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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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それは何の鉱石


 いよいよラビリンスの中へ。

 まぁシンだから。



さあ。いざラビリンスへ!。



ドワーフは相変わらずの感性の持ち主だ。

ギルドの裏で穴掘り道具を借りて裏の門へ向かう?。



 よーし!行くか。

 なにがぁ~でるかな~ぁ!良い石でろぉ~!。


思わずルンルンで適当な歌が、つい出ちゃう。

程近い裏門を出ると、おお!すぐ近くに岩山が見える。

マジで唐突に岩山が有るんですが!。


うっ!、町の外は風が吹いてるよ、寒い。

こっちも相変わらずだな。


ラビリンスの岩山はアレだよね!ホントに町の直ぐ裏じゃん。

でも、そこへ行く道には、多くの冒険者も歩いて行ってる。


うげ!いっぱい居るなぁ!ラビリンスの中も混んでるかなぁ。

まあ中に入れば多少は違うかもしれないし、、。

取り合えず行かないとなぁ、お金お金!。


でも近いなあ、これは移動が凄く楽じゃないか!。


そして歩いて直ぐに、岩山の穴の目の前まで来ちゃったよ。

入口の所はトンネルみたいに加工されててラビリンス感が無い?。

何だろう石でアーチが掛かってるもの。

ははぁ~!ラビリンスのイメージと違うかも。


冒険者の人達が、1人、2人、グループと。

色々の人数の組み合わせで入ってく。

よし!俺も続いて初ラビリンスへ出発だ!。


ぞろぞろとラビリンスへ入っていく人の波に乗っていくと。

進むトンネルは意外と横も高さも十分で。

対面通行道路並みの規模じゃない?。

灯りの魔法が天井付近に連なって朋されているから意外と明るいよ。

ソンなトンネルを真っすぐに100mほど進んだら広い部屋に付いた。

此処は何と言うか、、天井の低い地下ドーム?と言うのかな?。

50m四方くらい有るんじゃないか、それにここも明るい。

前の方の壁には幾つかの、新たなトンネルが有るみたい。

そして多くの冒険者の人達は、周りを見て地下ドームの。

空いてる所のトンネルに分かれて進んで行く様だ。

俺は少し横に避けて皆の様子を見ていた。


 あれ?ここでラビリンスは枝分かれしてるのか?。

 みんなバラバラに行っちゃったよ。

 ん~、真ん中に行く人が多いかな?。

 んで、多いのは左から順次って感じかな。

 右の方が人が少ない感じかな?うん!俺は右からだな。


 1,2,3,4,5。穴が5個も空いてるなぁ。

 まあ今日は初めてだから、、お試しだ。

 さてと右端の穴から挑戦しますか、ん~中は薄暗い?。


そして俺も冒険者の人達に習って、右端の穴に入っていくよ。

枝分かれしたトンネルは横150cm高さ250cmくらいだった。

そして薄暗くなって、足元が見えずらくなってきたよ。

その足元の状態はと言うと。

多少の凸凹は有るものの普通に歩けるよ。

躓く様な事は無さそうだ。


 うほほほ!これがラビリンス!迷宮ですか!。

 

何だか気分が高揚して進む足取りが早くなる。

最初の内は気分良かったけど、、。

 

薄暗いトンネルを歩いて5分もすると。

なんと言うか!いつの間にか一人だからか、切迫感が半端ないじゃん。

この感じは、恐怖より何かの視えないプレッシャーを感じるよね。

それに他の冒険者の存在感が凄く薄くない?。

そんなに離れずに入ったのに不思議だよ、、なんだこれ!。

いつの間にか前の方の人が見えないから。

1本道を真っすぐに歩いて来てるだけなのにさ。

それにさ脇道が無いんだけど?何でだろう。

さらに30分程進んだだろうか。

ソレでもトンネルに変化がない。


 うぅ~~!。

 なんだろうか、、、何も無いんですけど。

 んん~、前にも人影無し。後ろにも人の気配なし、、。

 これ、ただの通路が続いてるだけって事無いよね。

 まさかだけど、、この壁とか通路を何処でも自由に掘れって事?。

 ヤバい!、もっと此処の事を誰かに聞いてくるんだったよ。


参ったよ!勢いだけじゃ駄目だったポイなぁ。

とにかくだ。


 んんん~。

 悩んでても仕方ない、、、。

 ここいらの壁を適当に一丁掘ってみますか。

 

肩に担いだツルハシを床に下ろし、ポーチから皮の手袋を出して。

シッカリと両手にはめた。


 ふぅ、ダンケロさんトコのと同じ手袋を買っておいて良かった。

 さて、右側を掘るか左側を掘るかどっちにしよう。


右も左も同じ唯のゴツゴツとした岩壁だからなぁ。

あっ、アレかな、ポーチから何時かの木の棒を出して立てて。

木の棒の先端を右手の人差し指で支え、スゥっとソレを離すと。

俺のお願い通り方向を示してくれたよ。


斜め前の、、、右側だ。

良し、右に向かって掘ってみよう。


 でも、この岩の壁って、俺でも掘り進めるのかな。

 崩れたりしないよねぇ、、岩壁でしょ?。

 素人の俺じゃあ、普通は硬くて大変だと思うんだけどな。

 手触りも硬い岩っぽいし!。

 でもみんな掘ってるんだよねぇ。 

 ここのラビリンスの岩壁を。

 

