物事は慎重に。
町の外は色々だ。
ギルドで見つけた新しい仕事。
町の外、なんとなく面白そうな。
野芋探しをしていたら。
芋を見つける前に、モンスターを発見!。
アルロにも、こいつを見せないとね。
でもね。
シン!。
ネ~ェってばぁ~。
オ~~ォィ!。
早く~ぅ、こっちに来てょ。
アルロの声が大きい。
待って~ぇ。
アルロ~ォ。
こっちょもねぇ~。
みつけたよぉ~。
えぇ~。
ホント~ォ。
凄いよ~シン。
アルロと離れてるから。
離れた場所でも聞こえるように。
2人共に。
声が大きくなるね。
アルロに呼ばれたけど。
こいつから目が離せない。
シンてばぁ。
そっちでも芋を見つけたの?。
僕も見つけたかもよ。
こっちに来てよ、野芋!芋かもだよ。
目印の黄色い葉っぱが。
一杯落ちてるんだよ!。
僕!ヤッタかもしれない!。
お~い!シンてばぁ!。
やるなアルロ。
俺の親友は運が良いよ。
アルロは、持ってるねぇ~。
悪いけど、それよりも。
目の前の、こいつ!。
丸くて、小さくて、半透明な物体。
雑草だか野草の間を微妙な速度で。
ムニュムニュと移動していくよ。
ソフトボールより小さいかな。
うん、野球のボール位が正解かな。
こいつは。
ちびスライムだよね。
これは。
アルロにも見せなくちゃね。
初モンスター!だもの。
こいつから、ちょっと目を離し。
アルロの方を見れば。
こちらを見て両手を挙げてるアルロ。
あそこか~。
大体の方向を覚えておかないと。
せっかくのアルロの初野芋がね。
行方不明じゃ駄目だもんね。
目印!目印!。
しっかり覚えろよ俺。
うぅん。
アルロ~ちょっと。
こっちに来てよ。
俺もね見つけたんだ。
ここ!ここ!。
俺は右手を高く挙げて。
その手首を下に向ける様にして。
人差し指で、目の前の場所をね。
手首をこう、チョコチョコと。
小刻みに動かしてアピールして見せた。
こっちも!。
こっちも!。
ここ!
早く!こっちだよ!アルロ。
えぇ~。
シンは、何を見つけたのさ。
もう!今行くからね。
チョット、待っててよ。
後でも分かるようにしておかないと。
せぅかく見付けたの、、。
あぁ~、もう。
あはは!。
アルロが、アルロが~ぁ、。
何だかさっきの場所で、あそこで。
クルクル回ってるよ。
おおっ~。
成るほど、成程!。
後でも場所がわかるように。
ああっ見付けた場所の周りの。
下草を踏み倒してるのね!。
流石アルロだ。
あっ。
クルクル回り終わったね。
こっちに来てくれたよ。
うふふ。
キョロキョロと周りを見てるよ。
シン!。
ビックリしてたみたいだけど。
こっちにも。
野芋が有ったの?。
ねえ、何を見つけたのさ。
たぶんだけど。
さっきの場所にね。
僕の方には、野芋が有ったよ。
葉っぱと蔓が落ちてて。
掘った後は無かったからね。
後で掘ろうよ。
で!シン。
俺はアルロに向かって。
ねえ見てよ、こいつ!。
こいつを見つけたんだ。
さっきスライムがいた場所を、、。
足元近くの草を、、。
右手で指さした。
なに、なにぃ。
何処なんだい。
それに、こいつって、、、。
こいつ?。
ん~?。
何も無いじゃないか。
もう、シン。
えっ、、。
何も無い。
居ない?。
嫌!そこにさぁ、、。
居るでしょ、、、。
見下ろすと、、。
スライムは消えていた。
はぁ~?。
居ないじゃん!。
移動した?。
いや!いや!。
チョット待ってよ。
居るからね!絶対に。
え~と、ちょっと、、。
どこだ。
何処に行った。
ササっと
すぐ先の草をかき分けると。
奴はいましたよ。
ムニムニと移動中だった。
アルロこいつだよ。
ほら!
