表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/162

冒険者

冒険者もねぇ。


今年の冬も冷え込みが厳しい。

まだ12月の中旬なのに。


毎朝。

孤児院の藁のベッドから。

なかなか起きれないよ。

壁の高窓の隙間から。

薄ら光りが差す。


その光を見て反対側に寝返りを打つ。

静かな部屋に、かすかに聞こえる。

仲間の寝息。


ウトウトとまた寝そうになった時。

コソコソと足音が聞こえてくる。

廊下側の都が開いて。

声が聞こえた。


  みんな朝だからね。

  起きてちょうだい。

  アルロ!シン。

  ほらほら起きて!。


リビエさんの元気な声が部屋に響く。


  ラッエ!あなたも起きなさい。

  もう!早く起きて。

  ラッエ!しっかりしてね。

  あなた。

  こんなだと来年から!。

  一人住まいをするんでしょ。

  自立するんでしょ。

  シディリーさんが困るわよ。


そうなんだよ。

先日の事なんだけど。

ラッエが一人住まい宣言をしました。


まあ今年、15歳になってもね。

女の子って事で1年間。

ちゃっかり、孤児院に居候してました。

まあ色々と手伝いもしてたし。

居候分は、薬屋さんの給料から。

幾らかのお金を払ってたようです。

そして自立する、、らしい。


  さあ起きたら。

  着替えて支度をね。

  顔を洗って!朝食よ。

  ミモリー!起きなさい。


さてと、起きますか。

  

 アルロ~。おはよう!。

 あ~、今朝も寒いね。


  おはよう、シン。

  みんな!おはよう。

  リビエさん。おはようございます。


さすがアルロ。

いつも、そつがないよね。

さあ準備!。

起きて食堂へ行こう。


朝食の準備中に。

椅子に座っていたルシーナが。

食器の配膳で後ろを通った俺に。

振りむいてニコニコしながら。

話しかけてきた。


  ねえ~、ねえ~・

  シン兄~~ぃ。

  この前の~、御話の~。

  2番目の~、御姉さんね~。

  えへへぇ~~。

  良かったよねぇ~。

  うふふ。

  お嫁さん。

  きゃ~~~~!。

  ミモ~~~。

  

隣に座ってるミモリーと手を繋いでる。

ミモリーも笑ってる。


  ルー~~~ゥ。

  お嫁さんだよ。

  キラキラの馬車。

  白いお馬さんも~!。

  うふうう~~。

  ルー~。

  カッコいい王子様だよ。

  良いね~~。


やばい。

朝からチビ2人が可笑しい。

ルーとミモって呼び合ってるの?。

知らなかった。


この前2人に。

聞かせた御話がイケなかったか!。

何んとなく覚えてた童話を。

適当に。

アレンジし過ぎたか。


  ねえ~ねえ~。

  シン兄~~ぃ。

  また、御話を聞かせてね。

  ね~!。


ルシーナが言えば。

ミモリーも続く。


  私も!。私も~!。

  シン兄。

  約束!。

  素敵な御話。

  まだ知ってる?ある?。


朝から、2人してのお願い、、か。


 ああ。2人共、また今度ね。

 勉強の時にね。

 リビエさんに聞いて。

 お許しが出たら。

 違う御話を話すよ。

 

 違う御話は。

 まだ知ってるからね。

 もちろん大丈夫だよ。


  やった~。

  シン兄!有難う。

  楽しい話だよ。

  絶対だから!。

  怖いのは要らないからね。


  あたしも~!。

  怖いのは駄目だよ!。

  夜にね、寝る時にね。

  おトイレに、、行けなくなるんだよ。

  夢も見ちゃうんだから!。


  う~、アル兄のはね、、。

  怖かったから、、。


 あはは~、アルロ~。

 2人共、もお怖いのは嫌だってさ。


あはは。

朝から。

アルロも笑ってるよ、、。


食事中も色んな話をしてた。

そんな感じで楽しかった。

だから、あっと言う間に。

食べ終わっちゃった。

さあ、片付けをして。

出かけようか。


今日もギルドに行って。

俺達に出来る仕事を探そう。


 リビエさん。

 ギルドに行ってきますね。

 多分だけど、2人で出来る。

 半日仕事を見つけて、やりますから。

 もしかしたら、1日仕事かもだけど。

 さあ、アルロ行こうよ。

  

