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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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初冬 身も心も寒い

久しぶり過ぎて、手が動かない。

頭も回らない。

物語の話も進まない?


季節は14歳の初冬。



寒い。

孤児院の寝床

広い板の間の部屋。

暖房器具なし、隙間風アリ。

子供が数人。

寒い。


朝、起こるのが辛い。

まだまだ真冬でもないのに。


藁の布団の中で、丸まって寝てるのに

ものすごく寒い。

足先がジンジンと痛い。

足首から先が冷たすぎる。

襟と首と肩の辺りも冷気が襲う。

寝る時にも薄い靴下履いてるのに。

薄い下着だけで寝るからかな

寒い。


夜に寝る時には、それ程寒くないに。

朝方の冷え込みが凄いんだよ。

もっと厚手の下着か服を着て寝ないと

寒さを我慢できないよ。


そんな寒い朝。

だから。

嫌でも余計に早く目が覚めちゃう。

未だ、夜は明けていないはずだ。

周りの仲間も、誰も目覚めていないもの。

目が覚めたからと言って。

藁の布団から出るのも嫌。

だから。

もう暫く、布団の中で丸まってる。

くう~、、温まれ。


暫くすると、誰かがモソモソと動き出す。

廊下を歩く軋み音が聞こえてくる。

キシ。キシ。

そして引き戸が開き。



  みんな起きなさい。

  朝よ、起きて。

  早く早く。着替えて顔を洗って。

  暖かい食事が待ってるからね。

  ほら、頑張って布団から出なさい。

  シン、起きなさい。

 

 はい。

 でも、、、。

 リビエさん寒すぎます。

 今年は、特に寒くないですか。

 ねえ、みんな。


  シンに賛成。

  僕も。

  はいはい。シンにいに、さんせい!。

  私もだよ~。


4名の賛成が得られたよ。

みんなも寒いもんね。

サリタとケリオサだ。

後の2人はチビ2人組だよ。

年長組は、、、

無言?反応無し。

安全策?。


  そんな事を言ってないで。

  みんな起きる!。

  ワガママは言わない事よ。

  女神さまが見ているからね。

  さあ起きて。

  

リビエさんが腕組みしながら

みんなに言う。

あ~~、

女神さまの名前が出ちゃったよ。


 あ~~。

 女神さまに嫌われるのは

 絶対にダメだね。


 みんな起きようか。

 朝寝坊は取り止めだね。

 さあ、着替えて井戸で顔を洗って 

 いろいろ準備しますか。

 それから美味しくなって来た。

 朝ご飯をいただこう。


 さあ競争かな。

 1番はいただきだよ!。

 それ、布団を畳んでと。

 着替え着替え。


寒いけど、気を取り直して。

ササっと動き出して。

明るく言い放った。

すると、、、。


 

  あ~~~!シンにい。

  ずるい。

  服~~~・

  あ~~~。

  待ってよ~~。

  

  あたしも~~。

  布団。重い~~!

  服~~。

  ラッエ姉~~~。

  レェ姉!

  わ~~~。



チビ2人がパニック気味に騒いでる。

あはは、からかい甲斐があるね。


  シン!朝から騒がしいわね。

  ラッエ、レーリエ。

  2人の面倒を見てあげて。

  焦らないでユックリで良いのよ。

  さあみんな

  朝の準備ができたら食堂に来てね。


 はい。


みんなで無事に朝の準備出来たので

そろって廊下を歩き食堂に移動。

入口の扉を開いて入る。

食堂は、竈に火が点いているので

入れば暖かい。

ああ、気分が「ほわっ」とするよ。


 暖かいや。 


でも。

リビエさんの指示で、ハッとする。


  シン、アルロ、ラッエ。配膳を手伝って。

  スープとパンだからね。

 

