川辺から、、
芋の話が、アトすこし。
芋に嵌る。
アルロとの芋堀仕事。
12月の末なのに。
芋です。
何だかんだと、勢いでこの仕事を続けてるよ。
慣れると芋探しと、芋堀が面白いんだ。
でも。
最初には、こんな風に言われた。
あんまり見つからないかもよ。
でも頑張ってね。
確かに出だしはイマイチの収穫だった。
けも、彼方此方と行ける所をね。
諦めないで探して回ったんだよ。
地道にね。
すると。
運の良い、アルロの御蔭でね。
野芋が思いがけなく。
見つかるんだよ。
シン、あれそうじゃない。
なんて感じで、見付けてくれるんだ。
俺達2人の。
嬉しい。
お小遣いに成って来たんだよ。
そして今日は。
ミーレ川まで遠征。
芋を見つけた土手で。
アルロと全力の芋堀勝負中なの。
午前の勝負は、僅差で俺の敗戦。
アルロの掘った芋は、、。
ラクビーボールみたいで。
デカかったよ。
く~ぅ、我が親友は強い!。
よ~し!。
午後は俺が勝つからね!。
勝負を再開しようよ。
え~ぇ。
勝負って?。
駄目だよシン!。
真面目に芋を堀しないと。
傷物にしない様に掘らないと。
丁寧に掘らないと、駄目って。
ヒビカさんに言われたの忘れたの。
せっかく見つけた芋だよ。
大事に掘らないと、勿体無いよ。
ギルドで、ヒビカさんに注意されるよ。
シン君の芋は傷が多くて。
大きいけれど。
値段が下がっちゃうわ。
勿体無いわね。
そんな風に言われるの。
シンは嫌でしょ。
一番は、芋の価値だからね。
買取の金額が下がっちゃうよ。
さっき、自分で言ってたじゃない。
「御宝」だってさ。
でもでも!
芋の大きさで、、負けてる。
はぁ。
ごめんアルロ。
俺も真面目に野芋を掘るよ。
何だか、目の前に一杯あってさ。
浮かれてたかな。
そうだったよね。「御宝」だよ。
お小遣いだよね。
お金、お金。
そうだよ!。
目の前の野芋はさ、「御宝」で。
大事な、お小遣いなんだよ。
うん、お金だよね。
来年、年が明ければ15歳。
「成人の儀」だよ。
俺は本物の冒険者を目指すけど。
その為の買い物には、お金が掛かるんだ。
まあ今は、何が要るのかは。
良く分からないけどね。
よ~し。
慎重に掘るよ。
ああ、その調子だよ。
それからは真面目に芋堀をして。
夕方、速めに帰り支度をして。
来た道じゃなくて。
ミーレ川の岸を下流に歩いて下り。
ワヒットさんの家近くの街道に出て。
街道を歩いて町に戻ったよ。
そして。
ギルドの買取の列。
ヒビカさんの窓口に2人で並んで。
順番を待った。
さあ俺達の順番が来たよ。
アルロと2人。
ヒビカさん挨拶をして。
今日も掘って来ましたよ。
ヒビカさん!。
トレーを2つお願いしますね。
ギルドの麻袋から。
今日、2人で掘ってきた。
大きな野芋をコトリと。
置いて行く。
3つ置いたらもう置けない。
まだ2つ、麻袋に入ったままだよ。
用意されたトレーに乗りきらない。
野芋を見せたら。
!。
んん~?。
んんんん~!。
はぁ~。
これは?。
ウソ!ウソ!。
アルロ君!。
あ!。
俺じゃなく、アルロを見てるよ。
まあね。
でも、言葉を掛けるのは俺だよ。
ヒビカさん。
今日は、俺達2人で頑張りましたからね。
野芋、これ!凄いでしょ。
へへ!。
ほら、アルロも言ってよ。
あははぁ。
ヒビカさん、頑張りましたよ。
ふう。
帰りに芋が重くて。
はあ。
親友も笑ってるよ。
おお、ヒビカさん復活。
え~と。
この野芋を2人で掘ったの?。
うん、みんな大きいわね!。
間違いなく。
これは、今年の一番の収穫ね。
ふう、重さも凄いわよ。
待ってね、数と重さを測るからね。
麻袋もこっちに頂戴。
うっ。
重いわ。
おっ。
ヒビカさんが、後ろから女の人を呼んだ。
その人も驚いてるよ。
凄いわね。
これ、、野芋よね?。
はぁ。
私も初めて、こんなの見たわ。
野芋って。
こんなのがホント有るのね。
ほほ~。
やっぱりあれは衝撃的な芋なんだね。
ん?。
んん。
買取窓口の前から。
振り返って辺りを伺うと。
俺達の近くの人達や。
周りの人も、その光景を見てるよ。
ヒソヒソ声が聞こえて、、。
おいおい!。
あれマジかよ。
野芋ってあんなに大きく、、。
ブッ!デカいぞ。
あれを何処で、、。
あいつ等、孤児院のガキだろ。
ああ。
うへ。
何だか、怖い事言ってない?。
早くここから出たいよ。
知らない大人ばかりだし。
見た目だけでも冒険者マジで怖いから。
そんな雰囲気を感じたのか。
ヒビカさんが、ギルドの中を見渡した。
それで。
2人共。
あの芋は買取で良いのよね。
ふう。
2人共、手元に。
お金要る?。
要らないなら。
ギルド章を出してちょうだい。
記録してあげるから。