  ああ良いよ。

  行こうシン。


後を。

リビエさんに託て。

外出用の上着を羽織り。

孤児院の裏口へ歩いていく。


  仕事、気を付けてね。

  行ってらっしゃい。


2人でリビエさんに。

返事をするよ。


 行ってきま~す。


  きま~す。


修道院の敷地を出て。

道の端を歩いて行く。

馬とか馬車とかも通るので。

意外と危ないの。

ジャーレンタの町中を。

ギルドに向けてテクテクと。

2人で歩いて行くよ。

歩きながら。

隣にいるアルロに。


 アルロ~。

 今日はさぁ~。

 冒険者ギルドにさぁ~。

 何の仕事が有るかな~ぁ?。

 最近ね~、思うんだよ。

 俺はさ~ぁ。

 偶にはさ~ぁ。

 変わった仕事とか~ぁ。

 してみたいんだけどなぁ~。

 何かないかなぁ~。

 アルロは、そんな事。

 考えたりしない?。


そう。

歩きながら。

ダラダラと、気の無い。

お喋りをした。


  えぇ~~~。

  シン!。

  行き成り、何なのさ。


  ギルドの?。

  変わった仕事?。

  う~~ん。

  何かあるかなぁ。

  今のままじゃなくて?。

  

  気分が変わって。

  良いかもね。

  だけど、、。


  慣れない仕事だと。

  怪我とか。

  失敗とか。

  なんか、、。

  しちゃいそうだし。

  どうだろう?。

  う~ん。


アルロは慎重派かな。


  そうだ!。

  新しい仕事があっても。

  どんなか。

  分からなかったらさ~ぁ。

  受付のヒビカさんに。

  内容を聞けばいいんだよね!。

  そうすれば良いんだ。


  まあ、だけど。

  シン。

  新しい仕事が有ったらだけどね。


 うん。

 確かにね。

 ヒビカさんに聞こう。

 それが!正解だね。



お~~!。

よしよし。

意外とアルロも大丈夫そうだ。

何んと無く言ってみたけど。

これは楽しみだね。


足取りも軽く進む、、。

けれど。

冬空が良く晴れて、、、。

ううぅ、寒いよ!。


寒さを堪え。

道中何事もなくギルドに到着。

混み合う時間は過ぎているので。

ギルドの中は人が少ない。

良かったよ。


見た目の怖い冒険者にも。

少しは慣れたけどね。

冒険者の人が少ないのは。

気持ち的に、、。

楽だよ。

うん。


だから、すんなりと。

仕事が張り出されてる所に向かい。

早速。

2人で出来る仕事を探すよ。


でもね。

俺達の出来る仕事は、、、。

初心者用の仕事の、、、下。

超初心者向けだけだよ。

仮冒険者だからね。

危険なのとかも無いし。

基本的に数が少なくて、、。

種類もね、、。


 何か良いの無いかね~ぇ。

 う~~ん。


ここは、アルロに任すか。


 アルロ!お願い!。

 良い仕事を探して。



  エェ~!

