雷鳴
天気に翻弄される日常
雷は怖いよね。
今日は朝から曇り空だ。
6月の終わり。
ここ数日、御日様を見ていない。
雨が降るわけでもなく、薄暗い天気。
いつもの朝食を食べ進めるが。
今日は気分が沈んでるよ。
こんな日は、親友に相談だ。
アルロと話そう。
ねえアルロ~!今日の仕事だけど。
こんな天気で俺、気分が乗らないの!
だからさ、、、
今日は修道院と孤児院の
大掃除をしない?
まあ、良いけど!
シン!
何だか体調が悪いのかい?
最近は平気みたいだけど
1回大変な病気をしてるから
あの時の君は、
何日も意識が無くなって
僕は!君まで「女神様」が
天に連れて行っちゃうかと
本当に心配だったんだからさ。
シン!病気には特に
気を付けなくちゃダメだよ
たまには、そんなのも良いかな。
うん、大掃除で良いよ。
さすがアルロだよ。
うん!分かってるよアルロ。
俺も嫌だよ、もうあんな病気は。
だから相談なの。
今日は我儘言っていい?
外に行きたくないんだよ。
良いよ。
今日は修道院の掃除にしよう。
天気も悪いし。
賛成だよ。
ああ!アルロ。君は良い奴だ!
親友!
我儘言って御免ね。
こんな日は。
修道院の掃除と部屋の掃除だよね。
礼拝堂の辺りも綺麗にする!
床掃除も、いつも以上に丹念に。
礼拝堂を照らす、灯りの魔法も掛け直す。
祭壇の「女神様」の像の上の方に
灯りの魔法を1つ追加で灯す。
おお!コレ良い感じじゃない!
女神様の表情の感じが良いかも。
仕事をしながら考え事をする。
最近は仕事も順調に熟してるからね。
お金もソコソコに溜まって来た!
アルロと2人で頑張ってる。
この前もさ。
宿屋のロジーヤさんの依頼で森へ!
森の恵みの収穫も。
あれから2回も森に行ったよ。
リーレイの森は良い所だ!
バスケットに収穫しながら
たまに木の実の味見だよ
木の実を摘まんで口に放り込めば
甘酸っぱい美味しさが、口一杯に広がる。
でも偶に酸っぱいのが有ってね、、、
うう!って。
ペッペッ!
それにね!
森に向う道すがら
其処此処に咲く花を眺めて歩く。
結構ね色とりどりで綺麗なんだよ。
それだけでウキウキと足が進む。
あ~~。
あの日に摘んだ果実。
森の恵みのジャムは、何時味わえるのか?
ロジーヤさんとリークさん頼みか。
ジャスリーさんの料理の付け合わせに。
ステーキみたいな焼き肉に。
塩と木の実のソース、塩味と甘酢パさ!
パンにジャムを塗って食べたい!
木の実の甘いジュースが飲みたい!
ドライフルーツって有るのかな?
あ~~。
想像しただけで、、、
口の中に唾液が溜まるよ。
そんな妄想をしながら
礼拝堂につながる廊下の
掃除を進める。
昼過ぎになる頃。
大掃除は終了。
昼食も忘れるほど集中してた。
でも相変わらず空は暗い。
すると、
更に雲は厚くなり。
強い風まで吹き抜ける陽気に。
ヒュ~!冷たい風だよ。
すると空から
何処彼ともなく音が。
ゴロゴロと礼拝堂に音が響く。
雷雲が町に向かってきてるの?
バリバリ~~!
大きな雷鳴だ。
ド~~ン!
ゴロゴロゴロゴロゴロ~!
バ~~~ン。
バリバリバリ~~!
ゴロゴロ~~~!
パリパリ~~。
バ~~~ン。
激しい雷鳴が礼拝堂に響く。
暗い空に白い閃光が走る!
雲間を一瞬光の筋が煌めく。
修道院の離れた食堂から。
キャ~~~~!
ゴロゴロ~~~!
ド~~ン!
キャ~~!
ギャ~~!
ゴロゴロゴロ!
キャ~~~~~!
ヤ~~~~!
悲鳴が聞こえて来たよ。
ピカッと!
薄暗い礼拝堂に閃光が入り込む
目が眩むような光だ。
ストロボ発光の様に強烈だよ。
女の人って
基本的に雷って嫌いだよね。
ド~~ン!
ゴロゴロ~~~!
パリパリ~~。
バ~~~ン。
キャ~~~~~!
ヤァ~~~。
パリパリ~~。
ド~~ン!
ギャ~~。
ヤダ~~!
キャ~~~~~!
賑やかな午後だ。
そんな悲鳴を聞きなっがら
2人で食堂に向かう。
廊下を歩く間にも閃光が走る。
俺達の今日の昼食は遅くなるね。
食堂の湯沸かし窯に乗ってる
お鍋の湯で、自作ハーブティーでも
入れるかな。
アルロ~。
暖かいお茶を入れるけど
要る。
ああ、シン。
僕の分もお願いするよ。
雷は鳴り止む迄に
5時間以上かかったのかな。
静かになったと思い安心してると
ピカッと閃光が辺りを一瞬照らし
ドーンと言う轟音が後を追う。
その度に、悲鳴が響いた。
長い午後になった。
孤児院のチビ女子二人組は、、、。
食堂で他の女子たちと
椅子を寄せて輪になってたけど。
俺とアルロが近くの椅子に座り
お茶を飲み始めると
チビ女子二人組は椅子を持って移動。
何故かな、アルロにへばり付いた。
二人とも泣きべそを、かいていたよ。
あはは、二人の顔を覗き見ると
両頬には涙の跡が見て取れる。
左右からアルロに抱き着いて離れない!
6歳になった2人の名前は。
ルシーナとミモリー!
背格好も同じような女の子だ。
孤児院の生活にも大分慣れて来た。
2人とも金髪の美少女だよ。
何故かアルロを選ぶ!
アルロ~~!
午後遅くになる頃。
更に雷鳴は激しくなった。
ジャーレンタの街は
雷鳴と煌めく閃光に
何時までも長く包まれて
夜の帳が降りる頃まで
人々の悲鳴が響いた。
孤児院の外の仕事に行ってた。
ラツェ、ケリオサ、レーリエの3人も。
暗くなった頃に、孤児院に帰って来たよ。
宿屋も薬屋さんも、大騒ぎだったって。
人は生活するのに雪も雨も雷も。
歓迎できないよね。
外仕事に行かずに。
俺達2人は修道院と孤児院にいて
雨と雷の難は逃れたけど
まともな食事を2回も取れない
散々な、そんな1日だった!
あ~腹が減ったよ。
2025/03/23
修正と加筆しました。