 まあ悩んでも仕方が無いか、やるしか無いんだから。

 さて、そうなると、どの辺りにするかな。


いざ掘るとなると。

うーんロイスさんの事を思い出すよ。


  何でだか「出ねえんだわ!」。


あははぁ~ぅ。


 俺は違うよ!此処から掘り出すからね!。


独り言を呟いて、気持ちを切り替える。

さてとツルハシを持って右の壁に向き合う。

軽く振り上げて斜め下へ。


 せぇ~のぉ~!よいしょ~ぉ!。


ガシュ!。


ソンな意外な音を響かせ岩か崩れた!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


 ふぇ~?。

 なんだ、なんでだ!。

 手応えが岩の感じと、違うじゃん!。

 ツルハシが一気に深く刺さって、スゲー崩れたんだけど。

 岩でしょ、ガキーンとか来るかと思ったけど。

 意味不明だ~!謎だ!。

 柔らかいよね、これ。



クイッと刺さったツルハシの柄を引き上げると。

テコの原理で、刺さった下側の岩が大きく崩れてくる。

上側も少し崩れて来たから、1回で予想以上の掘り込みだ!。

これだと、あんまり力を入れなくても掘れるの?。

自分が削った壁に驚いたけど、もっと掘らないとイケない。

気を取り直しもう一度ツルハシを壁に振るった。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


思いの外軽く、同じ柔らか目の手応えだ。

へぇ~こんななんだね、だから普通と違うラビリンスなんだ。

石のラビリンス!面白そうだ。

よし!掘っていこう!良い石を探そう。


 へへへ!。

 何だか楽しくなりそうだ。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。




夢中でツルハシで壁の岩を掘っていくと。

ラビリンスの壁を奥へ1mほど掘り進んだだろうか?。

足元にガサガサと岩や砂利が邪魔になってくる。

割と大きな岩の塊も有るからね。

やり難いなぁ、ソンな事を考えて後ろを振り返ると、、。

最初の方の、そう通路側のだ。

通路の壁を掘った、後ろの岩の残渣が消えていった。

霞んでモヤモヤっとしてスーッと消えた。

幅が1m程、俺の掘った足元が通路と同じ床になった

狭い通路が出来たよ。


 ウソだ!ウソだろ。

 そこに有ったじゃん、どこ行ったんだよ。

 岩が消えたぞ!。


思わぬ出来事に驚きすぎて、その場に座り込んでしまった。

不思議のラビリンスって言うけどさぁ、はぁ~。

ふぅ、目の前で消えるなんて、、参ったね。


凹んで座り込んだから、少し周りが見えるようになったよ。

自分で掘り進めた部分の岩を見ようと思ったけど。

通路から少しでも離れると途端に暗くなる様で、良く見えない。


 う~暗くなってる、これは「灯りの魔法」かな。

 何処に灯すのが良いかなぁ~。


悩んでミタ物の良い場所が思いつかない。

しょうがないので頭上に1つと右の壁に1つにした。


俺の灯りは、、LEDの昼白色のイメージなので。

点けた瞬間に目が眩んだ。


 光源が近くすぎたぁ~、うぎゃぁ眩しすぎ!。

 ううっ、これは明るすぎるかな。

 もう少し抑えて少し暗くしよう。


ふう、見えるようになったよ。

何でも過ぎたるは毒になるもんだ。


 灯りの力を弱めても十分に明るくて岩に壁が良く見える。

 んん~ここはまだ、ただの岩かな流石になぁ。

 1階は鉄と銅と何だっけダンケロさん何て言ってたっけか?。

 輝石が出るんだっけかな?。

 出たらソイツモ持って来いって言ってたな。

 炉にに入れて金属と混ぜるんだとか、、謎だ。


俺は、まあお金になるんならナンで良いんだけどさ。

ただ鉱石類は重いのが難点だよ。

まあ俺は上手く誤魔化してポーチに入れて持って行くけどさ。

魔法袋は種類が有るって言ってたから。

周りに状況を見て気を付けて行かないとだ。


ふぅ~、それとさっきの。

あんな風になるのは此処の、迷宮の仕様なんだ!。

そう思う事に決めた。


 さてと、穴掘りを再開しないとね。

 

ツルハシを杖代わりに立ち上がる。


 せぇ~の!。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


夢中で掘り進む。

ラビリンスの中に岩は何でか柔らかい。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


意外に掘り進み。3m、4mと掘ってイケる。

でも、、ぐぅ~!っとお腹が鳴った。

ほぇ!。


時間を計れないので今何時か分からないよ。

でも体はある程度でアピールしてくるよね。


 お腹が鳴った、あぁ確かに腹が減ったな。

 御昼にして、何か食べようかな。


 アッ、、いけねぇ!。

 忘れてたな、御昼に食べる物を買うんだったじゃん。

 朝の道中、ラビリンスに来る事に夢中で忘れたな。

 ポーチには、確かまだパンが1個入ってるよね。

 後は水を飲む木の容器だな。

 