こいつさ。
スライムだよ。
モンスター!初めてでしょ。
俺に付いて来たアルロも。
スライムを見つけて。
お~~!。てな顔で見てるよ。
でも。
ん?、、スライム!。
スライムだぁ~。
あ~!わ~!。
スラィ、、。
シン!毒は?、毒!?。
あっ、緑ィ、、。
アルロはビクッと身構えたよ。
でも、、。
アルロ、、。
ごめんね。
こいつは緑色だから、平気でしょ。
危険なスライムじゃないよね。
それに小さいからね。
そんなに心配しなくても平気だよ。
平気平気。
そおかぁ~。
あぁ~驚いたよ。
はぁ、うん分かったよ。
確かに小さいし、、緑色は無害だっけ。
はぁ~。
シン、驚かさないでよ。
俺も初めて見付けたし。
ついね!。
あっ。
ほらスライムが移動していくよ。
あはは、こいつ小さいから遅い、遅い。
ホントだ。
プニッとしてて。
良く見れば面白いかも?。
半透明で透けてるね。
あっ、そうだ。
えぇ~と、こいつの核は。
魔石は、、。
う~。
小さすぎて見えないね~。
アルロは。
スライムに慣れたのか。
しゃがみ込んで観察してる。
おおっ、魔石か。
チビのスライムには。
価値ある魔石なんて。
全然見えないよね。
ほら。
面白いのが見れたでしょ。
アルロ。
俺が見付けたのは。
価値のある野芋じゃないけど。
俺達2人の。
初モンスター様だよ。
初モンスター様。
確かにね。
今までも仕事で何回も。
町の外に出てたけど。
出会ってこなかったもんね。
あはは!スライム。
それでも僕はビックリだけどね。
安心したのか。
アルロにも余裕が出てきたよ。
膝をついて草の茎で。
スライムをツンツンと突いていた。
ムニュっと凹むんだよね。
面白いモンスターだよ。
まあ、脅かした俺が悪いのかな。
でも、スライムだからね。
移動するスライムをソノママニ。
2人共一息。
その後に。
アルロがさっき見付けた。
野芋を掘りに移動したよ。
丸く踏み倒した草の中に。
黄色い葉っぱが一杯落ちてて。
細い蔓も沢山落ちていた。
おう!。
この場所、これ凄くないか。
踏み倒した草の上で良く見る。
アルロ、これ凄くない。
黄色い葉っぱが凄くあるよね!。
こおゆう場所を見付けたら。
野芋が埋まってるんだよねぇ。
おおぉ~。
あっ、野芋を掘るのだけど。
これから、どうするんだっけ?。
乱棒に掘ったらダメって。
傷が付くと価値が下がるって。
ヒビカさんに言われたよね。
真剣な顔で、、。
えぇとシン。
ヒビカさんに貰った説明の紙は?
持ってるでしょ。
あれに書いてあるでしょ。
シンも見てよ。
うおっ。
説明書、説明書。
背負った麻袋の中の説明書。
麻袋を地面に置いて。
紙を広げて良く読まないと。
えぇと、なになに。
2人で頭を突き合わせて。
説明書を覗き込む。
アルロも良く見てよね。
芋を見付けたのはさ。
アルロなんだからさぁ。
勿論!掘るのも当然アルロだよ。
エェ~!僕が掘るの!。
失敗が怖いんだけど、、。
あぁ、なんだか嫌なんだけどなぁ。
まあまあ。
芋堀だからさ。
アルロなら大丈夫だって。
説明書には、、。
俺が声を出して読んでいく。
頭より、声出しだよね。
エェ~と。
芋の有りそうな場所は、、。
あまり踏み荒らさない事。
落ち葉と蔓を良く見て。
慎重に地面を良く探して行く事、、、。
くれぐれも慎重に。
地際に残って生えてる、はぁ?。
蔓を見つける事だって。
落ち葉と一緒に落ちている蔓?。
蔓ってこれだよね。
これの?この根元を探すの?。
この草の中から?。
本気?はあぁ。
紙を見ていたアルロが。
立って振り返った。
落ち葉の有る所を見てるよ。
シン。
残ってる草を少しずつ刈ろうか。
何とか蔓の根元を探そうよ。
良い?。
おっ、ヤル気のアルロだ。
ああ勿論良いよ。
麻袋。
ギルドで借りた道具には。
草刈りの奴もあったよね。
じゃあ慎重に下草を刈りますかね。
それからは2人で。
慎重に草を刈りを進めていったよ。
冬枯れの草と青草を刈って行く。
しゃがんで刈ると、草が顔に擦れて。
微妙に痛い、ヒリッとするんだよ。
少し刈っては観察して、、。
少し刈っては観察して。
蔓、、。
、、。
あれ?。
草、、全部刈っちゃった、、。
ん!蔓の根元は?。
アルロ。
草、刈り終わったけど。
芋蔓の根元だっけ。
俺の方には無かったと思うんだけど。
あれぇ?、、。
アッレ~?。
僕の方も見つからなかったけど。
おかしいなぁ。
刈った後を。
もう一回見直しだね。
分かったよ。
見直し、見直しっと。
有るはずだもんね。
慎重に後ろに下がってと。
手元に、、。
ん。
これは、蔓か?。
有ったかも。
もう少し下がって。
しゃがみこんで。
蔓を、、ツンツン。
おおっ。
アルロ~!あったかも。
ここみてよ。
蔓を見たアルロが笑ったよ。
当たりだね。
シン。
それが根元の蔓で良いんじゃないかな。
やっと見つけたね。
後は掘るだけだよ。
やった。
この芋堀はアルロの仕事だね。
さあ説明を見て、慎重に掘ってね!。
あと、何もないと思うけど。
俺は周りを見てるから。
それからアルロは掘り始めたよ。
ギルドの芋堀道具、、。
シャベルかな。
蔓の遠目から掘っていく。
草に根っこが邪魔みたいだね。
木が生えてないだけ良いけど。
ガサガサ、ジャクジャク。
掘り始めて。
30分位かかったかな。
見事!結構大きい芋を手に入れた。
さっきのスライムより大きいよ。
まだ黒い土が付いてるけど。
外皮の色は黄色っぽいかな。
ソフトボール並みだ。
やったね!アルロ。
その芋、大きいじゃないか。
重そうだよ。
ああシン。
ズッシリと重いよこの芋。
やったよ。
アルロが慎重に麻袋に芋をしまう。
芋を掘った穴を埋め戻してと。
アルロお疲れ様。
一休みにしないかい。
まあ。
俺は、あんまり疲れてないけどさ。
はは。
うん、僕は休みたいかな。
2人で刈った草の上に腰を下ろした。
野芋堀。
幸先よくアルロが1つ掘り当てた。
俺は?。




