重要参考人
2人の語らいと。
昨日は凄かったよね。
今。思い出しても凄かったよね。
ダンケロ親方は、あっと言う間に。
あの小石から取り出した、アクアマリンを。
小さな「宝石」を、たった3個の道具を使って。
銀の指輪に嵌め込んじゃった。
ほれ出来たぞ、2人とも。
うん!
これ良いじゃないか!。
石の型が整ってて、元が良かったからな。
う~ん。上出来の部類だな。
まあ、俺にかかれば、これ位は簡単なもんだ。
はははっ。
親方が。
治具から外した指輪を摘まんで。
その出来を見て確かめたよ。
また!上出来の部類だって言ってる。
親方の上出来ってヤバいんじゃ、、。
前のナイフと言い。
この指輪もなの!。
奇麗に光るアクアマリンの指輪だけど。
俺たち二人、親方の反対側。
テーブルの対面に座ってるけど。
うん!
指輪の銀色と。
小さいけど青が奇麗に見えるよ。
はぁ~。
目の前で凄いのが出来たよね。
ほれ。
シンもアルロも持ってみな!。
奇麗な指輪。
でも、俺には使えなかったよ。
4つの生活魔法が使えちゃうからね。
この指輪は。
アルロこそ必要な道具っだよ。
そして、親方が言ったんだ。
元々がゴミだろ?。
倉庫のゴミだって言うからな。
俺の物って言われてもなぁ~。
良い気がしないって事だ。
指輪が良いモンでもな。
ピンと来ねえんだなぁ。
だからな。
これは、お前らのオモチャにやるよ。
お前らがゴミの中から、めっけたしな。
シンが駄目って事なら。
アルロが使えば良いんだ。
おう!
この事は、石の事もな。
この場の3人の秘密だ。
それで決まりだ。
へへへ!
なんでか。
親方が、そう決めちゃったんだよ。
3人の秘密なんて、困るんだけど。
アルロには、女神様の思し召しだって。
納得してもらったよ。
有難う御座います女神様。
そして今日も来てますよ。
ダンケロさんの鍛冶場にね。
もちろん、一山分の銀鉱石の選別ですよ。
アルロ~。
俺の腕が、もう弱音を吐いてるんだ。
銀鉱石が重いって!。
なんだか今日の方が、腕が痛いんだけど。
どうしてだろう。
駄目だ。
ホントに今日は、身体中が悲鳴を上げてる。
僕も、今日は身体中が痛いよ。
この仕事はキツイもんね。
でもね頑張ってやろうよ!。
もう少しで、半分出来そうだから。
そしたら休もうよ。
ね!。
分かったよ~、頑張ります。
一つ一つを良く見て、重さも比べて。
何んとか根性で、鉱石を木箱に分ける。
手に取っては、投げるんだよ。
ポイポイとは行かないけど。
ホイッと、鉱石を投げ入れてく。
でもね。、石の中には。
ホントに、何だこれって言う位。
クソ重いが交じってるんだよ。
あぁ~、重い~。
嫌だ~。
ソンな事を考えながら
選別を半分まで終わらせたよ。
今日の俺は。
体育座りだ。
木箱を運ぶのも嫌だ。
何か、この仕事ってさ。
俺達にはキツスギないかな~。
体を鍛えるとかじゃなくて。
壊れちゃうんじゃないか、とかさ。
なんて~、ちょっと思うんだけど。
アルロはどう思う。
確かにね。
ちょっとキツスギかもだけど。
体が壊れる程では。
無いんじゃ無いかな~。
ははっ。確かに重労働だけど。
でも、ここだと倉庫の中だから。
外程は寒くないし。
それにシン!。
昼御飯も食べれるんだよ。
あの美味しい御飯だよ。
あ~~~昼御飯。
そうでした!最重要事項だった。
昼御飯!そうだったね。
あ~!今日は何が食べれるんだろうな~。
なんだかお腹が減ってきた気がする。
言った僕もだよ。
昼御飯何だろうね。
あ~~。
お腹が減ってきた気がするよ。
アルロも、お腹が減ってきたんだね。
ソンなお喋りをしてると。
服の中から皮紐に吊るされた。
銀の指輪を取り出して触ってる。
うん!昨日の指輪だよ。
シン!。
昨日の事だけど。
この銀の指輪を。
ホントに僕が使って良いのかな?。
これは凄い物だよね。
2つも魔法が使える様になるし。
はぁ~。
親方は要らないって言うし。
シンだって、使えないからって。
要らないって言うし。
良いのかな~~。
僕で。
何言ってんのさ。
良いに決まってるじゃん。
