畑が広すぎじゃない。
初めて街を出る緊張て辺りの景色を楽しむなんて
無理でした。
アルロと俺は、イーガスさんに友達の農家の手伝いの仕事を頼まれた。
孤児院育ちの二人が、初めて街の外に出かける事になったよ。
辿り着いたワヒットさんの家には誰も居なかったけど
周りの畑を見回してたら、遠くに人影を見つけた。
手を振って、小走りでその人影が此方に近づいてくる、
やがて、その人が男だと分かるくらいに近づくと
声が聞こえて来た。
おーい!家の仕事の手伝いにきてくれたのかな~。
俺がワヒットだよぉ~~!
アハハッ、、、!チャンと会えて良かった。
ワヒットさんが俺達の前に到着したよ、息が少し上がってる。
頭に小さ目の麦わら帽子みたいなのをかぶってる。
もしかして君たち二人、街の孤児院の子なのかな?
肉屋のイーガスに頼んでた、畑仕事の手伝に来てくれたのかな。
ワヒットさんが、そう声をかけて来た。アルロがそれに答えたよ。
はい!イーガスさんに頼まれてここに来ました。
え~~と。仕事の中身は聞いてないんですけど俺達に出来ますか。
シンと俺の2人なんですけど。
ワヒットさんが笑顔で小さく頷いてる。
ああ君たち二人で大丈夫だよ、大歓迎さ!
いや~!男の子で良かったよ、野菜を畑から運び出してほしいんだ。
だから女の子だとチョッとキツイかなと思ってたからね。
今うちの畑にある野菜はキャベツなんだけど、今年のキャベツは、、
いつもよりデカくて重いんだよ。味も甘くてさ最高なんだ!
俺と俺の奥さんがキャベツを収穫をして行くからさ、その野菜をね
出荷用の荷車まで運んでね、上手く積んでほしいんだよ!
今日からでも、うちは有りがたいんだけどな。どうかな?。
今から昼まででも、試しに手伝ってみてさ。
うちの仕事が出来そうなら午後も頼みたいんだよ。
アルロが俺を見て来た。
俺も良いと思う。
アルロ、良いんじゃないかな。
先ずは、収穫の手伝いをやってみようよ。
そんな簡単な説明を受けて、、、
俺たち二人は、ワヒットさんの後について畑のあぜ道を進んで行く。
ワヒットさんの家の周りの畑は、小麦の収穫後の切り株?が並んでるよ
そんな風景を見ながら少し歩き、緩やかな丘を超えると緑色の畑が見えて来た。
その風景を一言でいうと、、、キャベツ畑がすげ~広いんですけど。
これ、、全部キャベツなの?ってくらいだ!
既に収穫が済んだ畑もあるけど、、、、
ワヒットさんと奥さんの二人でこれを??うそ~~!
二人とも。あそこに見えてる荷車にキャベツを運んでほしいんだよ。
二台並んでるからさ、両方に上手く乗せてほしいんだ。
街まで運ぶからね、キャベツが崩れない様に積んでほしい。
ワヒットさんが畑の先を見て指差しをして俺達に話す。
あそこにいるのが俺の奥さんでね、今も収穫中だ。
もう少しで昼前の収穫は終わりなんだ。
これから俺と奥さんとで、2列に並んで収穫していくからさ
二人も俺達の後ろでね切ったキャベツ運んでほしい。
キャベツが積まれた荷車までは、そんなに離れてないけど。
でもね、、、
確かに畑のキャベツは良く出来ているのかな
デカい気がする「LL玉」サイズに見えるよ。
分かりました。今からでも手伝いますよ。
アルロ!やろうか!。
ああっ、シン!やろう。
そんな感じで俺たち二人はキャベツ運びの仕事を始めた。
「LL玉」のキャベツは、、やっぱり重かったけど
小一時間ほどで2台の荷車はキャベツで満載になった。
昼前の仕事はここまでだね。
ワヒットさんが崩れないか確認中。
この荷車を街まで引いて運んでいくのかな、大変な仕事だ。
そんな風に荷車の横で考え事をしてたら。
二人とも有難う、助かるよ午後も頼めるのかな。
キャベツも上手く積めてるから、二人とも器用なんだね。
午後も二台分のキャベツを街の市場に運ぶんだけど、、出来そう?
頼めるかな。
俺は是非手伝ってほしいんだけど。
ワヒットさんが俺達に声をかけてきた。
荷車の確認を済ませて、前の方から俺達二人の方を覗き込んでる。
そんなに大変な仕事ではないけど、アルロはどう思うかな。
アルロ!俺はいいと思うけど、、、
ああ。シン!俺も良いと思うよ!
慣れればさ、もっと上手く積めるんかもしれないし。
しばらくワヒットさんの手伝いかな。
オオッ!良かった暫くの間、二人とも頼むよ。
出来たらで良いから、10日ほど頼みたいんだよ
いや~~助かるな~。
これから俺たちは、こいつを二人で市場に届けてから。
動き出す荷車を見ていたけど、、、
アルロと二人で荷車を押して行ってあげたよ。
意外なほど荷車がスイスイと進んで行くよ。
4人でお喋りをして、キャベツ満載の荷車が進んで行く。
この道を行き来する、他の人達の邪魔にならない様に。
何回も、よけながら進む。
そして緩やかな丘を越えれば、直ぐに街が見えてくる。
行きの時の2人と、帰りの4人で、時間の感じ方が全然違う。
不安な気持ちだと遠い距離も
楽しい気持だとアッと言う間だ。
街の門をくぐる。
ワヒットさんは市場に行くので、ここで一旦お別れ。その別れ際に。
午後の手伝いはゆっくり来てくれれば良いと、言付かる。
多分だけど、午後は2時か、もう少し遅くても良さそうな感じかな。
アルロと二人、街壁に寄りかかって休んでいる。
つい一言。
アルロ!お腹空いたね?
俺もお腹空いたよ。
昼は孤児院に帰って食べるかな。
空を見上げると太陽が真上辺りに来ている。
足元の陰が小さい、うん!時刻は昼だろう。
孤児院に向かって二人で歩いていく。
イーガスさんにも報告をした方が良いのかな、、、
天中に在る太陽?でも、、今は真冬だけどね。
地球なら真夏の太陽の位置じゃね。
仕事の事をケシーレさんに言わないとだし。
んん~~。硬いパンか~~ぁ。
朝の串焼きがぁ~、、、あああっ~。
考えただけで涎が。
ロクでもない事を考えながら、、トボトボ歩く。
なあ、シン。
ワヒットさんもさ、良い人で良かったな。
ウン!
でっかいキャベツの「LL玉」。
スープに入ってるメインの野菜。




