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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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相互取引、、、バーター!

 

  忘れていた事。

  大事な物。

  

  



12月、年末の行事。

修道院の礼拝堂の大掃除をしていると。

礼拝堂の入口の扉が開かれて。

誰か、人が入ってきたようだ。


  おい!

  シン!。

  アルロ!。


  居るんだろう。

  俺だ!

  俺!俺!。


うん。

この語り口。

正に、オレオレ詐欺の手口だね、誰だろう。

怪しい人かもしれないよね。


俺は。

礼拝堂の前の方の、長椅子を拭いてるから。

向こうからは、椅子の陰で見えてないんだね。

まったく。

朝から、ホントに誰なんだろ?。

ん~。

男の人だって事は分かったけど。

えぇ~、この声は、、。


  

  おい、シン!。

  何処に居るんだ?。

  お前ら昨日の夕方、ギルドでやらかしたろ!。

  あれ結構な騒ぎになってるぞ。

  大きさと数が話題でな。

  ははは。

  まあ、芋だけどな。

  ふ!


おおぅ!。

やっぱり、俺とアルロの野芋が話題になったの!。

それに、窓口でのヒビカさんの反応もだやね。

周りで、人が結構見てたもんね。

やったね!。

明日も掘りに行こう。


  おい!。

  2人共、マジで出て来いよ。

  此処の掃除してんだろ。

  表でな、ケシーレさんに聞いてんだ!。

  ネタは上がってんだよ。

  オイ!こら。

  

おっと、怒り始めてる?。


俺は、。

椅子の陰から通路に顔を出して。

入口の方を見て見たら。

おっ。

やっぱりロイスさんだ。



  ほら、いたじゃねーか。

  まったく。

  シン。

  呼んだら、すぐ出て来いよな。

  ん?アルロは?。

  


 はぁ~。

 ロイスさんでしたか。

 此処は俺だけです、アルロは今は。

 孤児院の裏の方で、落ち葉掃除してますよ。


 イキなり入口で。

 大きな声で、俺だ俺だ!なんて。

 ここ、礼拝堂ですからね。

 声とか音が、良くが響くんですよ。


 だから。

 誰だか分らなかったから。

 チョット警戒しちゃいましたよ。

 朝から、怖がらせないで下さいよね。

 まったく、ふぅ。


ホントに大人の人の大声は。

勘弁して。

 

  はぁ。

  おまえなぁ~。

  何をガキみたいな事を言ってんだよ。

  何時も会うと、俺が言ってるだろうが!。

  こんなのは、普通だってよ!。

  お前も冒険者を目指すんだろうが!。

  いちいちビビるなよ。

  まったく。 


いゃあ、怖いものは怖いんだってば!。

もう。 


  はぁ、そんでだ、野芋だな。

  ギルドで見聞きしたけど。

  それ程の芋を、、どこで掘ったんだよ。

  まったく信じられねえぜ。

  そんでな。

  うちのクロイアの奴が五月蠅くてよ。

  あいつも芋が大好物なんだぜ。


 なんか、女の人って好きみたいですよね。

 芋、何でだろう?。

 

  おう。

  そうなんだよな。

  まったくだぜ。

  昨日の晩飯を俺達のパーティで。

  馴染みの店で食っててな。

  酒も飲んで飲んでだ、酔ったら、、。


  ふと、クロイアの奴が。

  キレ気味に、俺を睨みやがってょ。


  知り合いだからって。

  お前らに、芋の事を聞いて来いって!。

  まったく、酒癖の悪い女は、、。


あはは!。


  俺を、パシリに使いやがるんだぜ!。

  それも朝イチで行けとか、、。

  もう意味解んねえぜ。


うはぁ。

ロイスさん、災難だ!。

でもクロイアさんの頼みは。

断らずに聞いてアゲルノ?。


 

