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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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73/162

川辺から、、

 芋の話が、アトすこし。

 芋に嵌る。


アルロとの芋堀仕事。

12月の末なのに。

芋です。


何だかんだと、勢いでこの仕事を続けてるよ。

慣れると芋探しと、芋堀が面白いんだ。

でも。

最初には、こんな風に言われた。


あんまり見つからないかもよ。

でも頑張ってね。


確かに出だしはイマイチの収穫だった。

けも、彼方此方と行ける所をね。

諦めないで探して回ったんだよ。

地道にね。

すると。

運の良い、アルロの御蔭でね。

野芋が思いがけなく。

見つかるんだよ。


  シン、あれそうじゃない。

  なんて感じで、見付けてくれるんだ。


俺達2人の。

嬉しい。

お小遣いに成って来たんだよ。


そして今日は。

ミーレ川まで遠征。

芋を見つけた土手で。

アルロと全力の芋堀勝負中なの。


午前の勝負は、僅差で俺の敗戦。

アルロの掘った芋は、、。

ラクビーボールみたいで。

デカかったよ。

く~ぅ、我が親友は強い!。



 よ~し!。

 午後は俺が勝つからね!。

 勝負を再開しようよ。


  え~ぇ。

  勝負って?。


  駄目だよシン!。

  真面目に芋を堀しないと。

  

  傷物にしない様に掘らないと。

  丁寧に掘らないと、駄目って。

  ヒビカさんに言われたの忘れたの。


  せっかく見つけた芋だよ。

  大事に掘らないと、勿体無いよ。

  ギルドで、ヒビカさんに注意されるよ。


   シン君の芋は傷が多くて。

   大きいけれど。

   値段が下がっちゃうわ。

   勿体無いわね。


  そんな風に言われるの。

  シンは嫌でしょ。

  一番は、芋の価値だからね。

  買取の金額が下がっちゃうよ。


  さっき、自分で言ってたじゃない。

  「御宝」だってさ。


 でもでも!

 芋の大きさで、、負けてる。

 はぁ。

 ごめんアルロ。

 俺も真面目に野芋を掘るよ。

 何だか、目の前に一杯あってさ。

 浮かれてたかな。

 そうだったよね。「御宝」だよ。

 お小遣いだよね。

 お金、お金。


  そうだよ!。

  目の前の野芋はさ、「御宝」で。

  大事な、お小遣いなんだよ。


うん、お金だよね。

来年、年が明ければ15歳。

「成人の儀」だよ。

俺は本物の冒険者を目指すけど。

その為の買い物には、お金が掛かるんだ。

まあ今は、何が要るのかは。

良く分からないけどね。


 よ~し。

 慎重に掘るよ。


  ああ、その調子だよ。

  

それからは真面目に芋堀をして。

夕方、速めに帰り支度をして。

来た道じゃなくて。

ミーレ川の岸を下流に歩いて下り。

ワヒットさんの家近くの街道に出て。

街道を歩いて町に戻ったよ。


そして。

ギルドの買取の列。

ヒビカさんの窓口に2人で並んで。

順番を待った。


さあ俺達の順番が来たよ。

アルロと2人。

ヒビカさん挨拶をして。


 今日も掘って来ましたよ。

 ヒビカさん!。

 トレーを2つお願いしますね。



ギルドの麻袋から。

今日、2人で掘ってきた。

大きな野芋をコトリと。

置いて行く。

3つ置いたらもう置けない。

まだ2つ、麻袋に入ったままだよ。

用意されたトレーに乗りきらない。

野芋を見せたら。



  !。

  んん~?。

  んんんん~!。

  はぁ~。

  これは?。

  ウソ!ウソ!。

  アルロ君!。



あ!。

俺じゃなく、アルロを見てるよ。

まあね。

でも、言葉を掛けるのは俺だよ。


 ヒビカさん。

 今日は、俺達2人で頑張りましたからね。

 野芋、これ!凄いでしょ。

 へへ!。

 ほら、アルロも言ってよ。


  あははぁ。

  ヒビカさん、頑張りましたよ。

  ふう。

  帰りに芋が重くて。

  はあ。

 

親友も笑ってるよ。

おお、ヒビカさん復活。


  え~と。

  この野芋を2人で掘ったの?。

  うん、みんな大きいわね!。

  間違いなく。

  これは、今年の一番の収穫ね。

  ふう、重さも凄いわよ。

  待ってね、数と重さを測るからね。

  麻袋もこっちに頂戴。

  

  うっ。

  重いわ。

  

おっ。

ヒビカさんが、後ろから女の人を呼んだ。

その人も驚いてるよ。


  凄いわね。

  これ、、野芋よね?。

  はぁ。

  私も初めて、こんなの見たわ。

  野芋って。

  こんなのがホント有るのね。

  

  


ほほ~。

やっぱりあれは衝撃的な芋なんだね。


ん?。

んん。

買取窓口の前から。

振り返って辺りを伺うと。

俺達の近くの人達や。

周りの人も、その光景を見てるよ。

ヒソヒソ声が聞こえて、、。


   おいおい!。

   あれマジかよ。

   野芋ってあんなに大きく、、。

  

   ブッ!デカいぞ。


   あれを何処で、、。


   あいつ等、孤児院のガキだろ。

   ああ。



うへ。

何だか、怖い事言ってない?。

早くここから出たいよ。

知らない大人ばかりだし。

見た目だけでも冒険者マジで怖いから。

  

