野芋堀作戦?
人気者の野芋。見つかるかな?。
アルロと2人。
ギルドでお勧めの仕事を引き受けた。
ヒビカさんの御勧めだよ。
まずは、昼の御飯を調達の為に。
朝市の出ている広場へ向かう。
アルロと話しながら。
ジャーレンタの往来を歩いて行く。
ヒビカさん。
2人で頑張って。
たくさん取って来てねなんて。
ニコニコして言ってたね。
好きなのかな、芋。
ああ言ってたね。
そんなに美味しいのかなぁ?。
野芋、、。
僕達でも見つかると良いけどなあ。
えぇ~と。
僕達は食べた事無いよね?。
うん、無いでしょ。
良い物は、食べた事無いよぉ。
だって高いって言ってたじゃない。
確かに俺も思うよね。
みつかるかなぁ~野芋。
町の人も探してるらしいし。
う~~ん。
まあ、それでも探して歩くだけだね。
うぅああっ。
まだ朝早いから寒いよ。
そんな時は食べ物の話でしょ。
俺は、今日の昼ご飯は、、。
広場の露店でパンを買うよ!。
最近のパンはホントに美味しくて。
最高じゃない。
あぁ~。
塩漬けの野菜挟みパンと、、。
小さい方の、、。
チーズ入りパン!。
この2個を買うよ。
アルロは何にする予定?。
あはは。
シン、突然じゃないか。
まだ考えてないよ。
広場に行ってから考えるよ。
でも、、。
そうだねぇ、ん~~。
串焼き1本と、あと、。
チーズ入りパンかな。
2つとも美味しいからね。
串焼きかぁ~。
あぁ~アルロ~。
それも捨てがたいよ~ねぇ。
食べ物の話は良いよね!。
あぁ~迷うなぁ。
話しながらだと。
直ぐに朝市が始まってる。
広場の入口に到着。
アルロは宣言の通り。
パンと串焼きを買っていた。
串焼きは持ち帰りだと。
大きな葉に包んでくれるんだよ。
パンは自分の布袋へ入れて。
ギルドで借りた麻袋にしまった。
俺は、、、。
塩漬けの野菜パンと、、。
チーズパン。
ヤバいよ。
今月の予定のお小遣いが、、。
ズボンのポケットには。
小さい皮の巾着の財布が入ってるのだ。
中身は銅貨ばかりだけどね。
お金、、使い過ぎない様にしないと。
そう。
俺にも自由に使えるお金は有るのだ。
見習いでも、ある程度は稼げるからね。
まあ、その仕事の対価は安いけど。
15歳からが正式な冒険者で。
仕事も対価も公正に貰える様になる。
俺もあと少しだよ。
買い物を済ませて。
2人で。
朝市の広場の隅にある椅子に座る。
今日の相談だよ。
アルロ。
芋堀だけど、、。
何処ら辺に向かう事にする?。
えぇと、何処から始める?。
う~~ん。
シン。
何処って言われても。
僕も全然分かんないけど。
街道が4本この街から出てるでしょ。
そこからでしょ。
南門を出れば。
ミーレ川の方?でしょ。
それに、、。
ワヒットさんの家、、、の方?だよね、。
野菜畑とかの方。
西門の方は。
街道の傍に藪が、幾つか有って。
その少し先にあるのが。
リイーレの森の方?。
果実取りとか、実拾いとかしたよね。
北門の方は、、。
何だったかな、、。
ああ、遠くに。
ラビリンスが有るんだっけ?。
こっちはあまり、行かない方が良いかも。
えぇ~と。
冒険者の人が多そうで。
ちょっと、僕は怖いかっも。
東門の方は、、。
全然知らないよね。
僕は知らないや、。
まあ、。
最初だからね。
ジャーレンタの町の周りかな。
町の周りの草原とか。
歩いて小藪の中を探したりで。
まあ良いんじゃないかな。
だけど、ヒビカさんの話だと。
あんまり見つかりそうには無いけどね。
あ~ぅ。
そうだっけぇ~。
あんまり見つからないかもねって。
ヒビカさん。
そんな事言ってたね。
でもさ、、。
俺達さぁ、、。
運良く、見つかるかもしれないじゃない。
この前みたいにさ。
えへへ。
じゃあ、南門の方から出てみようよ。
門を出て少し歩いてからさ。
街道から離れて。
左か右か。
弧を描きながら、、。
どちらかへ進んで、この町を1周して。
それでぇ、町から少しずつ離れながらさ。
グルグルと進むんだよ。
いや~良い作戦でしょこれ~。
俺考案の、グルグル虱潰し作戦!。
これなら野芋が見つかるでしょ。
ねえアルロ。
ん。
隣で座る親友が、、。
アルロは俺の方を見て黙り込んだ。
あらら、、馬目?。
シン。
その作戦は、ちょっと。
大胆過ぎない?。
ふぅ~。
僕たちの移動が広すぎじゃないかな。
芋を見つけて堀る前に、凄く疲れるよ!。
歩き疲れちゃわないかな?。
そんな気がするんだけど。
あらら~。
はは、駄目か、、。
はぁ、大胆。確かにね。
適当過ぎ?かな。
移動が多いか~、やり過ぎかな。
う~。
それじゃあ。
シンの作戦を少し変えようよ。
移動する場所を減らせば良いんだから。
あぁいや、、距離かなぁ。
え~と、例えると。
南門と、、西門の間の草原とかを。
町から外へ離れながら。
シンの作戦を4つに分けてするんだよ。
今日は、その内の1か所を探すの。
弓なり移動は、、そのままでかな?
