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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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秋の川辺で

良い季節は早く進んでしまう。

今日はレイルスさんちの畑の手伝い。

ワヒットさんの隣の農家だよ。

朝早くから、アルロと2人で畑で収穫だ。

今年の野菜も良く育ってて、、重いよ!

キャベツとナスみたいな野菜を

蔓で編んだ籠に優しく詰めていく。


今。俺達の居る畑は緩やかな丘に広がっていて

レイルスさんの耕作してる畑も、、、

その面積は広いよ!

広すぎるんだよ!


その畑の中から眺める景色は大自然!

どこまでも広がる草原と

街の意外と近くの広い森。

丘の先には緩やかに流れる川も見えてる

遠くの丘に続く街道を行く馬車も見える。

は~あ。


つい独り言が、、、


 ワヒットさんのとこと同じだね。

 何だかここの畑の作物も良く出来てるね~。

 去年の収穫を思い出すよ!

 今年も出来の良い野菜が街に一杯だ!


 この分だと荷車がスグに一杯になっちゃう。

 これだと~、、、、はあ。

 今日は何回。野菜を街に運ぶのかな~?

 アルロ~!

 

隣の列で、離れて収穫している

アルロに声を掛ける!

 

  何さ!シン~!

  荷車の野菜の満載迄、あと少しだよ。

  あと一頑張りだよ!


違う!それじゃないよ~。


 違うよアルロ!聞いて~。

 今日はさ~。

 午前中で、ここの仕事終わりでしょ!

 午後からは2人で、川で魚釣しない?

 久しぶりに綺麗なミーレ川にも行きたいし。

 ワヒットさんか!

 レイルスさんに釣り道具を借りてさ。

 久しぶりでしょ!、、釣り!


 昼食は、、、

 考えて無いけど。

 昼抜き?、、でも良くない?

 魚が釣れたら、、

 魚を焼いて食べるとかで!

 沢山連れたらだけど、、

 農家の2人とね!

 孤児院にお土産にしてさ!

 釣り!

 

  ああっ、釣りは良いけど。

  昼食はさ~~。

  野菜を届けに荷車で

  何回か街に行くでしょ。

  野菜を街に持って行った時の

  昼前の。最後の時の帰りにね

  何か食べ物を買ってくれば、、、

  良いんじゃないかな。

  釣った魚を食べるの良いけどね

  ボウズだったら?、、

  シン!

  夜まで食事抜きは、、、

  耐えられる?

  シン!


 さすが!アルロは考えるね。

 俺だったら、、、

 魚を釣って食べると。考えちゃうし!

 確かに!町で買ってきた方が、、、

 俺のお腹の心配が減るよね!

 アルロの言う通りにします。はい。


  あはは!

  普通は気付くよね。シン! 

  そうだね、、街で帰りに。

  パンを2つ買ってくれば大丈夫でしょ!

  

ああっ!

やっぱりアルロは頼りになるよね。

俺とは違う!


ちゃんと仕事をしつつ

お喋りを楽しんで

その後に。


俺達は。

レイルスさんの荷車に野菜を満載にしてさ

午前中に、3回も街の市場に野菜を運んだよ。


2回運んで、休憩になったんだけど。

畑の畔で皆で休息するんだよ。

その時に、お茶を貰いながら。

近くに座るレイルスさんに

釣り道具を借りれますかと。

2人でお願いしてみた。


  良いよ2人とも。

  ミーレ川で釣りを楽しんできなよ。

  2人分の釣り道具は

  ウチに有るから使って良いよ。

  魚を入れる籠もあるから。


  9月の今だと、、。

  けっこう大きい魚がいるんじゃないかな。

  ミーレ川か。

  俺も最近は釣りに行って無いからな、、

  若いころの記憶なんだけど。

  確か、、。

  食って旨い時期は、、、

  今頃が、、良い時期だったハズだ!

  一杯釣れると良いな。

  2人とも。


コレで釣り道具の心配はなくなった!

レイルスさんも良い人で良かったよ

午後からの釣りに心が躍るよ。


休憩の後も畑で仕事だよ。

天気も良く。風も穏やかで。仕事をしてても。

なんだか気持ちが良いよ。

2人で。最後の市場への運搬を済ませて。

屋台のパンを2個、買って帰れば

いよいよミーレ川で釣りだ!

レイルスさんちに荷車を届けて

代わりに、釣り道具を借りて、、

畑の先のミーレ川へ。

いざ!


