ロイスさんの話
先輩からは為になる話が聴ける
8月は暑すぎる。
7月になると直にワヒットさんの畑仕事!
ニコニコとワヒットさんが迎えてくれる
2人とも。待ってたよ。
草がヤバい位伸びてるんだ!
何でか去年より草が多いんだよ。
頼むよ!2人!
昼の御飯はウチで出すからね。
来るときに畑を見たでしょ。
助けてよ。
畑は地獄の様な暑さ!
土は日に照らされ焼けている。
まだ7月なのに絶望的だ。
去年と同じように帽子を頭に乗せて
畔の雑草と戦う。
野菜の収穫もある!
朝早くは良いんだよ。
日が高くになるとジリジリと
肌を刺す日差しが
俺とアルロを苦しめる
昼の御飯をご馳走になれる。
ワヒットさんちの御昼の
スープが普段と違うからね
それが毎回美味しいんだよ!
御昼が楽しみなだ!
それだけが心の救いだ。
今は7月だから良いけど、、、
8月は地獄の様。
空に浮かぶ雲は少ない。
焼ける畑の向こうに
逃げ水がユラユラと揺らいでる。
畑の周りには日陰を作る樹木は少ない
何回も畔を歩いて
木漏れ日の元、日陰で休憩。
畑仕事がキツイ!
8月の雨は数日だけだ。
地獄の様な暑い日が続く。
俺達の食欲迄ゴリゴリと削られる。
ヒョロヒョロなのに辛い。
食べても!
食べても!ヒョロなんだよ。
食べなきゃだめだ!
暑さに負けちゃダメだ!
食べなきゃだめだ!
暑さに負けちゃダメだ!
食べなきゃだめだ!
キツイ思いをして畑で働く。
そうして俺達はお金を稼ぐ。
14歳!
夏の暑さで。
既にボロボロだ!
8月の終わりの日。
夕方の街道を2人でテクテク歩く。
明るいうちに街に辿り着いた。
仕事の報告にギルドに入ると、、、
久しぶりに
ロイスさんに会った。
ギルドの休憩場所にはテーブルと
椅子が有るからね。
怠そうにテーブルに肘を付き
何かを飲んでいる様だ。
お~~!
アルロ!シン!
2人とも!
久しぶりに会うな。
いつ以来だったか?
元気か?
おい!
おい!おい!2人とも!
良く焼けてるじゃないか!
あれか!畑仕事か?
キツイのやってるな~!
暑い夏も真面目に仕事か~。
良いぞ若者~!
上手く稼いでるみたいだな~!
あはは~!
それが青春だ~!
2人とも。
俺たち二人の良く焼けた様を見てニヤついている。
テーブルの上には空いたコップは3つ!
皿に何か乗ってる。
酒かな?
つまみは、、何?
酔ってるかな?
クックッ!
なあ!
お前らも!
金を稼ぐのは大変だろう~?
俺達だって同じだぞ!
何処でどう稼ぐかの違いだけだ!
金は平等だからな~!
稼げよ!若者~。
アハハ!
なんだ、相当飲んでるのか?
俺達報告に言って来ますね。
おうおう!
早く行ってこ~い!
絶好調のロイスさんの所を離れ
ヒビカさんに仕事の報告をしないと
問題無かったと報告を済ませて。
ロイスさんが座るテーブルに挨拶に行く。
久しぶりですねロイスさん。
随分と会いませんでしたけど
どっかに行ってたんですか?
あれ!
クロイアさんは居ないんですか?
おう!
久しぶりだな!
ああ!受けた仕事でな。
俺達は依頼でこの街を離れてたからな。
隣の領都まで商隊の護衛だった。
何事も無く仕事は終了!
ここいらには魔物も少ないし
盗賊や強盗なんかも取り締まられてる。
道中は何も無かった!
平和さ。
仕事で居なかったんだね。
は~。
ここの街にいなかったのか。
だから合わなかったんだな。
あんまりに退屈だったからよ~。
ここへの帰りのついでにな。
寄り道をして
帰りの駄賃を稼ぎに
潜ったんだ!
