掘った銅鉱石も何時か。

   巡り巡って硬貨になるかもしれんぞ。

   がっはは~!


う~ん、、ジョーラスさんが言ってもなぁ。

イマイチ重みって言うか、、。


   シン。なんだ!その目は!。

   俺だって自分の鍛冶場で仕事をしてるぞ!。

   今は、頼まれてな、臨時で此処に居るだけだぞ。

   

ホントかなぁ~?。

何だろうか、この緊張感の無さ。

 

   まだ疑いやがるのか!。

   お前は今度な。俺の工房にコイや!顔を出せよ。

   良いな来いよ、お前に俺の作品を見せてやるから。


   お前の、その腰のナイフと比べて見ろ。

   驚け!出来が違うからな。


おっ、ダンケロさんのナイフの出番だな。

楽しみだよね。


 はいはい!。

 解りましたから、はいこれ。

 俺のギルド彰ですから。

 今日の分のお金は、これに付けて下さいね。


  

   お前!くぅ~~。

   チッ、、、おらギルド彰を寄こせよ。

   、、、。

   ほらよ付けたぞ、お終いだ。

 

地団太じゃないけどカリカリしてるよ。


 俺は明日も石のラビリンスに潜りますから。

 それで、地下3階って如何行けば良いですかね。

 

   それを、、今の俺に聞くのかよ、、。

   はぁ。若い奴らは面の皮が厚すぎるぜ、、ふぅ。


   3階かよ?。

   ここのラビリンスは真ん中の通路を行くのが最短だ。

   2階、3階、4階、5階、、。

   各階で、わき道に逸れず直進しろ!直進だ!。

   そう。真っすぐ進めば目の前に階段が現れて下へ行けるさ。


へぇ~!真っすぐが正解なんだ。

良い事が聞けたな、やっぱり良い人かなジョーラスさんは。


 そうなんですね。

 また教えてもらって助かります。

 ここへ良い石を掘って持って来ますからね。

 じゃあ俺は行きます。

 また明日。


愛想よく言いジョーラスさんと別れた。

さて明日から一気に下を目指そうか。

何処まで行けるかな。



 真っすぐ地下に伸びるラビリンス。


 お金が稼げてるから良いね、、シン。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