ミーレ川の流れは緩やかで優しい。

少し下の川べりに降りて

小砂利の広がる狭い河原に

2人で腰掛ける。

風も無くポカポカ陽気。

買ってきたパンを食べる。

今は。あの美味しかった

具入りのパンが買えるんだよ。


 は~。パンが旨すぎる。


旨い食事を済ませて休憩だ!

さてと。ロケーションは最高。

後は、、、結果を出すのみ!

俺は。出来る男だと証明するよ!

先ずは!釣りでね。


  シン!遅いよ。

  準備準備!

  何やってるのさ!

  早く釣り始めてよ!

  

アルロが俺を現実に引き戻す。

眼を瞑って、、妄想してた俺、、、。

恥ずかしくなっちゃうよ。


 まって!まって!

 アルロ速すぎでしょ。

 気合が入ってるね。

 何でそんなに?

 え~と。楽しんで釣る!

 今回は息抜きでしょ?

 

  あ~~。チョッとね!

  あれから事情が変わってね!

  お昼のパンを市場の屋台で買ったでしょ。

  さっきの屋台でパンを買ってる時にね。

  たまたまラツェが近くにいたの!

  僕達と同じで、パンを買に来たって。

  シンがパンで色々と悩んでる時にね!

  だから2人で話してたのさ。

  

  午後は。

  僕達2人でミーレ川でゆっくり

  釣りをするんだって言ったら。

  ラツェが。


   まあ!

   それなら。

   今日の孤児院の夕食が!

   夕食のオカズが増えるよね。


  ラツェが、、、。

  シン!

  今日は期待されてるからね。

  だから釣って帰らないとイケないのさ。

  孤児院の皆の分以上の数を釣るよ。

  良いかいシン!

  僕たちは、、釣るよ!


  ほら!そこの石を引っ繰り返して!

  餌の虫を探さないと。



なんか変な事になってる、、。

あ~~。ラツェの悪魔!

俺達を。何でえ追い込むのさ!

アルロの顔つきが真剣だよ。


早速釣り始めてるし!早!

俺なんか、虫が見つからないよ。

おっ。餌の虫見っけ。

準備。準備!

この糸も釣り針も不思議だよね

見た事無い糸にゴッイ針。

コレで釣れるから不思議。

良し。エイ!

川に向かい竿を振る。


  きた~~~!

  1匹目!


マジかよ!アルロ。

川面で暴れる魚。

うお!

意外とデカそうなんですけど!

やっぱり。

アルロは出来る漢!

無事に釣り上げたよ。


 ねえ。

 何だかデカいね魚!

 それに凄く太ってない?

  

  シンも早く釣ってよね!

  この前の時より育ってるのかな?

  この大きさの魚なら

  5匹か6匹で良いかもね。

  

  この魚は切って焼くのかな。

  それとも、、

  ダメだ分かんない。

  ケシーレさんとリビエさんに

  調理を頼むしかないよね。


よし俺も釣るよ!

糸の先を見つめる。

竿の重さを感じる。


これって、、、。

ミャク釣りってやつだよね、、、

ハッキリ言って

前回もあんまり釣れなかった、、、

記憶が!


 アルロ!頑張って釣って!

 応援するから!


  何言ってるの!

  釣りをするって言いだしたのシンでしょ!

  駄目だからね!

  シンも釣るんだよ。

  絶対だから!

  

やべ~~~!

変なアルロがここに居るよ。 


あれからアルロは続けて4匹を釣り上げた。

可笑しいだろ!

何で俺には釣れないんだ!

ヤサぐれて、、ふてくされた俺は。

余所を見をしながら釣りをしていた。


すると丘の、はるか先。

遠くの街道をジャーレンタの街の方に来る

2匹の馬に乗った2人の影が見えて来た。


街道の方に意識が向いていて、、

釣り竿には意識が向いていなかったら

グンと竿を持つ手が引き込まれた!


 キタよ!

 良~し!かかった!

 重い~!

 暴れるな~。


俺も1匹釣り上げられた!


  シン。デカいじゃない!

  これで魚の数は足りるかな?

  早いけど道具を返して、孤児院に帰ろう。

  大きいのが釣れたし。

  ラツェも納得してくれるんじゃないかな。


 ああ。

 そうだね帰ろうよ。

 意外と疲れたもん!


川の向こうの街道を見れば。

さっき見えた馬上の人達は、もう見えない。

すでに街に入ったんだろうか?


 今日の晩御飯。

 この魚出て来るかな?


  ケシーレさんとリビエさん次第?


アルロも首を傾げて答えてくれた。


9月の心地よい日の遅い午後。

2人で孤児院を目指し街道を歩く。






釣りは。待ち?攻め?

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