大晦日。午前?
12才の最後の日。
孤児院の風景は何も変わらない
朝からいつもと変わらない薄いスープと硬いパンで皆が腹を満たす風景だよ
男子組は食べ足りないよ~~と思いつつ手を動かしてる
食後にケシーレさんが今日の予定を放し始める
みんな聞いて。
午前中のお仕事は無しよ。勉強も無し。ゆっくりと休みながら自分の荷物とロッカーの整理整頓をしてね
それが終わったら各自お昼まで自由にしていいわ。午後はまた礼拝堂と院の掃除ね。
入口の門からの通路も少しだけど綺麗にしましょうね。
それでは、ここの食器の片づけをして始めましょう。
おお!半日がほぼ自由何て何時以来だろうか、、記憶にないかも
食器洗いに鍋洗い。テーブル拭きに椅子の整頓!みんなですればアッと言う間さ
さあ。皆と部屋に戻ってそれぞれに言い付けられた事を始めるよ。
食堂を出て廊下を皆で進んで行く。
シンの荷物と言っても碌にないよね。僅かな着物にタオルみたいな布とポーチと、、、
綺麗に磨いた木の棒が1本?、、と。
シディリーさんに御菓子を貰った時の小さな布くらいだよ掃除の必要なし
寝床の近くの窓を開けて換気と埃を飛ばすくらいで、、、終わりだね。
ふ~~!俺は掃除終了!荷物なんて無いしね! みんなまだ?終わった?。
振り返り周りの皆の様子を確認するとアルロとケリオサの男子二人は終ってる様子だ
女子組は年少の2人組の手伝いと、片付けのやり方で話し込んでるみたいで笑顔も見えるよ
丁寧に教えてあげないとね。
今から良く覚えないと先々に自分が苦労するんだぞ、、
(なんて偉そうな事を考えてる)
シン!早いじゃないか。ちゃんとできてるの?。
だって俺の荷物なんて少ないし、、、
まあ確かに、俺達の荷物は少ないよね。
ケリ!そっちはどう?
僕も終わったよシン。寝床の藁ベッドもまだ作り替えなくても大丈夫だし。
ここの部屋も汚れとかゴミになる様な物なんてないし!
そおだね!ああ女の子組も終わったみたいだ。
俺はレーリエに声を掛けた。
レー!。そっちも終わったんでしょ。これから何するの?
俺達は、、、昼まで予定なしだけど(横目で男子2人の顔を見ながら話してる)
私たちは食堂でお喋りしながらゆっくりと勉強かな~、、、ねえ?ラツェ。
(ゲゲッ!勉強とかマジですか)
そおだね、チビちゃん2人の為にもね。
多分だけど食堂だと火があるから暖かいし、ハーブの御茶を飲みながらかな~
みんなでゆっくりしようと思うの。
シンたちはどうするの?。こっちに来る。
もちろん男子3名は、、何も考えてはイナイ、、、休みに歓喜してるだけだ。
どうする、どうする?
アルロどうする?俺はチョッとね(俺的にはフリーが良いな)
シン!俺とケリはジャスリーさんの所を見に行ってから街の散歩に行くかも。
今日は天気も良いし、少し暖かいからさここから出かけるよ。
半日のお休みだし良い事が有るかもしれないしな!
なあ、ケリ!
ウフフッ。シン!僕はアルロと散歩に出てさ、良い事と出会ってくるからね。
美味しい物が街中で僕を待っているんだよ!シン!
夢を見てるな~~ぁ。ケリ! 出会いの幸運を祈ってるよ。
じゃあ別々に午前を過ごそうね!俺はここに居るよ。体の休息に充てるんだ。
ここの所さ体のアッチコッチが痛くなる時があってさ、だからねただただ休みたいの
みんなには悪いけど。
ああ分かった。じゃあ俺達は出かけるね、あとでね。
シン!勉強しなくていいの?、、まあ貴方は出来るから良いのかな?
男子2人は下駄箱の方に歩いていった。
女子組も勉強道具をもって食堂に歩いて行ったよ。少しラッエが俺を見てたけどさ。
皆が居なくなった部屋で自分の藁ベットが有る所に座り込んだ
半折にしてある藁ベッドに力を抜いて背中で寄りかかって目も瞑る。
アアッ、、、あと少しで1年が経つのか。
ガリガリで何でもない孤児院の少年の1年。
少し魔法が使える少年の人生。
年初めの疫病で仲間の子供達と死ぬ定めの人生だったシン。
でも、俺がこの世界に転生したから生きてるシン。
ケシーレさんが何時か言ってたな
勢いよく広がる病などが人の世に幾たびも繰り返される、天災や厄災だと
この国の多くの街でも大勢の人が病に倒れたらしいって
礼拝堂で神に幾たび祈っても無くせないって
何処の世界でも人が生きるのは大変だ。
13才になったら、、何か変わるかな
最近ここに転生した時の記憶が薄れてる、、、何だっけ。
なんでここに居るんだっけ。
いつの間にか眠っていたらしくラツェに起こされた。
シン!そろそろ起きないと、あと少しで昼になるよ。
2人はさっき帰って来てね先に食堂に行ってるよ。
シン、、、起きて。
アアッ、ラツェ!今起きるから。




