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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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75/162

14歳の年末、あと2日

  野芋堀、野芋その味は。

  14歳もあと少し。

  15歳、、。

  

  

  


修道院の大掃除の日。

そんな中、朝からの訪問者。


野芋の話を聞き付けた、ロイスさんだったよ。

パーティーの仲間からの注文で。

野芋の調達に来たんだってさ。


そして。

ロイスさんと。

野芋と交換と言う約束で。

ラビリンスの宝箱から出た。

皮の上着を貰った。

勿論!。

アルロの分も含めてね。



その話を昼の食事の後に相談したんだ。

食堂の椅子に座りながら。


 アルロ御免ね。

 ロイスさんの事。

 芋の事も上着の事も。

 あれ見たら興奮しちゃって。

 相談しないで承諾しちゃった。

 

  いや!。

  良い話だから。

  良いよ、僕にも問題ないよ。

  だって皮の上着を貰えたんだから。

  あれってさぁ。

  ラビリンスの宝箱のでしょ凄いよ。

  あの野芋と交換だなんて、良いのかなぁ。

  しんぱいだなぁ~。


それは俺も思ってることだよ。

ホントに価値が釣り合ってるのかな?。


  ちょっと信じられない位だからね。

  う~んロイスさん、、。

  芋で良いのかな?。


 それだけど、クロイアさんがね。

 野芋が大好きで、食べたいんだってさ!。

 んふ!人気だよね。


  あぁ~~!。

  それかぁ~。

  また、女の人なんだ。


それ、ホントだよね、野芋。


 だから、明日はこの前よりもね。

 大目に野芋を掘ってこないとだよ!。

 帰りが凄く重いけど頑張ろうょ。


  あぁ。

  そうだね、此処の修道院の分もだし。

  確かに大仕事になったね。

  でもさ、嫌な重さじゃないから良いよ。

  皆が楽しみにして待ってるんでしょ。

  やり甲斐がでるよ、僕はさ。


  シン!。

  明日、イッパイ野芋を掘ってこよう!。

  外は寒いから、天気が良いと良いけど、、。



おお!良かった。

アルロも了承してくれたし。

ヤル気も凄い。


 あ~、天気か~。

 確かに、最近は晴れてるから良いけど。

 雨や雪は止めて欲しいよね。

 仕事に成らなくナッチャウもんね!。


  うん。

  まだ、雪は辞めて欲しいよ。  



今は冬だもんね、天気は大事な要因だね。


 勿論だよ。

 明日も晴れるさ、大丈夫だよ。

 それにだよ。

 俺、明日は負けないからね!。

 アルロを超えるから!。


  はは!。

  何言ってんのさ。

  大事な仕事だから、シン。

  遊びじゃないよ、芋堀競争じゃないからね。


いや!俺はアルロに勝つ!。

明日は、きっと勝つ!。


そんな楽しい話を終わらせて。

また各々の掃除場所に向かい仕事だ。

こっちに、午後からは2人の女子。

レーリエとサリタも礼拝堂の掃除に来たよ。


あっ、そうだった。

サリタも「清浄」の魔法が使えたんだ。

でも、その効果はイマイチなんだよ。

俺の様にはさ、奇麗にならなくて。

それで魔法を掛ける本人も悩んでるんだ。


それでね今までも。

何回か魔法を掛ける時の。

自分の意識の説明したけどね。

「清浄」の魔法が上手く行ってるのか。

聞いてみるかな。


今は、女の子組2人は壇上で掃除だよ。

「女神様」の祭壇を掃除してるね。

それで、俺は段下の長椅子の方から。

サリタに声を掛けた。


 ねえサリタ。

 今、チョット良いかな?。

 「生活魔法」の事だけど。

 最近の「清浄」の魔法の効果は良くなった?。

 ねえ。


気が付いて振り向いた彼女の顔は、、。

微妙な笑顔だな。

あはぁ、ヒキツッテル?。


  ん~~。

  私の「清浄」ね。

  シンやアルロみたいには。

  奇麗には出来ていないのよね。

  何て言うか、、イマイチ?。


  今も、あまり上手くは行かないのよ。

  でもねぇ~。

  奇麗には、、なるのよ!。

  ホントなのよ!。

  ねぇ、レーリエ!。


あぁ~。

奇麗になるって難しいかなぁ。

俺は、なんとなく出来てるしなあ。

そうか~。


 あぁ~。

 奇麗って、単純に言うけど。

 言葉と違って、、現実にって。

 確かに、奇麗にって、難しいかもね。

 ん~。

  

