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異界奇行---俺にはキツスギル!  作者: kenken@


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新年に13歳になる。

ミサが終わっても、落ち着かない。



あわただしかった?

昨夜のミサ。



あの後が、、大変だったんだ。

街の人達が礼拝堂から出て行かずに中々家に帰らない。

ケシーレさんも、街の人達の話の輪に加わっていて笑顔が収まらない。

街主の命で解散してくれたけど、どうなるのか。



アルロとお喋りしながら食堂に歩いて行く。うう~腹減ったよ。

普段より、もう遅い時間だから皆が腹ペコだよ。



 アルロおなか減ったよ~!アルロ~。

 女神様!俺はお腹が減りすぎました~!。

 ア~~!時間掛かりすぎだよ~。今夜はさ大変だったけどさぁ。

 アルロ~なんか言ってよ~。


 


  アハハッ!シン、

  女神さまの祝福が降るなんて。ドウシヨウモナイカラネ。

  僕もお腹が空き過ぎて大変さ。

  みんなも同じはずだよ、シン。



 シン!僕も倒れそうだよ。



ケリオサもフラフラと歩いてる。

いつも賑やかな女の子達もあんまり元気がない。

俺は声を絞り出して言うんだ!



 みんな食堂まで頑張ろう、あと少しだからね。



無事に全員が食堂に辿り着いたよ。

チビ二人もリビエさんに起こされて椅子に座ってる。

夜食抜きはキツイもんね。

俺達の夜食は貰い物の、昼のパンがまだ人数分以上残ってるので

何時ものスープと合わせて食べれたよ。

腹減り人間の声が、、つい言葉に出る。



 ううう~、、温かいだけでスープがこんなに美味しいなんて、、、

 冷めてもこのパンなら美味しく食べれるよね。

 あ~ぁ、、、。


 

美味しい食事の後、、、全員がお互いを見つめて言葉を発する。


  女神様!宿屋の皆さん!美味しい食事に感謝いたします。 


 


食事の後は各々が支度をして寝るのだけれど

孤児院の仲間たちも興奮して、なかなか寝付けずにいた

いつもと違うベットの向きにして顔を寄せて

皆でヒソヒソと祝福の話で盛り上がってた

灯りの魔法を少なくして暗くなった寝床の部屋だけど

眠気に負けるまで話し込んでいた。



そして一夜が過ぎて。


年は明けた。


俺は多分13才になった。

13歳、、、、若すぎるだろ。

でも、、1年経って違和感が、、、少なくなってる気がする。

元のシンの気持ちがだんだん強く出てるのかな。

まあ良いかな。



昨夜奇跡が起きた。

女神の祝福が俺たちの住む町に降って来たらしい。

まあ、実際に見て体験したけどね。

思い出すと。

ホントの出来事かと思うほどの驚愕の一時だった。



前世では、、

昔の日本人は八百万の神の信徒だった時も有ったとか

現代の日本人だと神の存在自体を皆無だと思う人が殆どだけど

無宗教で都合の良い時に数多の宗教の神事を持ち出し乗るのが

日本人の人種的特徴だよね。

数多の宗教の祝い事のみに関わる日本人だ。


良い所取りの日本人だ。

でもね。


転生した。この世界にはハッキリと神の存在が示されてる。

何回もその力を示しているんだ。あの時もそうだ。


何処からともなく突然に

頭に響く男の声を聴いた人が数人かいてさ

その聞こえて来る内容で、一様に驚愕するんだ。

だからかな「神の声」と跪く。

その人が突然跪き頭を床まで下げて

泣き出してしまったから、、。



あれが引き金で、周りの人が驚き始めると

それが広がって行くんだ。

修道院の礼拝堂の中で行われたミサが大混乱になったし。


壇上に居た街主の声と、数人いた供の護衛の騎士の統制で

礼拝堂の中に居た人々の興奮を何とか沈めたよ。

街主も声を聞いた事が幸いしたね。



  皆。静かに、、落ち着いてくれ!



でも人々に声は届かない


街主は辺りを見回して、速足でケシーレさんの元に行き

傍らに置いてあるハンドベルを一つ持ち、鳴らす。



カラ~ン!カラ~ン!


カラ~ン!カラ~ン!



カラ~ン!カラ~ン!


カラ~ン!


カ~ン!



急な鐘の音に混乱した人々が止まり、壇上の人を注目する。

そして静かにゆっくりと街主が語りだす。

女神の祝福の事を

この国の慶事だと話して

上手く落ち着かせたよ。



ミサはその後、時間を少し置いて再開した。

祈る人々の表情は何時にも増して明るくなってたし

皆が顔色も紅潮しているようだった。

何時までも終わらない語らいと祈り。

興奮した人々の祈りが長く続く続く。

ホントに終わらない。



最後は壇上からミサの終了を

街主が宣言した。

今夜の祝福の出来事の話と

女神への感謝の祈りで締め括られたんだ。


こんな事は普通起きないよね。

思い出してみても、、、

有り得ない、、、

でも起きたんだ。



祝福の事は俺達にはあんまり分かんないし、、、

これから何かあるんだろうけどね~~!。

声は聴いたけど、なんもかわりないしね。


朝ご飯も食べたし

いつもの生活かな。








昨日の残りのパンが美味しかった。

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