ジャーレンタの、、、
石のラビリンスにな。
石のラビリンスを狙ったが
なんでか~な~?
金も出ね~し!
鉄なんて重いだけだし。
銀でも、、何でも良いから
出りゃ~良いのに
輝石や宝石も無しだぜ~。
良いのは、、なにも出なかった。
3人で気合を入れて掘ったんだけど。
何処からもロクなもんが出ね~と来た。
石のラビリンスで1拍分頑張ったが、、
上りはイマイチだ~。
今回も外れだったな~!
いつも出ると思って潜るんだ!
当たりを引いてやると!
出ろって狙うんだが!
良いのに当たらね~
ロクに出ないんだ!
頭にくるぜ。
だから俺はここで酒だ!
ギルドは安いからな。
捲し立てて喋って喉が渇いたのか。
ロイスさんはコップの残りの酒を
煽って飲んだ。
ああ~!
クロイアとアースか!
あいつらは。
2人とも宿で休んでるよ。
今回の護衛依頼は楽だったんだが
ラビリンスがな~。
掘っても掘っても、、、、
はあ~。
なんも出なくてがっかりなんだわ。
石のラビリンス!
偶に良いのが出たって聞くから、、、
止められね~。
お前ら知ってるか!
石のラビリンス!
ラビリンスって迷宮とっかって言うやつ?
有るんだね~!
そんなのがジャーレンタの近くに有るんですか。
金とか宝石が出るんですか!
凄い~~!
行ってみたいですよロイスさん!
良いな~。
どこを掘るんですか~
ロイスさんは今までで何が出ました?
クロイアさんとアースさんは
何が出ました?
あ~~聞かせてくださいよ。
宝石とか見つけましたか~!
石のラビリンスか~!
良いな良いな!
俺達のは、、、
ろくでもね~のが
山盛りでな~、、、
あんまり金にはなってね~!
儲かってね~。
は~~~!
シン!
こんな事を俺に言わすな!
酔いが冷めるわ!
酒を1杯奢ってくれるのか?
ロイスさんは見上げる様に俺を見る。
俺に酒を奢れよシン!!
そんな事を言いながら話してくれた。
石のラビリンスには
魔物が出ね~んだよ!
だから初心者から
楽に行けるすげ~珍し所なんだ。
ラビリンスの通路や壁はな
石や岩盤みたいに硬くね~んだ!
だからスコップ1本で大丈夫だ!
ガンガン掘れる!
だから!
掘って掘って掘りまくる!
大穴を開けても大丈夫だぜ。
冒険者がその場所を諦めて
掘った場所を離れると、、、
不思議と目を離した一瞬に
掘り起こされた通路や壁は
元の状態に戻るんだ!
だから、、
不思議なラビリンスなんだ。
何ですか!そんな事が起きるんですか。
不思議すぎますよ!
スゲ~!
夢の様な世界が現実になってる。
まあな。
「ジャーレンタの不思議のラビリンス」は有名だからな
岩の小山に2か所の入り口が開いてて。
今話したのが。
南側の入り口の迷宮だ。
「石のラビリンス」だな!
北側にも入口が有って。そっちは!
「不思議のラビリンス」って言われてる。
弱いモンスターが3種類だけ出るんだ。
スライムとゴブリンに大蝙蝠だな!
ホントの面白いラビリンスなんだ。
お前らも最初はあそこに行く事になるさ!
冒険者になるのなら。
「ジャーレンタの不思議のラビリンス」が
冒険の始まりだな。
おおおおおお~~~!
俺達2人に向けてビシッと指をさす!
なんか凄い事言われた!
ロイスさんカッケ~!
ロイスさん!
酔っ払いなのに~
カッコ良すぎ~~~~!
アルロ~~
ロイスさんがカッコ良く見えるよ!
バカやろ~!
何が酔っ払いだ。
馬鹿シン!
俺はカッコ良い漢だ!
石のラビリンス。良い物はあまり出ないのかな。