 頭で思う事、想像だしてだからね。

 うぅ~。 

 んん~。


 例えばだけど。

 俺は、、。

 奇麗って言うとさぁ。


 「天高く澄んだ青空」とか。

 「何処までも透明な泉の清水」。

 「遥か遠くまで見渡せる風景」。

 「真っ白」


 難しけどこんな感じの事かな。

 何も邪魔者の無い事とか?。

 対象の元の姿、有りの侭をさ。

 そんな事を考えてさ。

 

 「清浄」の魔法を掛けて行けば?。

 俺にも難しくて、、。

 上手く言えないけど。

 まあ。

 色々と考えながら、魔法を使ってみてよ。

 言うの難しいなぁ。

 あぁ~。


俺は自分で言ってて頭が痛くなった。

汚れを無くすこと。

奇麗、、これ難しいよ。


  うん!。

  シン有難うね。

  「清浄」の魔法って。

  私達女の子には。

  最高で素敵な物なのよ。

  凄く便利で、凄く有難いから。

  私には難しいけど、上達したいから。

  これから、もっと色々使ってみるから。

  魔法を上手く出来る様に、挑戦するわよ。

  

ん?サリタが、、、横を向いた?。


  よ~し、行くよレーリエ!。

  「清浄」!「清浄」!。


あっ、隣で話を聞いていた。

レーリエに行き成り「清浄」を掛けてるよ。

それも2連発?。


   えぇ!。

   エㇸへ~。

   やった~!サリ~、、ありがと~。

   ホントに奇麗になるって良いよね~。

   サリ~!サリ~!好き!。


女の子が2人、

修道院の礼拝堂の壇上で。

「女神様」の身姿の前で抱き合ってる。

ソンな賑やかな姿を。

見下ろす「女神様」の顔は、、。

微笑んで見えるよね。

まあ「女神様」は。

何時も、優し気に微笑んでるけどさ。


さてさて。

そんな話の後も。

3人で、礼拝堂の掃除を進めた。

何か所かの、頭上の灯りの魔法も掛け直してと。

うん、よし明るく奇麗になった。

もう午後の遅い時間だ。

掃除は、これで終わりかな。


 レーリエ、サリタ。

 此処の掃除だけど。

 もう終わりで良いんじゃない?。

 礼拝堂、奇麗になったよね!。


  うん、シン良いと思うわよ。

  奇麗になったし、明るくなったもの。

  凄く明るいわ。

  あぅ、「女神様」にも私の「清浄」をしなくちゃ。

  えぃ、、「清浄」。

  うふ、私の「女神様」が更に奇麗に見えるわ!。


あはは。

勢いが凄い。

  

  ほんとに、シンの魔法は凄いよね!。

  「灯り」の魔法も凄く明るいもの。

  う~、何でなのかな?。

  不思議だよね。

  サリタも思うでしょ?。


   うん、シンは、、不思議男?。

   生活魔法を4つ使えるなんて、、ズルい。

   アルロもズルい。

   

  サリタ。

  私なんて、、魔法2つだけだよ。

  もう!

  「口火」と「清水」!

  魔法が「火と水」で便利よ、でもね。

  「清浄」を私も使えたらって!。

  いつも思ってるんだからね。


   う~ん。

   私も3つで「口火」が無いのよね。

   でも、、ん?。

   私?恵まれてるの?。

   

こんな話で夕方まで礼拝堂でお喋り。

女3人じゃなかったけど。

ワイワイと楽しかった。


そして夕食を済ませて。

後片づけも済ませ。

廊下をみんなで移動。

寝床の部屋で寝る準備をしていると。

サリタが宣言した。


 