 クロイアさんもですか。

 芋好き。


 うーん。 

 芋を掘った場所とかですか。

 せっかく見つけた所なんで。

 ロイスさん達でも、これはチョット。

 後ですね。

 此処の修道院にも、持ち帰るって約束してるんで。

 孤児院の仲間も、野芋を食べるの期待してるし。

 ケシーレさんとリビエさんも好きなんですよ!。

 うちの女性陣もヤバいんです。

 だから、もしも。

 野芋が無くなっちゃうと困るんです。


 それに野芋の事は。

 アルロのも聞かないと、教えられないですよ。

 だって2人で仕事してるし。

 俺一人で見付けた訳じゃないから。

 すいませんロイスさん。



それに野芋は俺とアルロの。

大事な御小遣いの元だからさ。


  ああ!。

  ソコイラ辺は分かってるぜ!。

  タダな、クロイアにお前らに会って。

  断られたって言う、事実が大事なんだよ。

  今の俺にはな。

  はぁ。

  解るか!女はソコイラ辺が細かくてよぉ。

  言われた事をしたって言う、行動を見せないと。

  いつまででも嫌味を言われるんだ。

  それが結構面倒でよ。

  

  まあこれは。 

  奴に対するモーションって事だな。

  俺が無理を言ってるのは分かってるさ。

  お前らにとって、野芋は金になるもんなぁ。


ロイスさんも大変なんだね。


  

  でだが!。

  シン、見付けた野芋はまだ掘れるのかよ。

  俺にとっては。

  その辺が今後大事な情報なんだぜ。

  クロイアの機嫌がなぁ。

  解るだろ。


 多分ですけど、野芋はまだ掘れますよ。

 アルロと2人で。

 明日か明後日に、また堀に行く予定です。

 あくまで予想ですけど。

 まだ大きいのが残ってると思います。

 実は俺も楽しみなんですよ。

 芋堀。



  そうかよ!。

  なら頼みが有るんだが、。

  次回、お前らが掘ってくる野芋を。

  1つで良いから分けてくんないか。

  金はギルドの金額に色を付けて払うからよぉ。

  なあ。


おぅ!ロイスさん。

芋を買取してくれるの。

やったね。


1個か。

まあ、芋1個なら余分に持って帰れるね。

それに孤児院の分も、数個考えてるから。

今度の野芋堀の帰りは荷物が増える。

麻袋が、かなり重くなるかなぁ。


ここは、ロイスさんに了承しとけば良いよね。

アルロと相談だけど。

う~ん。


 解りましたロイスさん。

 アルロと頑張って掘って来ますよ。

 1個なら、何とか持って帰ってこれますから。

 大きいのが有れば良いですけど。

 次回に期待しててください。


まだあそこの川辺には。

一杯野芋が生えてたからね。

野芋の量は大丈夫でしょう!。

まあ、野芋の蔓元を見つけるのが。

野芋堀で、一番大変なんだよ。


  おぉ。

  よし1個、分けてくれるんだな!。

  やったぜ、これで一安心だぜ。

  俺の頼みを聞いてくれるんなら。

  それじゃあ、ふふっ。

  2人には。

  これを1個ずつヤルヨ。

  えぇ~と。

  芋のお礼の一部の先払いだ。


ロイスさんは。

そんな風に言い。

右腰のベルトに付けた革袋から。

何かを取り出した。

んん、服?上着?。


  ほれ!。

  シン、これを1つはお前に遣るし。

  ははは!。

  んでな。

  こっちの、もう1つの方の1着は。

  アルロの分にな!。


  持ってみな。

  皮の上着だ!。

  一応新品のはづだ。

  受け取れ!。

  ほいよっと。


ええぇぇぇ~~~!。

なにそれ!なにそれ!


ロイスさんは右手から、1着の上着を。

俺に向かって。

何でもないように、ホイッと。

山なりの軌道で投げて寄こした。


投げて寄こした物は。

こげ茶色の、、。

ちょっと重めの皮の上着だった。


 なななっ!

 ロッ、ロッロロロ。

 ロイスさん!