交互に行って帰って、探していくとか?。
あ~説明が難しいよ。
どうせさ、この仕事始めたら。
1日じゃ終わらないでしょ。
野芋探し。
う~ん。
確かに、まずは探す行き場所に困るね。
まあそうか、地味に行くしかないかな。
じっくりと歩いて、探すだけだ。
うん。
分かったよアルロ。
バッチリ決まった。
その作戦で俺も良いよ~。
とにかく南門に行こう。
よぉ~し、いよいよ芋探しだね!。
朝市の広場の椅子から立って。
町行く人と同じように歩いて行く。
まだ朝の内だから。
町の外へ向かう人の流れには。
移動する冒険者の人たちも多いよ。
1人、、。2人組。3人組。、、。
あぁ~。
どんな仕事をするのかな~。
冒険者の身なりも色々だよね。
剣。槍?。色んな弓。杖、、。
ああぁ、コソコソと見てるだけで、、。
なんかウキウキするんだ。
ホントに凄いよ冒険者の人達は。
色使いが派手な人もいるし。
青い羽根が数枚付いたマント?。
緑色の奇麗なローブ?。
良く分かんないけど凄いよ。
赤色の丸盾とか、黄色い皮帽子。
とにかく目立つ人がいる。
アルロ。
冒険者の人達ってさあ。
歩く姿を見ているだけでもさあ。
何か感じるって言うかさあ。
いいなあぁ、ってさ。
俺思うんだよね。
シンは。
冒険者に憧れてるのかな。
それとも冒険にかな。
僕はその気持ちが羨ましいよ。
僕は、ちょっと怖いかな。
えっ!。
アルロ、、。
そうなんだよね。
アルロは多分冒険者には憧れて無い。
もう何度も言われてる。
凄く悲しい現実。
付き合って冒険者へとは。
俺も無理強いはシナイよ。
強くは誘えないんだ。
あぁ~。
でもね、、、。
最初の内は良いよね。
アルロ。
親友に付き合ってよ。
1か月。2か月。、、、半年。
それだけでも良いんだよ。
あの。
迷宮。
ラビリンスなら。
石のラビリンス。
不思議のラビリンス。
俺は。
そう思う事にしたの。
だってさ、、。
あぁ~言えないよ。
悲しい思いを振り払って。
進み行く。
2人で南門から出て。
土と砂利の街道を進んで来たよ。
30分ほど歩いた所で。
足を止めて振返れば。
街道の先に。
ジャーレンタの町の街壁が見える。
アルロ。
ここから見ると、ジャーレンタの町って。
案外、大きくて立派に見えるね。
ホントにね。
シン!みてよ。
町に、あんな塔も有ったんだね。
高さも、、結構高いよね。
僕達は2人で。
何回か町の外で仕事をしたのに。
あの塔を見ていなかったな。
アルロが右手を伸ばして。
先の塔を指さして、俺に話す。
見つめる町の上は青空が広がり。
俺達2人の頭上も青空が高く。
ああっ気持ち良いけど。
寒いよぉ~、ブル。
あの街壁も、高くて立派じゃない。
それに凄く横に長いなぁ~。
ホントだね。
ジャーレンタの町。
僕たちの町だよね。
ああっ。
真っすぐ横に伸びてる街壁だけど。
確か、、町は四角い形だったかなぁ。
その長さはどれ位なんだろうか?。
1辺が800m位でだと、4辺で約3.2㎞?
1㎞なんて無いよねぇ、、半分、、?。
おおっ。
高さは、、さっき門を通ったから、、。
えぇと壁は多分4m位、、かな。
俺もジャーレンタの町の中を。
全部なんて知らないし、、、。
いや全然知らない!。
ん、意外と大きくて広いのかな。
その街壁越しに、幾つかの屋根が見える。
アルロの言う通り。
少し大きな街主の建物と、尖塔も見えるね。
この辺から。
西門の方の街道に向かわない。
えぇ~と。
2人で少し離れて歩いて進もうよ。
あの、先に見える藪が目標でどうかな。
よし、それでいいよシン。
先ずは探しながら調整して行こうか。
黄色い落ち葉だっけ。
あるかなぁ~。
シンはそこに居て、僕が外側に離れるよ。
アルロが10mくらい離れてくれた。
足元の下草は。
俺の膝より高かったり低かったりだ。
野芋、何んとか見付けたいよね。
アルロ、その位で良いんじゃない。
離れすぎても見逃しちゃうよ。
良いよシン、始めよう。
足元に気を付けてね、シン。
あぁ~!。
ダンケロさんのナイフを準備ね!。
安全に行こう。
1回目の芋探し行進は空振りでした。
アルロ。
街道の手前で向きを変えようよ。
人が歩く所の近くは無いと思うんだ。
確かにそうだよね。
じゃあ、今度は反対に行こう。
2回目の芋探し行進は黄色い落ち葉を見つけた。
アルロ。
この堀跡ってさあ、野芋が有ったのかな。
落ちてる葉っぱ、、これ芋のだよね。
うん。
芋の葉っぱだね。
枯れた蔓も、、ほら有るよ。
発掘現場を後にして。
さらに進み、反対の街道手前で折り返す。
そして、3回目の芋探し行進は、。
シィ~ン。
ここ、ここだよ。
見て!見て!
アルロが叫んだ。
こっちに手を振ってるよ!。
よし行こう。
そう思って、1歩踏み出したら。
ムニュ。
転びそうになったけど。
何んとか耐えて前に進めたよ。
は~ぁ。
何だ、なんか踏んだぞ。
後ろを振り返って下を見れば。
下草の中に。
薄緑色のソフトボール?。
半透明で向こう側が透けてる。
おぉ~。
こいつが。
スライムか?。
ムニュムニュと動いて。
俺から離れていく。
えぇ~と。
あいつは。
モンスター。
だよね。
小さくてプニプニ?。
初モンスター。
定番のスライムですね。




