有難い助言
何事にも、経験者の助言は大事。
さっきはジャックさんに脅かされて。
死ぬかと思ったよ。
まあ、俺は落ち着いたけど。
アルロなんてさ、、。
未だに挙動不審だよ。
キョロキョロとしててね。
まだ周りを気にしてる始末なの。
まったく!。
ギルドの支部長で、偉い人なのに。
俺達みたいな若いのを虐めてさ。
それに無自覚だし。
ジャックさん、、駄目じゃん!。
受付の窓口の前で。
小声で悪口を囁いてると。
隣でアルロも小声で苦情が、、。
さっきは。
本当に、体が硬直したんだよね。
ビクンって、、。
ジャックさんの、、凄い声だったもん!。
凄い冒険者って、皆ああなんだろうかな~?。
あっ、でも、、、。
ロイスさん達は、あんな声じゃ無いね。
普通って言えるよね。
ホントにさ、アンナ事でさ。
冒険者さん達の、ランクの違いが判るよね。
ジャックさんは、、まあ。
声だけで、、違いすぎだよね。
流石支部長って言えば、、。
良いのか?。
少し疑問ではある、、。
よね~?。
はあぁ。
おっと。
仕事の受付、受付。
目の前には、ヒビカさんが居るんったよ。
2人で、ヒビカさんの方に注目だよ。
振りむけば。
御機嫌斜めの受付嬢!。
うっ。
ホントにもう!。
2人共、支部長の事は。
もう良いからね!。
あれでも悪気は無いんだから。
高ランクの人は、、。
もう!。
あんな駄目な大人の事は。
置いておきなさい!。
それよりも。
ははっ、。
ヒビカさんが。
支部長に×印だね。
真顔で俺達の方を見てるけど。
いつもと雰囲気が違うもん。
ヒビカさんが。
目を瞑り皺を寄せて。
掛けてないけど。
見えない眼鏡をね。
右手の人差し指でね、こう!。
キュキュッと、、調整してる姿が。
見えて来そうだよ。
あっ。
仕事の説明を聞かないと。
それで。
2人の仕事だよね?。
シン君。アルロ君。
さっき二人っが言ってた。
今までのと違う事。
なにか新しい仕事だっけ。
あそこには張り出してないけど。
今からの時期だけの仕事が有るわよ。
まあ、冒険者の人は受けないのよ。
でもね町の人達は皆知ってる作業よ。
だから仕事とするのは微妙なの、、。
でもね、そんな作業?だから。
あなた達。
仮冒険者向けなのよ。
おや~ぁ!。
何だか雰囲気が変わった?。
今度は楽しそう?。
首を傾げちゃうよ不思議だ。
うふふ、、。
季節物って事なのよ。
町の外の仕事なんだけど。
そして基本的にだけど。
危険度は低いの。
へぇ~、ヒビカさん。
冬の時期だけの、仕事なんですか?。
そんな仕事有ったんですか~。
でも、でも、冬だし!町の外!、、。
ううっ~考えただけで寒そうです!。
何だか寒そうな仕事じゃないかな。
嫌な予感がするよ。
あら、、。
そんな心配いらないと思うけど。
寒いなんて。
この仕事を始めれば。
汗が出てくると思うわよ。
えぇ!汗が出るような仕事なの。
意外と重労働なのか?。
ヒビカさん本当ですか。
う~ん。悩みますね。
寒いんだか熱いんだか?。
アルロはどんな感じするかな。
アルロにも聞かないとね。
俺の親友のイケメンは。
後ろ襟の金髪を右手で梳きながら。
微妙な顔で、答えてくれた。
そうだね。
ここ最近は天気も良いし。
町の外も良いかなって思うけど。
そうだねぇ~。
久しぶりに遠出?。
う~ん。
危険も少ないらしいから。
その仕事で良いんじゃない。
シン、やろうよ。
おっ。
アルロの了解が出たね。
そうだねアルロ。
じゃあ2人で。
その仕事受けようか!。
ヒビカさん。
俺達、その仕事やります。
序でだけど、町の外も行きたいし。
新しい事にも挑戦します!。
えへへ~ぇ。
アルロと向き合って。
景気付けの、、。
よ~~~し。
アルロ~~ォ!。
イエ~ェ~~ィ!。
「パチ~ン」
調子に乗って、、。
つい。
2人で。
ハイタッチしちゃった。
あはぁ。
ギルドに居た数人の人が。
冒険者の人とかだよね。
見た目でだけど、、。
俺達の仕草に注目してるよ。
急に「パチ~ン」とか響いたから。
うん!二人の手から。
良い音が出たもん。
あぁ~気分良いよ。
ハイ・タッチか。
ハイ・ファイブかな?。
あ。
ごめんなさい。
はは、、。
受付ですぐ近くに居た。
ヒビカさんも、音の被害者かな。
目の前だったからね。
目を見開きで。
ビックリしてるよ。
なッ・。
なァ、、。
2人共!。
なんですか、、今のは?。
もう、ビックリさせないで!。
もう!。
やばい。
ヒビカさんが。
ちょっと怒ってる?。
まだ良いじゃないですか。
俺達がさっき受けた被害より。
目の前で見えてたから。
とか思っていたら。
当ギルド内で。
あまり変な事は。
迷惑行為です、しないで下さい!。
御2人の評価にですが。
稀ですが響くかもしれませんよ。
見る人に拠りますが。
まだ、仮冒険者なんですから。
普段の行動1つにも。
御注意を怠らないように。
積み重ねが大事ですよ。
私見ですが。
一言進言をさせていただきました。
それでは。