僕が見付けて、親方が弄った指輪だよ。
アルロが使えば、一番良いんだよ。
悩まなくて良いの。
さあ、服の中に仕舞っておいてよ。
まだ僕らが「ソン」なのを嵌めてると。
目立つからって。
親方が作ってくれたんでしょ。
皮紐で首にかけろって、それ。
そうしてくれたんでしょ。
あっ。
その皮紐も何か言ってたね。
何だっけ~。
スワプリザードの皮紐だっけ。
スワプリザード。
その名前もカッコ良くない。
そうだね、これ。
この皮紐ね。
凄く柔らかいんだよ。
肌に当たっても擦れた感じしないんだ。
この紐も良いのかなぁ。
僕は、貰ってばっかりだよ。
アルロは。
黙って貰っとけば良いのさ。
俺は気にしないよ。
2人で楽しくお喋りしてた。
うん。話しながら休憩したからか。
体が少し楽になったかな。
シンがそう言うなら。
大切にして、この指輪をに使うよ。
これ、使えるようになって分かったけど。
「清水」と「清浄」の魔法は凄いよね。
ありがとう。
シン。
あ~~。
俺の親友のアルロはやっぱり。
良い奴だよ。
そろそろ仕事を始めようか。
まだ銀鉱石は、半分も残ってるからね。
昼までに終わらせよう。
そおだよね。
昼までに終わらせないとだよ。
それから休憩を止めて。
また重い銀鉱石の選別を始めた。
ヤル気は有ったんだけど。
すぐにね、石の重さに心が負けた。
腕が痛い。
今日は昼までに。
銀鉱石の選別と倉庫の掃除を済ませた。
さあ御褒美だ。
ダンケロさんの居る食堂に行こう!。
2人で廊下を進んで行くと。
ああっ、良い匂いがする。
昨日と同じ2人で食堂に入ると。
あっ!。
重要参考人、発見!。
ふふふっ!待ってたわよ、2人とも。
さあ、ここに座ってちょうだい!。
テーブルの奥に座ってる親方は。
お茶を飲んでるみたいだけど。
口を「へ」の字にして。
あぁ~不機嫌そうだよ。
昔からの知り合いだけど。
リリーナさんの事を。
騒がしいって言ってたもんね。
リリーナさん。
僕達まだ仕事中なんですけど。
それに。
これから昼御飯を食べたいんです。
うん。分かってるよ。
だから。
食事が終わったらで良いからね。
また「女神様」の話を聞かせてほしいのよ。
あの夜の事をね。
私もね。
マリーシア様に報告しないと。
この仕事が終わらないのよ。
あなた達2人は。
重要参考人なんだから。
なんで、、。
俺達2人が。
重要参考人なの。
孤児院のシスター達にも。
あの夜の話を聞いたでしょ。
ラッエにも、ほかの子にも。
まあチビ達は無理かもだけど。
なんだか気になるのよ~。
シン君。アルロ君。
君たち2人がね。
みんなと同じですよ。
リリーナさんの勘違いです。
まあ。
アルロは違うと思うな~。
俺は。
ミサの夜の時の。
あの男達2人の声を。
あの時に聴いたけどね。
それで俺は、ここに来たんだから。
何回話しても同じですよ。
ここの街主様が聞いたんです。
みんな静かに祈ってました。
すると、なぜか。
問いの答えが。
有ったんですよ。
何処からか。
奇麗な音がして。
奇麗な光が舞い降りて。
聞こえた声も。
男2人の声ですよ。
女の人の声じゃなかったです。
多分だけど。
頭に響いて。
「祝福」が降りたって。
この町に3つ。
後は他の所に2つ。
女神の力だって。
覚えてるのは。
こんな感じですよ。
今でも、信じられないですけど。
あの夜の孤児院の礼拝堂は。
凄かった。
ふふ。
シン君。
男の声は2人だったの?。
1人じゃ無かったのね。
これは新しい発見だわ。
う~んん~~。
あれ、2人って行って無かったかな。
リリーナさんが腕を組んで考えてるよ。
まあ良いわ。
2人ともありがとうね。
私は行くから、食事を始めて。
ダンケロさんお邪魔しました。
2人の今の話も含めて。
なんとか報告書が出来そうです。
また道具も見てもらいに来ますね。
ソンな挨拶をしてリリーナさんは。
廊下に消えていったよ。
お前ら!お疲れさん。
鉱石の仕分けは終わったか。
五月蠅いのも消えた。
さあ飯だ。
ダンケロさんの声で、ハッとする。
リリーナさんが帰るのか。