   今日は、私が皆に「清浄」の魔法を掛けるから。

   ねえ、良いかしら?。

   じゃあ順番に行くからね。

   は~い、最初はラッエ!、、、えい!。

   「清浄」「清浄」「清浄」

   ジュニューで最後っと。


   ふぅ!。

   何回かしら?これは疲れるわね。

   全員出来たよね、やったわ~!。

   見た、シン!。

   これからは、私の「生活魔法」。

   もっと上手く行くように頑張るから!。


ふふ。

気付き、さっきの今。早いな。

練習あるのみだよ。

   

 うん、サリタ。

 「生活魔法」も上達には。

 練習あるのみだよ。

 続ける事が大事だと思うよ。

 習熟すれば段々と上手くなるよ。

 

ヤル気のある人は凄いね。

ラッエが目を丸くして驚いてる。


今日は久々の大掃除で疲れたよ。

チクチクする藁のベッドに潜り込んで。

寝よう。



町の飲み屋では。


  クロイア。

  シンたちが、お前の芋の事を受けてくれたぞ。

  お前の言った、皮の上着が決め手だったよ。

  上手くすれば、明日か明後日だ。

  でかい野芋を1個分けてくれるってさ。


   やったわ!。

   偉いわロイス!男前!。

   色男は良い仕事をこなすわね。

   噂の大きな野芋を丸々1個なんて、、。

   あぁ~。

   夢のようだわぁ~。

   うふふ。

   はぅ~。


  野芋がなぁ。

  ソンナニ旨いかねぇ?。

  おい、アースどう思うよ?。

  

   俺に聞かれても困るわ!。

   酒のツマミニでもなれば、、良いけど。

   甘いんだろう?。

   料理の話、、聞かねえしな。

   これはよ~。

   貰えてからの、お楽しみだな。



そして。

翌日は、曇りだった。

朝、顔を洗ったら手と顔をが凍るかって程。

冷え込んでいたよ、あぁ冬は嫌いだ。

孤児院で朝食を済ませギルドへ向かう。

此処の所、天気は晴れ続きだったのになぁ。


裏の倉庫で芋堀道具を借りて門へ。

そしてドンヨリ天気の街道を進む。

アルロと歩きながら。


 今日もいっぱい掘ろうね。

 アルロ。

  

  うん約束が有るものね。

  今日は数も多いからね、大変だよ。


ミーレ川に着いて、向こう岸へ渡る。

わたる準備をして川へ。

うひょ~、川の水が。

一昨日より一層冷たく感じるよ。


 いたた!冷たすぎ。

 足がぁ~~。

 痛い!痛い!。

 あぁ凍る!凍る~!。


  あ”~!。

  あ”~あ”~ぅ。

  

アルロも変な声を出してるよ。

ほんの十数歩、川の中を裸足で歩くだけなのに。

キツイ何てもんじゃない。

河原の石が水が凍って。

足の裏に張り付くんじゃ無いかと。

何んとも恐ろしい気がするよ。


 アルロねえこれ。 

 今日の川の水って凍って無い?。

 凍ってるよね。


水の冷たさに壊れたよ。

アルロに意味不明の質問をぶつける俺。


  ん?。

  ミーレ川は凍って無いよ。

  なにそれ、変でしょ。

  水、冷水、氷水、氷、う~ん。

  シン、僕には意味が分からないよ。

  

俺は水の冷たさに負けて。

壊れたんだよ。


  ほらほら準備しないと。

  見てよほら目の前の土手を。

  いっぱい芋が有るよね!。

  今日は。

  この前より、多く掘らないと駄目だから!。

  大きいのと、数も多くだよ!。

  ギルドと修道院とロイスさん達の分。

  俺達は、皆と約束が一杯なんだからね。

  シン!

