冷気
リアル「女神様」は誰??
アルロと俺は。
冒険者ギルドの少し手前に辿りついたけど。
建物入口手前の雰囲気に、飲まれてしまった。
あれは、あそこは、、ヤバい場所だ。
冒険者ギルド!
手前の建物の角で、2人は困ってしまった。
たむろす人は、何だか怖そうな大人達ばかりだからだ。
俺達と同じ様な若者は見当たらない?。
14歳の子はここに仮登録に来るはずだから
居ても良さそうだけど、、、
1人もイナイ!
俺は体育座りしながら溜息を吐いてた。
アルロも建物の壁に寄りかかって下を向てる!
チラチラとギルドの方を見ているだけ゚しか出来ない
かれこれ5分ほど
そんな無為な時間が流れたかなって時に。
ねえ!
君たち!そこで何してるのかな。
ねえねえ!
いきなり、後ろから声をかけられたんだ。
俺は体育座りしながら、ビクンと体が震えたよ。
アルロと2人で思わず声が出る。
「「はあ?」「え!」」
ねえってば!
2人で何してるの?
声をかけられるなんて微塵も思ってなかったからね。
目をパチクリしながら横を見上ようとしたんだ。
女の人だってのは、声で分ってたから良かったよ。
うっ、、近いよ!
すぐ横だ!
え~~と。
なんて答えようかと思いながら
頭と視線を動かすと、そこには。
リビエさんと同じ位の歳の女の人が立ってた。
濃い緑色のローブを纏い
手には濃紺の手袋をしている。
頭には黒いフワフワの帽子をかぶってるよ。
おい!クロイア!
何なんだよ!お前。
なに!いきなり走り出してんだよ。
うげ!
女の人の後ろに
2人の男の人が走り寄って来た。
「ゲ!」
俺の思わず出た小さな声を聞き逃さない、、、
茶髪の人が、座ってる俺を見下ろしながら言った!
オイ小僧!おまえだ!今俺達2人を見て「ゲ」とか言っただろ!
「ゲ」って何だよ! 「ゲ」って。
おまえら冒険者を舐めてんのか!
なんとか言え!ガキ!
いつの間にかアルロと2人
3人の大人に囲まれちゃったよ。
声をかけて来た男の人、、ヤンキーぽいよ。
ちょっと~~!ロイスは黙っててよ。
アース!あんたもだからね。
あ~~。
私が、この2人と話したいのに~~!
シッ!シッ!
2人は先にギルドに行ってなさい!
怖いオッサン2人は要らないからね、、
シッ!シッ!
これだから!鈍感男は駄目なんだよね~!
ほら今は新年の1月だよ。
14歳とか15歳の子のギルドの登録の時期ジャン!
気付かないかな?、、ロイス!
この子達は多分。登録か仮登録に来た子だよ!
あたし達の後輩になる子達だよ。
分かったかな!2人。
ダメダメ鈍感男!
女の人が、2人の男に捲し立てている。
シッ!シッ!だって!凄いよね。
2人の男の人は、他の冒険者に手で挨拶しながら
ギルドに入って行った
その姿を俺は体育座りしながら眺めてた。
アルロも黙って見てる。
ねえ君たち!
登録に来たんじゃないの?
もしそうならね!
あたしが、一緒に入って行ってあげるけど?
あそこの冒険者ギルドに!
凄い!リアル「女神様」が降臨した!
俺達の後ろから現れた、冒険者風の「女神様」だ!
ここでビビってた俺達は救われるのかな。
アルロがリアル「女神様」に聞いたよ。
え~と。え~と。
ホントに?
良いんですか?
俺達あそこに行くのが怖くなっちゃってて。
ここで止まっちゃたんです。
2人で、俺達みたいなの来ないかな~~って。
でも!だれも来なくて。
困ってたんです。
ホントに良いんですか?
あっ、俺達の名前。
僕は、アルロって言います。
彼は友達のシンと言います。
修道院の孤児院の子供です。
今年で14歳になったので仮登録がしたくて。
でもギルドに入れなくって。
アルロ。スゲ~!
スラスラと俺達の状況を話してくれたよ。
ええ!任せなさい、勿論よ。
私の名前は「クロイア」って言うのよ。
この街で冒険者をしているわ。
さっきの鈍感男2人と、3人でパーティーを組んでいるのよ
うふふ!
パーティー名はね「冷気」って言うのよ。
「冷気」、、
良い名前でしょ!
私の得意な魔法系でね。
うふふ!
なんか、、話を聞いてると。
ヤッパリこの人も冒険者なんだよなって思うよ。
分かったからね。
よし!付いて来て。
ほら!登録に行くんでしょ。
え~~と!
シン君。ほら立って!行くわよ。
元気な人だな~~。
入り口近くの冒険者の人達が俺達を見てるよ。
近づくと尚、、怖い感じの人だらけだ、、
クロイア=「女神様」のお陰でギルドに入れるよ
3人で冒険者ギルドに向かって歩いていると、、
クロイアさんが、、、
あれ?
2人は。修道院の孤児院の子って言った??
じゃあ。じゃあ。知ってるよねえ。
確か今年は孤児院で。1人女の子が15歳になったよねえ?