  僕が探すのかい?。

  じゃあ。

  シン。

  ほらあそこ。


  上の方に有る紙に、、。

  町の外の、農家の手伝いが有るよ。

  知らない人の名前だから、、。

  農家、、。


  あ~ぁ多分だけど、、。

  収穫した野菜を町に運ぶ奴だよね。

  荷車を押す重労働な仕事かな。

  違うかもだけど、、。


 アルロ~ォ。

 今日は~、農家の御手伝いは、、。

 無しで。

 他ので、お願いします。


思わづ、丁寧語!。


  う~ん。

  じゃあ、久しぶりに。

  町の中で荷物の配達は?。

  ずいぶんやって無いけど?。


  あっ、パン屋さんのも有るよ。

  どれも、今までヤッタ事有る仕事だね。


  ねえシンは、、。

  どう思う?。


 それもねぇ~。

 う~ん。


  エェ~!。

  もう!。

  不真面目だよ。

  シンも仕事を探してよ。


ヤバいヤバい。

アルロに怒られちゃったよ。

でもねホントに。

良いのが無いんだよね。

仕事。


 アルロ御免ね。

 ホントに変わった仕事って。

 初心者用のに無いよね。

 ここに張り出してるやつだと。

 俺達2人は。

 一通り熟してるもんね。


そんな風にアルロと2人で。

仕事探しをしていると。



  おう!

  

  久しぶりじゃねぇか。

  なんだ。

  おまえら。

  男2人、揃って仕事探しかよ?。

  

  時間が遅いんじゃないのか。



後ろから。

イキなり声をかけられた。

すごく大きな声だったから、、。

その瞬間に。

ビクンと、体が硬直したよ。

金縛り!かと思ったよ。


「おう!」の掛け声がヤバかった。


俺は。

ゆっくりと振り返ると。


腕組みをしたジャックさんが。

俺達の直ぐ後ろに立っていたよ。

居たのが全然分からなかった。

これは怖いよね。


はぁ。

大きな溜息が出たよ。



 ふうぅ~~。


 あぁ~~。

 ビックリしたぁ~~。

 死ぬかと思った~ぁ。

 

 脅かさないで下さい。

 あぁ~~。

 俺の心臓がぁ。

 まだドキドキしてる。


左胸の心臓の上に。

右腕の手のひらを当てて。

息を整える。

横に立つ俺の親友は、、。


 アルロ~大丈夫?。


親友の答えは無いよ。

アルロは、まだ硬直してる。



 ジャックさん。

 アルロを見てください。

 いきなりの。

 「おう!」の声で。


 たぶんだけど。

 アルロと俺。

 今さっき此処で。

 死に掛けましたよ。

 確実に。



  は~ぁ。


  何を言ってんだ、コラ!。

  お前、何が!死に掛けただ。


  こんなの普通だろうが!。  

  唯の冒険者の挨拶だろがよ!。

  お前!こんな事でビビるなよなぁ。


  たく、、なってねぇなあ。

  

  お前ら。

  あとで。

  ヒビカにでも聞いてみろよ。

  冒険者なら如何なのかってな。


  いまのが普通の「挨拶」だって。

  言うはずだからな。


 いや!。

 ジャックさん。

 俺は違うと思いますよ。


 ヒビカさんに。

 こう言われると思いますよ。


 「大人げなかったって」、、。



  あぁ~!。

  シン。

  おまぇ、、、。


 あっ。


あっ。

受付に座ってた。

ヒビカさんがこっちに。

歩いて来てくれたよ。

やったぁ~。


  支部長!。

  ジャック支部長。

  仕事探し中の新人の。

  シン君達2人と、何のお話を?。


  支部長から新人への。

  アドバイスですか?。

  

  それに。

  アルロ君!。

  アルロ君?、、アルロ君?。

  あらあら。


呆れた目で。

ジャックさんを見つめてる。

ヒビカさん。

ギルドに入って来た時から。

俺達の事を。

見ててくれてたのかな。


  

  あっ。

  ヒビカさん。

  お早うございます。


  えぇと、俺達は。

  今日の仕事を探してます。

  えぇ~と。

  今までに熟していない。

  新しい仕事とか。

  良い仕事ありませんかね。


  あっ、ジャック支部長。

  お早うございます。



アルロは。

ヒビカさんに復活してもらったよ。

さっきのショックで。

ちょっと返答がズレてるけど。

それは、しょうがないよね。




  新しい仕事?。

  

  良いのが有るわよ。

  

  アルロ君、シン君。

  新人の君達でも大丈夫な仕事よ。


  うふふ。

  

 


新人の新しい仕事は。

さてさて。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