 こここっ。

 これは?。

 

  それなぁ~。

  ん~とな。

  この前、俺達のパーティが隣の領の。

  ラビリンスに潜ってよぉ。

  結構な良いとこまで行けたんだわ。

  でだ、ラビリンスにはなぁ。

  運が良いと宝箱が見つかるんだわ!。

  で、浅い階層の宝箱にはなぁ。

  お前にやったような、、。

  革製品の装備とか。

  小金とか、、あぁ~。


ロイスさん、自分で言ってて。

下を向いちゃったよ。

良いのが出無かったんだね。


  そんな、初心者向けの装備とかが。

  色々と入ってたりするんだよ。


  俺はポージョンが良いんだけどな。

  はあ、出ないんだわ。


ロイスさん。

長椅子に座っちゃったよ。

 

  その時に、ふと。

  クロイアが言ったんだよ。

  これ、あたし達に要らないけど。


  ロイスの知り合いで。

  来年が成人の孤児院の知り合いの子達。

  たしか男の子でしょ。

  その子達にあげれば良くない。

  どうかなってよぉ。


うひゃぁ~!。

クロイアさん優しい女の人だ。

あっ。

お酒は控えめが、、。


  まあ俺もな、良いかなって思ったのよ。

  皮の上着なんて、たいして荷物にもならんし。

  うん、貸し借り無し、お互いさまで。

  ちょうど良かったな。

  頼むぜ、野芋。


 良いんですか?。

 こんなの貰っちゃって。

 この服、奇麗だし!。

 ラビリンス産なんでしょ。

 俺達2人共。

 あんまり、お金ありませんから。

 

  ソンな事、気にすんな!。

  俺達には要らん物なんだから。

  アルロの分も有るからな。

  ほれ、これな。

  チョット色が違うんだけど。

  変わらんと思うから。

  

  さてと、行くかな。


長椅子から立ち上がったロイスさん。

あっ、さっきの事で。

聞きたい事が有るんだ。


 あの~。

 ロイスさん、聞いて良いですか。

 気になっちゃって。


  ん!

  なんだよ。

  聞きたい事って?。

  別に良いけどよ。


 さっき。

 腰の革袋から上着を出しましたよね。

 それって、オカシイジャないですか

 何なんですか。

 その革袋?。


腰の革袋、あれは。


  おっ!。

  やっぱり気になる?。

  これな!、魔法の皮袋だぜ。


おうぅ魔法。


  世の中には2種類の収納袋が有るんだ!。

  1つは。

  ラビリンスの宝箱から出たりするんだ。

  でも容量の多い良いものは。

  まあ、ある程度の深さの階層からだな。


  2つ目、後は。

  人の手造りの物だな。

  高位の錬金術師の作品で魔道具だ。

  こいつは造る時に。

  容量が変えられるんだ。

  錬金魔法で少量数が造られてるし。

  製造依頼も出来る。

 

  俺のこれは。

  店売りの一般品だな。

  形も様々あるんだ。

  その中の種類で言うと。

  収納袋と言われてる道具だな。

  良いだろ?。


  まあ革袋で。

  これは入る容量が最低の物だけど。

  持ってると便利だぞ。

  荷車の荷台の半分程の量の荷物が。

  小さい革袋に入るんだ。

  冒険者には欲しい魔道具だろう。


  ラビリンスに潜るのに必須な道具さ。

  長旅の冒険にもな。


良いな!良いな!。

収納の魔道具。

いきなりスッと荷物を取り出す!。

カッコ良いじゃないか!。

幾らするんだろう?。

高いよね。



  俺のはこれは。

  王都の錬金術師が造った魔道具だぜ。  

  手に入れるのに苦労してなぁ。

  ふう。

  値段が、、高いからよぅ。


お~~ぉ!。

高いよねぇ~。

ふぅ。

魔法の皮袋だって。

いいねぇ。






ん、、。


あれぇ~、、。





収納?。

おぅ。



俺のウエストポーチ、、。 

あれは、、。


忘れてたよ。

何だっけ。


中が何か所かに分かれてたよね。


あれは、、。

ヤバい奴。



 

  




 

  

 

  

  

  

  

 

3年前?。


 運命が決まった時。 

 自分で振った、ダイスで貰った物。

 時が来れば思い出す?。

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