孤児院の女の子が1人。今年の「成人の儀」に出たよね?
あれれ!
もしかして知り合い?、友達かな?。
孤児院の女の子。
15歳だと、、ラツェの事だろうな。
ええ!
女の子だったら知り合い、、仲間かな?
多分。
ラツェの事ですよね?
今も孤児院で一緒に暮らしてますよ。
独り立ちには、もう暫く時間が必要って。
修道院のリビエさんが言ってました。
今年から知り合いの薬屋さんに働きに行ってますよ。
あそこが凄く好きみたいです。
店主のシディリーさんも良くしてくれるって。
御菓子が美味しいって言ってました。
女の子。
ラツェちゃんて言うのね。
良いなあ、、薬屋さん。
えっ?、、今の?どう言う意味なんだ?
そっか~!
仲間ね。
ほら。じゃあ、君たち行くよ!
冒険者ギルドへ3人で突撃~!
邪魔な冒険者をブッ飛ばして、、、登録よ!
俺達の「女神様」は勢いが凄い!
アルロと俺はクロイアさんの後ろについて行くだけだ。
冒険者ギルドの扉は、、、
クロイアさんのお陰で
あっけなく、通り抜けられた。
ただし!周りの冒険者の注目は集めてけど。
リアル「女神様」パワーで。
アルロと俺は無事にギルドに入れたよ。
クロイアさんが指をさして教えてくれる。
2人とも!あそこが受付カウンターだからね。
今日は、、、、!!
「ぷっ」、、
カウンターは、いつも2つ開いてるのよ。
2つのウチのどっちでも大丈夫だからね。
2人とも。良く選んで行きなさい!
凄く重要よ!
クロイアさんに言われて、受付を見ると、、、
1つは、金髪の美人のお姉さんがいる受付だ。
え~~~と。
あと1つは、、
隣の受付の人は、、!
、、、おじさん??
なんで!
おじさん?このギャップは、、。
アルロが吸い寄せられるかの様に
金髪美人の、お姉さんの受付へ向かう!
あ~~いいな~~~笑顔が優しそうな人だ!
俺はアルロの後ろに素直に並ぼうとしたのに、、、
つい、横の、、、
うっ!目が合った。
おじさんが、、、
俺に。おいでおいでしてる。
俺の後ろから「悪魔の声」が、、聞こえた。
見ると。クロイアさんが、、指をさすんだよ。
シン君!
シン君は、、
あっちの人の所に、、行きなさい!
ねっ、、、。
悪魔だ!
悪魔がいるよ。
クロイアさんの死刑執行宣言が俺に下された。
おじさんはニヤッと笑って!
おいでおいで!してる。
何と言う理不尽。
おじさんの前に行くと、、
おっし!
椅子に座れ!
2人とも初めて見る顔だな
孤児院のガキだな。
お前!15じゃなく、、14歳か。
仮登録だな!この紙に必要事項を書け!
名前は、、、
シンか!
ほお!生活魔法を4つ使えるのか。
良いなお前!良いじゃないかよ!
シン!
俺の名はな。
ジャックだ!これから宜しくなシン!
おじさんがニヤッと笑っているよ。
ジャックさん、、言いようが怖え!
はい!シンって言います、よろしくお願いします。
14歳になったので仮登録です。
生活魔法は4つとも皆得意です。
おい!おい!
やたらと礼儀正しいなお前。
シン!
ああ~まあな~。
ガキだからしょーがねーのか。
冒険者になったら、もっと自分を前に出していかないとな。
他の奴らに舐められるぞ!
若くても、これからは気を付けないと駄目だ!
そうだろ!クロイア!
なあ?クロイア!
あ~~!。
おい!
他の2人はどこに居るんだ、、おいロイス!
どこに居る!アース!
お前ら3人が、、この2人を面倒見て行くのか?
おいおい!連れて来たんだから頼むぜ。
しっかりやれよ。
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あ~~~~~。
まったく。
俺が、、あの婆さんに何て言われたと思う?
去年の仮登録の時から偉そうのしやがって!
薬師ギルドのババア!
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「イヒヒヒッ」
「あの子は伸びるよ~~~~。」
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あ~~!
「冷気」の3人!お前らで!
少しだけ、この2人の面倒を見てやれよ。
何なんだこの人。
滅茶苦茶上から目線なんですけど。
受付のおじさんじゃ無いのかな。
えっ!俺達がですか?
マジで言ってますか?、、ジャックさん!
ガキのお守とか、、
なんで、、、こんな面倒事になるんですか!
なあ、アース教えてくれよ、、何でコンナ事に?
クロイア!んん~~、お前だ!
この2人の事。知ってたのか?
話してるの誰だっけ、、ああ!ロイスさんか。
少し離れた隣の受付のカウンターでアルロが笑ってる。
お姉さんと。アルロ、、良いな。
俺もそっちが良かったな。
受付のお姉さんと楽しそうに話していたいよ。
振り返ればクロイアさんも、、後ろで俺を見て笑ってる。
なんで?
俺達の仮登録は、、、まだ終わらない。
冒険者は見た目が大事
能力の大事!