  真面目に、さあ芋の蔓元を探して!。

  1人で、6個以上掘らないと駄目だからね。

  今日はキツイよ!。

  

アルロが俺を現実に引き戻す。

そして巨大芋との戦いが始まるのさ。


昼休みも、ソコソコにしか休まず。


野芋を、掘って掘って!。

大きい野芋を掘って。


俺は今日もアルロに負けた。

親友は凄い奴だ。

アルロはなんと、、8個も野芋を掘ったよ。

対する俺は7個だよ、負けた。

完敗です。


一番大きい野芋も、、デカい!。

親友に完敗です。

ぐぅ、見た目も実力も、、。


掘った野芋を麻袋に詰めて背負い街道を歩く。

この前の重さを遥かに超えた重さだ。

門を入る時に門番の人が、ちらっと見て、。

おっ!て顔をした。


2人でギルドに入り、ヒビカさんの列に並んだ。

そして俺達の順番がきた。


 ヒビカさん、2人で掘って来ましたよ。

 トレーをお願いします。


すると、この前より大きいトレーが置かれた。


  2人共、来たわね。

  ふふぅ、期待してたわよ。

  さあ此処の上に野芋を出してちょうだい。

  


よし。

アルロと2人、麻袋からゴトゴトと。

トレーの上に、掘ってきた野芋を置いて行くよ。

そして2人で、10個の野芋を出した。

2つの野芋の山。

うん、デカくて凄いねこれ。

芋のイメージを完全に逸脱してるよ。

なんだこれ。


  うふふ。

  うん、たしかに野芋ね!。

  それにしても、今日も凄いわね。

  あなた達、野芋堀の専門に慣れるわ!。

  ふぅ。

  この前よりも、更に大きくないかしら。

  1個1個lが凄く重そうだし。

  ねえねえ、チョット来て。

  これ、手伝って。


また後ろの女性を呼んでる。

確かに1人じゃあ大変でしょう。

手伝いに来た女性も前の人だ。


    うぁ~~!。

    野芋?。

    それに、またこの子達なの~?。

    ホントにこれ、野芋?よねぇ?。

    この大きさ。

    今季2回目だけど、わが目を疑うわ!。


    あなた達!やるじゃないのよ。

    リビエ、これ運ぶのよね?。   

   

   ええ。

   後ろで計るの!だからお願いね。

   私も運ぶから。

   さぁ。


2人でトレーを増やして。

目の前で4つのトレーに分けたよ。

それでも、3個乗ってるトレー方は。

重そうに運んでる。


そしてヒビカさんが戻ってきた。


   また野芋の記録更新だから。

   2人共、ギルド章を出してね。

   今日も記録で良いかしら?。

   それとも幾らか現金で持って帰る?。


 あっ、俺は記録で問題ないです、お願いします。


  僕も記録でお願いします。


またまた記録更新。

アルロと2人で。

ジャーレンタの野芋記録保持者。





騒がしいギルドを後に孤児院へ帰る。


孤児院の前にはロイスさんが待っていた。

あれ今日の仕事は?。

メンバーと野芋の方が大事なのかな?。


その夜の食事に。

野芋を薄く切った焼き物が出た。

野芋を輪切りにして4つに分けて。

それで丁度いい大きさだよ。


油をひいて焼いたんだね。

それを食べたけど、、甘い、、甘い。

これは甘すぎて。

おかずには向いてないんじゃないかな、、。

と、思ったけど口にはしなかった。

周りの雰囲気がね。


ケシーレさんもリビエさんも、、。

ラッエもレーリエもサリタも、。

ジュニューも。

ルシーナとミモリーも。

あぁ女性陣は皆。

ニコニコして食べているよ。

御機嫌だ。


ラッエが。

みんなの意見を代表して。


   アルロ、シン!2人共。

   来年も、早めに又また野芋を掘ってきてね!。

   ホントに美味しいの。

   今日の、お土産の4個で私たち幸せなんだけど。

   あと、ちょっとね。

   ね、お願いよ。


アルロと2人、笑うしかなかった。

年末に、孤児院の皆で笑えて良かったよ。

それもお金のかからない野芋でだよ。


あぁ、ロイスさんの方もこんなかな?。


そして。

もう明日は、年末のミサだよ。

14歳も明日でお終い。

新年の年明け2日には「成人の儀」だよ。


15歳の儀式。

俺の素性が確定するのかな?。

   


  

  年が明ければ15歳。

  大人の仲間入り、行動の制限がなくなる。

  そして「成人の儀」でシンの能力が解放される。

  ずいぶん前に書いたものは、数値その他を修正予定です。


  シンの記憶が、、、。

  「女神様」


  そして。

  章分けする方が良いかなと。

  次回から第二章が始まる、、予定。


  章の設定、、?。

  はて。

  

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