そんな雰囲気を感じたのか。

ヒビカさんが、ギルドの中を見渡した。


  それで。


  2人共。

  あの芋は買取で良いのよね。


  ふう。

  2人共、手元に。

  お金要る?。

  要らないなら。

  ギルド章を出してちょうだい。

  記録してあげるから。


 あっ。

 はいこれ。

 記録でお願いします。

 アルロは?。


  僕も、今日も記録でお願いします。


今日が今までで一番。

小遣いを稼げただろうと思うな。

幾らかは聞かないよ。

金額が楽しみだけどね。


  シン君、アルロ君。

  はい、ギルド章ね。

  今日は、もの凄かったわね。

  あれは、ギルドの記録かもよ。


  うふふ。

  あの芋が調理されたら、、。

  ん~。


  あとは。

  2人に聞くけど。

  明日も、野芋堀に行ってくれるのかな?。

  私的には、是非とも行って欲しいわね。

  あれを見ちゃうとね。

  今日みたいに。

  一杯掘って来てほしいのよ。

  うふふ。

  だって。

  良いお小遣いになるでしょ?。


うっ。

ヒビカさんの瞳が。

爛々と俺達を捉えて。

危険な感じだ。 


 えぇ~と。

 そろそろ年末だし。

 修道院の掃除とか。

 「女神様」の礼拝堂もでしょ。

 孤児院の大掃除とか。

 年越しの色々な行事?。

 それの準備もあるから。

 う~ん。

 アルロ。

 明日、どうかな。


  そうだよね。

  ヒビカさん、

  僕達2人は、多分ですけど。

  明日は休むかも、孤児院に帰って。

  ケシーレさんと話してからですね。



12月で年末だし。  

孤児院の用事の方が重要だもんね。

草取り、落ち葉掃き、灯りの魔法。

寝床の部屋も大掃除でしょ。


あとは祭壇の大掃除も。

後は何だろうか。

仕事が一杯あるな~。


  うぅ~ん、残念!だわ。

  修道院も。

  孤児院も大事よね。

  でも、また来るでしょ?。

  その時には、また芋堀をお願いよ。

  2人は重要な戦力なの!。

  ね!。 


ホントに美味しいのかな?。

不思議だよ、野芋って。

   

こんど孤児院に持って帰ろうかな。

アルロと相談しようか?。


ヒビカさんと微妙な。

そんな話を済ませてから。

ギルドを出てきた。

さあ孤児院にかえるよ。



町の通りを、2人で歩いて帰る。

孤児院に帰って、一息後。


食堂で夕食の準備中にね。

俺も小物を配膳しながら。

大テーブルを拭いてた。

リビエさんに。

声を掛けて、話をしたんだよね。

ゆっくりとさ。


ここ数日の。

町の外での、野芋堀の事を。


そして。

今日は、凄く運が良くて。

ギルドで借りた麻袋に。

重くて大きな野芋を。

一杯掘ったよってね。

ちょっと自慢気でさ。

リビエさんに報告をしたら。


そうしたら。


リビエさんは驚いて。

大きな声を出したんだ。


  えっ。

  シン!。

  野芋がなに?。

  

  大きいのを、掘ったの、?。

  んん~。

  シン!。

  あなた、今なんて言ったの?。

  良く聞こえなかったの。

  もしかして、仕事って。

  あなた達!野芋堀をしてたの?。



リビエさんは。

テーブルの。

向かい側にいたアルロに。


  アルロ。

  答えてちょうだい。

  良い?。

  お芋を一杯掘ったって。

  今、シンが言ったわ!。

  野芋なの?。

  ねえ、ホントなの?。  


あわわ。

マシンガントークで。

アルロに質問責めをしてるよ。


いきなり聞かれた。

アルロもビックリしてるよ。

  

  ええ。

  ホントですよ、野芋堀。


  最近の僕たちは。

  町の外仕事で。

  野芋堀ばかりでしたよ。


  ギルドのヒビカさんのお勧めですから。

  そして。

  今日は、大当たりの日でした。

  2人で。

  大きい芋を、10も個掘りましたよ。

  芋が重くて、帰りが大変でした。

  ヒビカさんが、記録かもって。

  そんな事も言ってましたね。



アルロ、ナイスな答えで流石。 

これは。

リビエさんも。

野芋が好きなのかな。


食事前に。

あたふたと、そんな事も有り。

食事の後に。

この食堂に2人残って。

仕事の芋堀の事を。

ケシーレさんとリビエさんに説明?。

うん、説明したよ。


ははは。

ケシーレさんも好きなんだって。

美味しいんだって。

野芋。


修道院の。

2人の女性曰く。


女の子は「絶対」に好きだから。


出来る事ならで良いから。

ここの孤児院にも。

野芋を分けて欲しいって。

お願いされちゃった。


勿論。

アルロと2人で了承したよ。

やっぱ好きなんだってさ。


2人の予想通り。

明日は。

孤児院の中と外の大掃除と。

修道院の大事な物。

「女神様」御姿の祭られた。

礼拝堂の大掃除だからね!。

掘りに行く時間は無いよ。


明後日か。

その後に、持って帰って来るって。

そんな予定にね、約束したよ。


あっ。

勿論、ラッエも好きらしい。

忘れられない美味しさだって。

アルロに力説してる。

ラッエもヤバそうだよ。




翌日。

朝から、修道院の。

礼拝堂の掃除をしてる時に。


入口の扉が開いて、人が入ってきた。

真ん中の通路を1人。

コツコツと靴音を響かせて。

礼拝堂の中に進んでくる。

誰だろう?。

ん?。



   おい!。

   シン、居るか?。


   アルロ!。

   おい。


   俺だ、俺だ!



あっ。

これは、、。


詐欺師!。





 

 俺!俺!。

 異世界でも詐欺は、この口調が。

 定番。

 ?。

 

 

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