  それとね。

  今朝ね、パン屋の奥さんが

  このパンは、新作のパンだって。

  修道院まで届けてくれたのよ。

  パン屋のご主人がね。

  シンとアルロの意見が聞きたいから

  味見を宜しくですって。


 え!これ。

 ルジロさんの所の新作パン。

 うぁ~~~。

 うぁ~~~~。

 楽しみだな。

 アルロ~。

 あの時のパンを思い出すね。


思わづアルロの方を見る。


  ああ、

  あのパン屋さんの、新作パンかい。

  初めて、パンを焼く手伝いの時。

  シンの「清浄」の魔法で

  色々と奇麗にしたら。

  ルジロさん、大感激してたよね。

  パンの出来が違うって言ってたし。

  楽しかったね、粉を捏ねるのも。

  いろんな準備も。

  それにパン美味しかった。


アルロも目を閉じて、思い出してる。

最近、パン屋さんの仕事に行って無いや。

他にも新作パン有るかな。

あ~、食べ物の話は良いね。

2人で思い出してたら。

リビエさんとラッエが

殆ど済ませちゃった。

ごめ~ん。


  みんな準備出来た?。

  席についてね。

  それでは女神様に感謝して。

  いただきましょう。


ケシーレさんの挨拶で食べ始める。


 あ~美味しそうだ。


いつものスープと言うけれど。

でも、でもね。

最近は具の量が増えて。

器をのぞくだけで嬉しくなる。

まあ根菜類が多いけど。

肉が。

あの肉がね。

あの夢に見た肉が。

スープに入っているんだよ。

木のスプーンに乗せて口に。

ああ。

必ず少しは存在してる。

ここ2年で大進化だよ。

油分が少し浮いてて。

キラッとね。

まあ味自体は、、、

薄塩だけど。

「うま味」が断然と感じられて

ああ幸せ。


 はぁ~。スープ美味しいです。

 肉がいます。


俺の囁きにラッエが笑ってる。

リビエさんもだよ。


 新作パンは。

 1人に2個も。

 ルジロさん、ありがとぅ。


さて、新作パンは、、、。

見た目は、ちょっと細長い形。

表面がキツネ色の艶無しだよ。

細長ロールパン?コッペかな。

縦か横に切り分けて

何かを挟んで食べたい衝動が。

願望が。

でも孤児院には何もないよ。

だから素のまま、千切って口に。

もぐもぐする。

ああ、柔らかいね。

そして、いい香りが鼻にも。

ああ。間違いなく美味しい。

もちろんスープとも合う。

周りの皆も同じで笑顔だよ。


チビ2人も、パンを千切って。

スープを少し付けて、口に持っていく。

もぐもぐして。

うん、笑顔だ。


  シン、アルロ。

  もの凄く美味しかったって。

  パン屋さんに伝えてね。

  柔らかくて軽いので。

  小さな子供でも食べ易く。

  このパンは売れる事

  間違いなしですってね。

  うふふ。


皆が、あっという間に完食だよ。

美味しい食事は。幸せ一杯だね。

ケシーレさんも絶賛だね。

リビエさんも笑顔。


  ルシーナとミモリーも

  美味しかった?


ケシーレさんに聞かれた、チビ2人は。

ニコニコ顔です。

コクコクと頷き。


  凄く美味しかった。

  柔らかいパン、大好き。

  アル兄ぃ、シン兄ぃ。

  また食べたい。

  食べれる?。


  柔らかいパン美味しいよ。

  アル兄ぃ。

  明日もこのパン?。


アルロ!

2人にお願いされてる。

ここは俺が答えた方が良いかな。


 2人共。明日からは。

 イツモのパンです。

 今日のパンはね、女神様の代わりに。

 町のパン屋さんがくれた物だよ。

 美味しいのは、またね。

  

  ええぇ~~~。

  シン兄ぃ。

  ほんとに?。

  あたし女神様に、お祈りするよ。

  

  あ、私もするよ。

  アル兄ぃ。


なんだか必死だな。

ルジロさんのパンは、チビ2人。

修道院の皆を虜にしたようです。


食事の騒ぎも終わり、さあ片付け。

ササっと済ませて。

今日の相談。

アルロと2人

もとの椅子に腰かける。


 アルロ、今日の仕事どうするの。

 ギルドに行く?。

 あれ、なにアルロ。


  シン。

  リリーナさんの事だけど。

  何だか。僕たち3人の事。

  このまま上手く誤魔化せそうじゃない。

  女神様の声を聴いた人と

  同じに様に答えれば、良いかなって。

  あの時の礼拝堂の凄かったこと。

  男の声を聴いたこと。

  3つの「祝福」の事。

  唯々美しく心地よい時間だったこと。

  親方の事も何も言わない。

  ナイフの事もね。

  

  どう思う。

  シン。


おお、アルロ。

唯々君が言うと、カッコ良いなぁ。

見惚れるよ。


 良いと思うよ。

 リリーナさんには悪いけど。

 余計な事を言うと駄目だよね。

 3人の秘密って事でさ。

 来年の「成人の儀」の後もだよ。

 俺たちの将来に、多分だけど。

 良い方向には、向かわないと思うんだよ。


 ラッエだって、、、

 「成人の儀」の後も普通に

 薬屋さんで働いてるだけだよ。

 

 俺が「祝福」の事を聞いても。

 「うふふ、内緒」

 はあ。

 

アルロを見て。


 このままで、行けば良いんだよ。

 普通に仕事をして行こうよ。


  そうだね。シン。

  はぁ。女神様。


 よし。それで行くよアルロ。

 さあ、今日の仕事は何にするの。


  シン。

  今日も外は寒そうだよね。

  だからダンケロさんの所が良いよ。

  石運びは大変だけど。

  あそこなら。

  暖かい事も有るじゃない。


そうでした、忘れてたよ。

表に出れば

初冬の寒気に晒されるんだ。

無理。

すでに俺の心は折れている。

寒さは大の苦手。 

 

 



書き進めたいんですが。

なかなか。

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