薬屋さんへ
俺が転生したこの異世界でも、あと少しで新年になろうと言う冬の季節だ。
孤児院での12歳孤児の俺のライフスタイルは何も変わらないよ
15歳の成人の儀まで手伝い仕事を熟していくだけだ!
だから、今は金物屋の商品配達の仕事で鍋を背負って道を歩いてる。
リアルに自分の背に背負って歩いてるよ、恩恵品のウエストポーチは使わずに
あれは人前では使えない代物だねよね、凄く便利だけど。
知らない力で空間拡張されてて荷物が一杯入れられる品物なんて、俺はここの世界で今までで一度も見た事ないから使えないんだ。
だから荷を背負い、俯き加減に小声で独り言を囁きながら、道を歩いてるんだけどね。。
「ああ寒いよ~~~。う~~寒い!、、」
「首筋とかから服の中に寒さが入りこむぅ、、、イ~~~ヒッヒッヒッ、、冷えて耳も痛ぁ~い!」
「クゥ~~~普通だと防寒にマフラーって感じだけどな、街中で誰もしてないよね、この世界にマフラー無 いのかなぁ~~。手袋もなぁ~皮しかないなんて買えないよね~~」
「孤児でも出来る、なんかの温か装備ないのぉ~~~~~」
「あと毛糸の帽子なんかも有れば良いよね、見かけないから無理かなぁ」
「そもそも毛糸の素材が無いのかな?。、、、毛糸も見た事ない様な気がするし」
「羊だよねぇ」
「もしかしたら街中の、どこかの店で売ってるかも知れ無いけど今の俺には分からないしな」
「リビエさんに言ったら理解して物の物で作ってくれるかな、、ああ無理かな編み物の仕組みが分からん し」
「ああ、知らない事と無い物ばっかりだよ」
「う~~~寒い!」
そんな事を一人で呟きながら、俺は俯き加減で道をトボトボと歩いて行く
配達で背負ってる鍋の形は少し深めの両手鍋と言う物だろうかな
鍋は2個でもね、重ねて背中に上手く背負えたからあんまり重く感じない、配達仕事だけど俺は荷物の重さをあまり感じないで案外楽を出来てるよ。
配達先の薬屋さんまでの道程は。まるで孤児院に帰る様に朝来た道を逆に進んで行くんだ。
まあ、帰れないし今の俺は仕事で鍋を背負って歩いてるけどね!
配達の途中でジャスリーさんの宿屋の前も通るので、手伝いに来ている孤児院の女子組の誰かが居ないかと、首を傾げて覗きながら宿屋の前を歩いて行くが誰も見つけられなかったよ残念。
そして道1本分遠回りになるけど孤児院の前も歩いて行く、わざわざ門の前を歩いて行くがここも誰もいない。なんで誰もいないんのさ、、と思っちゃうよ。
孤児院の前を過ぎてここから先、街の東側への向かう道は、俺は今まで行った事の無い道だから迷わない様に気を付けながら進んで行く予定だよ。
ガガエズさんには孤児院から東門までそんなに距離は無いと言われたからね。薬屋さんも案外近いのかも知れないなと考えながら歩いて行くと、道の先に人通りの多い東門に繋がる大通りが見えてきた。
あの大通りを左に折れて東門に向かいゆっくりと歩きながら行けば、薬屋さんの白い建物を見つけられるだろう。
大通りに出て道行く人の多いの中を荷物を気にしながらさらに歩いて行く、両側の建物を気にして見ながら少し歩くと東門が遠くに見えて来た。そこで道の端によって1度立ち止まって白い建物を探した。
辺りの建物を見回していると、直ぐに俺の歩いてる側の反対側に白ッポイい4階建ての建物を見つけたよ。
「見つけたあの建物だな」
「白い建物って言って得たけど、そんなじゃないな」
「看板は、、、小さっ」
白いって言ってたけど周りの建物より少しだけ白い壁が目立つ程度で見逃すところだった、多分あの建物が薬屋さんだろうから、ここで道を横切って向こう側に移動して荷物を届けよう。
でも、ここは大通りだからね馬車とかも走ってるので。道を横切るのにも注意が必要だよ。
