「女神様」の声
ギルドに仮登録
出来るのか。
13歳の最後の12月のミサは、、、
何も起こらなかった!あたり前だよね。
でもね。
ミサに参加した多くの人は思っていたはずだ!
「女神様」私に「祝福」と「恩恵」を御授け下さいって。
人間の罪は欲深いって事も含まれるだろうから。
そもそもあんな神の奇跡は。
起きる事が、、、奇跡?
んん~!駄目だ。上手く説明出来ない。
今回の修道院の礼拝堂のミサには、、、
「女神様」の「御業」は。
降臨しなかったって事だ!
そんな人間のゴタゴタなど意味は無く。
無事に何事も無く年が明け、1月になった。
俺とアルロは14歳になったよ!
これからは、ギルドに仮登録して、お金を稼がなくちゃ!
15歳の「成人の儀」に向けての準備だ。
そして今日は1月3日。
は~~~!年末から1日も休まず仕事とか!
年末は農家の手伝いが大変たのに。
いつもより宿屋の客も多くてさ
その仕事も多くて男3人ヘトヘトだった
昨日、一昨日とも宿屋の手伝いで大変だったんだ。
「女神様」の噂が広まって
この街のミサに参加する人が増えたのさ。
ウチの修道院以外に、この街には教会も2つ有るんだ。
2ヵ所のミサも人で溢れてる状態だったらしいよ。
午前中は市場に顔を出して、掃除と手伝い。
午後は久しぶりに自由にして良いって、、
リビエさんに言われた!
やった!やっとだよ。
自由時間だ!
アルロ!午後から何処かのギルドに行って登録しない?
あ~~!最初はやっぱり冒険者ギルドかな?。
街中で俺達の出来そうな仕事を探すのが良いよね。
ギルドなんて行った事無いから
チョッとドキドキしちゃうよ。
それとも商業ギルドとか?
なにするか分かんないけど。
あとは、何だっけ?、、鍛冶とか、、
そうだね!冒険者ギルドが良いんじゃないかな。
いろんな仕事が多そうだし。
冒険者の人を宿で偶に見たじゃない!
なんかカッコ良さそうだったし!
チョット憧れあるからさ。
そうか!じゃあアルロの意見で冒険者ギルドね!
リビエさんに言って出かけようよ。
あ!アルロ。厚着して行こうよ。
今日も風が冷たいよね。
ああ支度をするよ、今日も外は寒いよね。
空は良く晴れてるのに、風がキツイよね。
あ~~早く春にならないかな~!
冬の寒さの文句を言いつつ出かけるよ。
俺達は揃って冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルド建物は。
街の東門から入った道の先に建っている。
薬屋さんの前の道を中心に向かって行けば見えて来る。
孤児院からだと街の中心部を迂回して
北門の方に向かって行けばいいんだ。
石壁の2階建ての建物だよ。
2階の幾つかの窓にはガラスの様な
半透明の物が使われてる?
その他の窓は、木で組まれたモノのよう。
入口は2枚扉で片方が開け放たれている。
2人でギルドの近くまで歩いて来たけど
体が「ビクッ」として。
道の端で立ち止まってしまった。
建物近くの、あの雰囲気は、、
俺達は近寄りたくない、、正直!
多くの冒険者の人達の行き交う姿!
ゴツイ男の人達が武器を携えているんだよ。
それに、冒険者の何組かの人達が
ギルドの入口付近で話し込んでるんだ。
あ~~~なんか。ヤダ!
俺はその雰囲気に拒否感が、、、。
アルロも同じ様に、その雰囲気が顔に出てる。
アルロ~~!俺。なんだか怖いんだけど。
あそこに行くの、、
チョッと俺、今。勇気が出ないかも。
俺の考えてた冒険者って、、
ん~~?
シン!同じ。僕もなんだけど。
冒険者って、、、怖い人たち、、なのかな?
僕。いま腕の肌が、、鳥肌になってるよ。
あ~~!
今扉から出て来た人、、凄く背が高いね~。
何だろうあの背中に付いてる武器!剣なのかな?
大きいねぇ~~。でも、でも。
意味が分からないよ。アレ!
アルロ~!如何しようか?
あそこに行かないと仮登録出来ないんだよね。
お願いだから、あの冒険者の人達、、
あそこから移動してくれないかな~。
あ~!
14歳の冒険の始まりが。
1歩目から躓いてる感じだよ。
さっきまでやる気満々だったのに。
熱かった心と魂が凍り付いた様に冷えて行く。
冷たい風が2人に纏わり付て体を冷やす。
でも!
シン!
暫くここに居て様子を見よう!
周りの人が減ったら行けばいいんだよ。
僕たちが冒険者にナルのには!
あそこに。
行かないと、始まらないんだから。
アルロが、そう言い切ってギルドの方を見てる。
そうだね。アルロ!
ああ。ここで様子見だね。
大体俺達さ、冒険者って言っても
良く知らないよね。
あ~なんか!
なんか変だな~!
俺は思わずその場で座り込んで頭を抱えた。
そしてアルロの横で体躯座りの姿勢になってた。
アルロが変な目で上から俺を見てる。
暫くそんな事をしていると。
ねえ!
君たちここで何してるのかな?
ねえねえ!
アルロ!「女神様」の声が聞こえるよ。
2人の前に
どんな「女神様」が降臨したのか。