お仕事の御話でしたね。
うあぁ~~。
何て事だ。
ヒビカさんが!あのヒビカさんが!。
姿勢を正しビシッと。
純正統派・受付嬢モードにチェンジした!。
あの~。
すみませんでした。
2人共ハシャギマシタ。
これからは気を付けます。
だから、ヒビカさん許してください。
前みたいな優しいヒビカさんで。
俺達に接して頂けると、、。
幸いです。
やっべ~ぇ。
大人の女性は怖い!怖すぎる。
これも言えないけど、、。
「大人げない」行動。
だよね。
まあ。
2人で御免なさいをしまして、、。
アルロ君!シン君!。
これからは注意して行動ね。
許してあげます。
やったよ。
良かったよね。
許された。
アポロジャイズ的?。
人間の沸点とかスイッチとか。
良く分かりません。
それで。
町の外の仕事なんだけど。
端的に言うと。
「野芋堀」ね。
いもほり。
野生種の、丸形の芋の採取です。
えっ。
いもほり!。
野芋はね。
凄く甘くて美味しいのよ。
言わば、そう冬の贅沢品よ。
夏とか秋の果実も良いけどねぇ。
糖度が数段上なの!。
食べ方もね。
蒸して良し。
焼いてよし。
加工しても、、。
その口当たりもね、、。
アァ~ッ!。
受付の窓口で。
椅子に座ってるのに。
何だか語る様子に段々熱が、、。
ヒビカさんが逝っちゃってる。
ふ~ぅ。
だけど町の近くだと、、。
あまり良いのが見つからないのよ。
もうねぇ~皆が探すから。
これは。
世に言う、、乱獲。
それは、、資源枯渇。
でもね。
私、考えてたのよ。
違う人が。
慣れた人と、違う目線で探せばよ。
まだまだ。
良い野芋が見つかると。
ねえ、考えない、思わない?。
アルロ君。
可能性がありそうでしょ。
シン君。
だからね。
是非とも2人にも野芋堀にね。
参加してほしいのよ。
アルロ君、シン君。
私のお勧めの仕事は「野芋堀」作業よ。
うふふ。
ね!。
新しくて良い仕事でしょ。
ね!。
はあぁ。
そんなもんですかね。
芋堀ですか。
まあ素人に幸運が訪れる事も、。
ありますけど。
うん、。
確かに作業は?新しい仕事かな。
芋堀だけど。
けど、、。
芋を探して、歩き回るから。
意外と寒くないかも、。
いやいや!
何だか、なぁ~。
んんんん。
ヒビカさんの、俺達を見る目が、、。
微妙に見上げてくる視線が!。
ウルウルしてる気がする。
そんなに食べたいのかな、、。
芋。
、、。
芋を見つければ。
その芋を掘るから。
嫌でも体を動かすね。
芋が大きければ、大仕事だし。
掘るのに、ふうふうと息が上がり。
気温は低いのに。
汗が噴き出してくる、、か。
ヒビカさん。
その芋堀の注意点とかは。
何かありますか。
後は、芋って土の中ですよね。
芋をどうやって見付けるんです?。
アルロは何か知ってる。
芋堀の事。
僕は全然知らないよ。
どう掘るのかも知らないよ。
ですよねぇ。
ヒビカさん芋堀の助言は?。
おお!
良い笑顔のヒビカさんが。
右手で紙を差し出してきたよ。
はい、この紙にね。
芋の見付け方と掘り方が。
丁寧に書いてあるから。
2人で良く読んでね。
野芋はね蔓が伸びてね。
背の低い草の中や。
藪とかに自生してるの。
草とかに巻き付いて上に伸びるの。
宿親と共生してるのよ。
葉の形はそれにも書いてあるけど。
細長く歪んだハート形ね。
今の時期だと葉が黄変しているから。
探せば目立つはずなの。
蔓の近くか芋の近くに。
いっぱい落葉してるかね。
蔓を辿って地中の芋を探すのよ。
掘る時には慎重にね。
あぁ~。
今年は、沢山見つかると。
良いのだけど。
掘る道具のシャベルと。
掘った芋を入れる麻袋は。
ギルド裏の倉庫で借りられるからね。
あと、良い事はね。
「野芋」は買い取る値段が高いのよ。
重さ、形、大きさ、色もね。
色々評価して値段が決まるの。
うあぁ~。
ヒビカさんが饒舌になってるよ。
人を変える、そこまでなのか、、。
芋だけど。
じゃあ。
これからアルロと俺は。
裏の倉庫で道具を借りてから。
芋探しに町の外に行きますけど。
お勧めの地域とかあります?。
え~と。
リーレイの森なら有るけど。
町の周囲の草地だと。
見付ける可能性は低いかな。
町の人も、自分用に探してるから。
だから2人で考えて探してね。
知ってる場所だけでね。
でも。
危険なのは駄目。
他の森とか。
知らない森の中とかには。
絶対に行かないでね。
無理と無茶は駄目。
正しい自己判断をする事。
冒険者の基本で鉄則よ。
だから。
考えて探して。
うふふ。
今日は、楽しみに待ってるわ。
え~と。
意外と芋堀の難度が高くないです?。
でも、買取が高いって良いな。
はぁ。
芋、、見つかるかな。
アルロ。
行こうか。
ああ。
野芋って、見つかるかな?。
シン、昼のパンも買っていこうよ。
広場の屋台で、良いの有るかな。
芋堀、、。
これ確実に、、1日かかるよね。
シンとアルロの14歳の冬。
年が明ければ15歳。
正式な冒険者です。
でも今は、、。」
芋堀が仕事。