もちろん都合よく横断歩道や信号なんて無いからね。ここは異世界の「カオス」な大通りなんだから。
大通りに荷馬車や箱馬車が来ないタイミングを確認して、人の流れを上手く捌きながら無事に道を横断する事が出来たよ。あとは薬屋さんの入り口のドアを目指して少し歩き進むだけだから問題ないね
辿り着いた薬屋さんの建物の看板を確認して、、、うん!瓶の看板だし間違いなしだ。
薬屋さんの建物は、1階の通りに面した所にはガラスが多く使われていて、店に中が少し見えた
建物から少し引っ込んだ造りのドアの前に無事たどり着いた、やったよ到着だよ。
ドアの前には1段分の階段が有って、上がった部分が少し広くなってる作りになっていたよ
「はぁ~。初めてこっち側の街に来たけど、迷わずに辿り着けたぁ~」
「瓶の看板だしここで間違い無しだね、あとはシディリーさんが居てくれると良いな」
「さて入りますか」
俺は一呼吸おいて建物の正面右側にあるドアを入って行く。目の前に有るドアノブ?、、に手を掛けてノブを右に捻りドアを押していくと。ドアが部屋の奥に向かって開いて行く、と同時に
、、、「カランカランカランカラン」、、、とカウベルのような大きな音が鳴ったんだよ。
普通に入ろうとしてたら、予想外の大きな音が鳴ったので、思わずドアノブを握って1歩踏み出した所で俺の動きが止まってしまった。
「うお~~~っなんなんだよ!」
「びっぅりしたなぁ~~」
あまりにでっかい鐘の音に胸がドキドキする、心臓が止まるかと言うほど驚いたよ!
ここのドアベルの被害者は俺だけじゃ無いだろうね、音に驚く人は絶対一杯いると思う。
ス~~ッ、フゥ~~~ッ!。、、
俺は大きく息を吐いてなんとか気を取り直したよ、でもまだ体が微妙に震えてて力が抜けてしまいそうだ
驚きすぎて腕なんかジンジンとまだ痺れてるよ、ここのドアベルは音が大きすぎだよ絶対心臓に悪い。
一瞬の出来事だったのに配達より遙かに疲れた感じだと思いながら、なんとか部屋に入っていく事が出来た
ドアが閉まる時にも微妙に鐘の音が鳴ったので思わず振り返ったよ
「音大きすぎでしょ」
1階の、お店部分の部屋は意外と広いみたいだ。部屋の中は通り側のガラスのおかげか光が良く入り、想像以上に明るい。
入って左側の窓辺に沿うように幅の狭い横長の台が置かれている、その上に見た事が無い物が数個、外から見て綺麗の見える様に置かれてる、なんのディスプレー何だろうかな。
向き直って部屋の中を見回せば。部屋の壁がどこも白く塗られてて?なんだか清潔感があるのかな、、?
部屋の中央辺りに、天板の白い大きい丸テーブルが1つと、テーブルの周りに出来の良さそうな背凭れの有る大き目の椅子が3脚等間隔に置かれている。
そこだけはまるで。「カフェかな」?と見間違える様な雰囲気の空間が出来あがっているよ。
「ああっ、白い壁だから部屋の中が余計に明るくなってるんだ」
「薬屋さんなのにお洒落じゃないか」
あとは部屋の横にある大き目な棚にも物が少し置かれているし、奥の壁にも何か分からない物が幾つか吊るされてる。
部屋の奥にドアが1つと通り側に向けたカウンターが設えられている。見えているカウンターの天板が分厚く綺麗な木材で造られてるのが俺でも分かるよ。
それ以外にも、気になる物が見える
「色違いの瓶が有るけど、あれが薬なのかな」
「青い色の瓶。まるでラムネ瓶の色だな」
そんな独り言を言いたくなる様な感じの瓶が見える
カウンターの天板の下には、一部がガラスでで出来てて、ガラス瓶が置かれているのも見えるんだよ。
でもね。カウンター内に人が居ないんだよね。あれだけ大きなドアベルの音がしたのに
シディリーさんが居てくれると思ったのに、しょうがないカウンターの前まで行って声を掛けようかな。
「んんん、、、、お店の人が居ないじゃん、、、」