あっ。
はいこれ。
記録でお願いします。
アルロは?。
僕も、今日も記録でお願いします。
今日が今までで一番。
小遣いを稼げただろうと思うな。
幾らかは聞かないよ。
金額が楽しみだけどね。
シン君、アルロ君。
はい、ギルド章ね。
今日は、もの凄かったわね。
あれは、ギルドの記録かもよ。
うふふ。
あの芋が調理されたら、、。
ん~。
あとは。
2人に聞くけど。
明日も、野芋堀に行ってくれるのかな?。
私的には、是非とも行って欲しいわね。
あれを見ちゃうとね。
今日みたいに。
一杯掘って来てほしいのよ。
うふふ。
だって。
良いお小遣いになるでしょ?。
うっ。
ヒビカさんの瞳が。
爛々と俺達を捉えて。
危険な感じだ。
えぇ~と。
そろそろ年末だし。
修道院の掃除とか。
「女神様」の礼拝堂もでしょ。
孤児院の大掃除とか。
年越しの色々な行事?。
それの準備もあるから。
う~ん。
アルロ。
明日、どうかな。
そうだよね。
ヒビカさん、
僕達2人は、多分ですけど。
明日は休むかも、孤児院に帰って。
ケシーレさんと話してからですね。
12月で年末だし。
孤児院の用事の方が重要だもんね。
草取り、落ち葉掃き、灯りの魔法。
寝床の部屋も大掃除でしょ。
あとは祭壇の大掃除も。
後は何だろうか。
仕事が一杯あるな~。
うぅ~ん、残念!だわ。
修道院も。
孤児院も大事よね。
でも、また来るでしょ?。
その時には、また芋堀をお願いよ。
2人は重要な戦力なの!。
ね!。
ホントに美味しいのかな?。
不思議だよ、野芋って。
こんど孤児院に持って帰ろうかな。
アルロと相談しようか?。
ヒビカさんと微妙な。
そんな話を済ませてから。
ギルドを出てきた。
さあ孤児院にかえるよ。
町の通りを、2人で歩いて帰る。
孤児院に帰って、一息後。
食堂で夕食の準備中にね。
俺も小物を配膳しながら。
大テーブルを拭いてた。
リビエさんに。
声を掛けて、話をしたんだよね。
ゆっくりとさ。
ここ数日の。
町の外での、野芋堀の事を。
そして。
今日は、凄く運が良くて。
ギルドで借りた麻袋に。
重くて大きな野芋を。
一杯掘ったよってね。
ちょっと自慢気でさ。
リビエさんに報告をしたら。
そうしたら。
リビエさんは驚いて。
大きな声を出したんだ。
えっ。
シン!。
野芋がなに?。
大きいのを、掘ったの、?。
んん~。
シン!。
あなた、今なんて言ったの?。
良く聞こえなかったの。
もしかして、仕事って。
あなた達!野芋堀をしてたの?。
リビエさんは。
テーブルの。
向かい側にいたアルロに。
アルロ。
答えてちょうだい。
良い?。
お芋を一杯掘ったって。
今、シンが言ったわ!。
野芋なの?。
ねえ、ホントなの?。
あわわ。
マシンガントークで。
アルロに質問責めをしてるよ。
いきなり聞かれた。
アルロもビックリしてるよ。
ええ。
ホントですよ、野芋堀。
最近の僕たちは。
町の外仕事で。
野芋堀ばかりでしたよ。
ギルドのヒビカさんのお勧めですから。
そして。
今日は、大当たりの日でした。
2人で。
大きい芋を、10も個掘りましたよ。
芋が重くて、帰りが大変でした。
ヒビカさんが、記録かもって。
そんな事も言ってましたね。
アルロ、ナイスな答えで流石。
これは。
リビエさんも。
野芋が好きなのかな。
食事前に。
あたふたと、そんな事も有り。
食事の後に。
この食堂に2人残って。
仕事の芋堀の事を。
ケシーレさんとリビエさんに説明?。
うん、説明したよ。
ははは。
ケシーレさんも好きなんだって。
美味しいんだって。
野芋。
修道院の。
2人の女性曰く。
女の子は「絶対」に好きだから。
出来る事ならで良いから。
ここの孤児院にも。
野芋を分けて欲しいって。
お願いされちゃった。
勿論。
アルロと2人で了承したよ。
やっぱ好きなんだってさ。
2人の予想通り。
明日は。
孤児院の中と外の大掃除と。
修道院の大事な物。
「女神様」御姿の祭られた。
礼拝堂の大掃除だからね!。
掘りに行く時間は無いよ。
明後日か。
その後に、持って帰って来るって。
そんな予定にね、約束したよ。
あっ。
勿論、ラッエも好きらしい。
忘れられない美味しさだって。
アルロに力説してる。
ラッエもヤバそうだよ。
翌日。
朝から、修道院の。
礼拝堂の掃除をしてる時に。
入口の扉が開いて、人が入ってきた。
真ん中の通路を1人。
コツコツと靴音を響かせて。
礼拝堂の中に進んでくる。
誰だろう?。
ん?。
おい!。
シン、居るか?。
アルロ!。
おい。
俺だ、俺だ!
あっ。
これは、、。
詐欺師!。
俺!俺!。
異世界でも詐欺は、この口調が。
定番。
?。