今掘ったばかりの岩を均して麻袋を敷く。

自分に「清浄」の魔法を掛ける。

それに「清水」の魔法で手と顔も洗うよ。


 ふぅ!サッパリした。座って食べようっと。

 あぁ~これが最後のパンかぁ~。

 この町でも何か美味しい物を探さないちなぁ。

 

ソンな事を考えながら最後のパンに食い付く。


 ウマぁ~ぃ。

 チーズが旨ーい。

 もっと買って来れば良かったなぁ~。

 何で買わなかったんだろう、俺?。

 、、。


パンをモグモグ食べながら周りの岩を観察する。

頭上に灯りを1つ灯すと、途端に眩しくなる。

だから明るすぎだっての!。

目を瞑り頭を振って顔を背ける。

 

 あ~目がチカチカする。

 少し弱くなれ!。


明るさが落ち着いた、これ位がちょうど良いよ。

辺りが見やすくなったな、あの入り口まで、通路まで5m位かな。

壁は変わりないかな、、?。

奥の壁を見直していく、、。

右の壁は、、分かんないけど唯の岩かな。

左の壁は、、うん?、岩壁に赤みの筋が見える?。

正面にも赤黒い筋が1本、左から正面に向けて伸びてる。

はぁ?。

足元に落ちてる小石を見つめると。

赤い岩と黒い岩が混じって落ちてるね。

確か赤っぽいのって、鉄の鉱石の仲間だって見た気がする。

鉄かぁ~確か酸化鉄かぁ、ありゃ黒いのも有るけど何だっけ。

黒い岩にキラッと金属光沢が光に反射した。

おおっ!金属光沢じゃん。


 何か出たかも。

 でもコレはあんまり価値は無いかな。

 鉄かぁ~これ幾らになるんだろう。


昼休憩の一休みで、鉄鉱石が出てたのかもしれないね。

それの確認ができたけど。

鉄だ~~!。

鉄か~~!。

現物を目の前に考えがグルグルして。

これを持って帰るの?って思考が迷走したよ。


赤と黒の鉱石らしき物を手に持ってみた。

心持重いような、、。

なんかさ、良い物の様な、、駄物の様な、、。

はぁ~分かんねぇよ。


 一応此処をもっと掘り進んでみてから考えようかな。

 でも、目の前の鉱石も少しだけ麻袋に詰め込んでおくかな。

 

昼休憩もソコソコに鉱石拾いを始めた。

やっぱり明るいと見分けが付けやすいな。

麻袋に半分ほどの鉱石らしき物を詰め込んだ。

今は邪魔だからポーチに入れとくかな。



 さてと、また岩掘りを始めようか。

 正面のこの赤黒い筋は何なんだろうかなあ。

 やっぱり鉄なのかなぁ。

 分からない物はしょうが無いか?。

 それじゃァ。


 せぇーのぉ!。

 良い物出て来い!俺の前に出て来い。


ツルハシを軽く振り下ろして岩を砕いてゆく。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


暫らく掘り進むも、相変わらず目の前の岩に赤黒い筋が1本。

右上から左下へ斜めに10㎝幅で続いている。


 何も変わらないなァ。

 まあそんな簡単には出ないよね、、良い物なんて。

 それぇ~!。

 

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。 

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。

ガシュ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。


ボコ!。

ゴン、ゴン、ゴロ。



んん~?。


おぅ!手ごたえがなんか違った。

するっと抜けて感じがしたよ。

岩に刺さったツルハシの柄を抉ると。

目の前の、壁の岩がゴロっと崩れて、穴が開いた。


 おぅ!穴じゃんか。これは俺ヤッタンジャない。

 あともう少しこの穴を広げてっと!。

 何かでろよなぁ~。


ツルハシを使ってユックリと慎重に穴を広げていった。

穴の先も薄暗くて灯りが無いと良く見えない場所だった。

人が入れる程広げた穴の先1m程の場所に「灯り」の魔法を使い。

中が明るく見えるようにすると。

そこに見えたのは部屋かな?。


体を半分入れて観察すると、意外と広い空間だった。

あっれぇ~!何も無いとか止めてょ~!。

床は思いの外、平坦で通路と同じかな、壁は同じ岩だ。

広い空間の向こうにも同じ赤黒い筋が1本見える。


 もしかして、、何にも無い空間なの?。

 俺の御宝とかは、ラビリンス産の宝箱とか?。

 宝箱とか?。

 無いの?。


俺の掘ってきた穴と空間の床はこっちが少し高いだけ。

俺は「灯り」で全体が見える空間に1歩踏み込んだ。

コツリと俺の足音が響く。

そして全体を見渡しても、何にも無い空間が広がってるだけ。

右にも、左にも、何も無い。


 マジで何も無いの?。 


「灯り」が照らす空間、俺はその場に座り込んだ。


 

 



 



 







 鉄鉱石か、さて何でしょう。


 何もない空間にはガッカリだろう。


 それでもし鉄鉱石だったら幾らなんだろう。

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